ウルフが会計コンサルタントと殺し屋という2つの顔を持つように、「ザ・コンサルタント」はサスペンスとアクションという二面性を兼ね備えている。ここでは、ウルフを取り巻く謎多きキャラクターたちを起点に本作の重厚なサスペンス要素をあぶり出す。また、劇中で展開するアクションの見どころを探っていく。
ウルフをサポートする会計士補
デイナ・カミングス(アナ・ケンドリック)
大手電子機器メーカー創立者
ラマー・ブラックバーン(ジョン・リスゴー)
ウルフの正体を探るアメリカ政府・財務省局長
レイモンド・キング(J・K・シモンズ)
真実を追う若き分析官
メリーベス・メディナ(シンシア・アダイ=ロビンソン)
「バットマン vs スーパーマン」から「ザ・コンサルタント」へ
2016年公開作「バットマン vs スーパーマン ジャスティスの誕生」でバットマンを演じたアフレックは、本作の撮影に臨むにあたりすでにアクション向きの体つきを有していた。しかし、大きさを重視したその体格はウルフとして適したものではなかったという。アフレックは毎日2時間ほどトレーニングを行い、ウルフに合った格闘スタイルを追求。その結果、劇中にはしなやかで瞬発的な戦闘アクションがたっぷりと収められた。
監督ギャヴィン・オコナーの手腕が光る
総合格闘技の世界を描いたトム・ハーディ主演作「ウォーリアー」。ギャヴィン・オコナーは同作で迫力満点の格闘シーンを演出し、映画好きの心をつかんだ。「ザ・コンサルタント」では、「ウォーリアー」の系譜に連なる肉弾戦だけでなく、臨場感ある銃撃アクションも展開される。アフレックが「現実性を持たせられる監督が必要だった」と語っている通り、劇中の銃撃戦は非常にリアリスティックだ。さらにウルフの動きからは形式美が感じられる一方、ブラクストンは自由な戦い方をしており、対照的に描かれるアクションが観る者を飽きさせない。
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2017年1月20日更新