映画ナタリー Power Push - BORUTO -NARUTO THE MOVIE-

主題歌バンドにして、ハードコア“NARUTO”ファン KANA-BOONが教える「BORUTO」の楽しみ方

ボルトはナルトのコピーじゃない

──「NARUTO-ナルト-」マニアの目から見ても「BORUTO」は納得の作品だ、と。

古賀隼斗(G)

古賀 しかも「NARUTO-ナルト-」を知らなきゃ楽しめないマニア向けの映画じゃなくて、ちゃんと1本の映画として完結するストーリーにもなっていて……。

小泉 確かに。岸本さんがそんなことをするわけないんだけど、ボルトがナルトのコピーみたいになってないところにもグッときた。ボルトも子供時代のナルトと同じように誰かに認められたいと願っていて、そういう「受け継がれる思い」が物語のキモになってはいるんだけど、でもボルトは当然ナルトとは別の人間で。そのボルトなりの考えや思いがあることが描かれてるところは、逆に「NARUTO-ナルト-」ファンには新鮮でした。

製作総指揮・岸本斉史だからボルト目線になれる

──お話を聞くぶんに皆さん、ボルト少年にも一定以上の理解を示しているようですが。

「BORUTO -NARUTO THE MOVIE-」

小泉 もう25歳なのに(笑)。

谷口 子供の頃から一緒に成長してきたつもりのナルトはもうパパになってるのに(笑)。でも25歳の僕らですら、少年であるボルトと同じ目線にさせてしまうところが岸本さんの作品のすごいところの1つではあって。

古賀 しかも、これはメンバー全員そうだと思うんですけど、ボルト目線にだけ立って脚本を読んだり、映画を観たりしていたわけでもないんです。場面場面で自分の目線とか感情移入するキャラクターが変わるというか。ボルトの気持ちも理解できるんだけど、ナルトが何かをしゃべってるときはナルトの気持ちを考えてしまうって感じで。

飯田祐馬(B)

飯田 それ、すごいわかる! どのキャラクターも全員ちゃんと“生きてる”。全員の言葉にすごく“芯”があるから、どれも気になって。すごくうなずける場面もあれば、「ああ、それはやめたらええのに」って思える場面や、「もうちょっと話し合ったらわかり合えるのに」っていう場面もあったりとか。しかも、その“やめたらええこと”をやってしまったり、“話し合ったらわかり合えること”をどうしても話せなかったりすることって自分たちにもよくあるから。キャラクター全員の感情の描き方がすごいリアルだから、僕らもボルト目線になれるっていう感じなんだと思います。

小泉 「NARUTO-ナルト-」ファンにしてみたら、ナルトの偉大さをあまり理解できていないボルトがナルトに反発するところなんかはちょっと寂しかったりもするんですけど、逆に大人になって忙しくしてるナルトに構ってもらえないボルトの抱えてる寂しさなんかももちろんわかるし。

というか、子供ズルいわ!

谷口 しかもそういう気持ちを理解した上で、あの服と額当ての場面を観ると……ってこれ、続きを話すと完全にネタバレになるな(笑)。

飯田 確かに(笑)。とりあえず「服と額当ては大事」ということにしておく?

──確かにすごく大事ですもんね(笑)。ではネタバレを避けつつ、物語のキモを探るためにも「BORUTO」を観に行くに当たって改めて振り返っておくべき「NARUTO-ナルト-」のエピソードを教えてもらえますか。

「BORUTO -NARUTO THE MOVIE-」

小泉 なるほど(笑)。でもどこやろうなあ?

古賀 (うみの)イルカ先生のくだりとか?

飯田 映画にも出てくる(猿飛)木ノ葉丸だって昔はイルカ先生の生徒だったわけだしっていう意味で。あの頃はお前もボルトたちみたいだったやん!って(笑)。

谷口 あと、ナルトとサスケの出会いとかも観ておくべきかな。

古賀 影分身じゃなくて本物のサスケがナルトに向かって本気で「お前ウザいよ」っていうところとか?

谷口 うん。あれもグッときたし、あとはナルトとサスケの終末の谷での……。

飯田 「ウスラトンカチ」と「ちんちくりん」のやりとり(笑)。

小泉貴裕(Dr)

小泉 確かにあれは「BORUTO」を観る上でも深い意味がある。でもこうやって話してると、まだまだ全然エピソードが出てくると思いますよ。

谷口 だからあれやな、振り返っておくべきエピソードは全部!

──できればもうちょっと絞っていただけると……(笑)。

飯田 じゃあ、ナルトの子供時代のエピソード全部(笑)。

──あはははは(笑)。

谷口 でも子供の頃のナルトのエピソードを全部踏まえた上で「BORUTO」を観たらホントにヤバいと思うわ。どんだけ感動するか。

──その逆も面白そうですよね。今回「BORUTO」で初めて「NARUTO-ナルト-」シリーズの世界に触れた人が原作マンガを読んだり、アニメシリーズを観てみたり。

KANA-BOON

古賀 そういう人って3回くらいオイシイ思いをできるはずですよね。まず「BORUTO」を観てオイシイ思いをして、で、原作や過去の映画やアニメを観てまたオイシイ思いをして。そのあと「NARUTO-ナルト-」の世界観を理解した上で「BORUTO」を観直してみたら……。

谷口 最初に観たときよりオイシイ。映画を観に行く小学生の子たちの中にはそういう子も少なくないと思うんですよね。で、そういう子たちがうらやましくてしょうがない(笑)。もう15年以上「NARUTO-ナルト-」を読み漁っている僕たちはもう、その“3回オイシイ体験”は絶対にできないから。というか、子供ズルいわ!

「BORUTO -NARUTO THE MOVIE-」/ 2015年8月7日公開

「BORUTO -NARUTO THE MOVIE-」
スタッフ
  • 原作・脚本・キャラクターデザイン・製作総指揮:岸本斉史(「NARUTO-ナルト-」集英社ジャンプコミックス刊)
  • 監督:山下宏幸
  • 脚本協力:小太刀右京
  • キャラクターデザイン:西尾鉄也、鈴木博文
キャスト
  • うずまきボルト:三瓶由布子
  • うちはサラダ:菊池こころ
  • うずまきナルト:竹内順子
  • うちはサスケ:杉山紀彰
  • ミツキ:木島隆一
  • 山中いのじん:阿部敦
  • 奈良シカダイ:小野賢章
  • うずまきヒマワリ:早見沙織
  • モモシキ:浪川大輔
  • キンシキ:安元洋貴
  • ダルイ:竹内良太
  • 我愛羅:石田彰
  • 長十郎:宮田幸季
  • 黒ツチ:武田華
「THE LAST -NARUTO THE MOVIE-」ナルト役声優・竹内順子インタビュー KANA-BOON×「ジャンプ」編集者座談会

©岸本斉史 スコット/集英社・テレビ東京・ぴえろ
©劇場版BORUTO製作委員会 2015

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KANA-BOON(カナブーン)

KANA-BOON

谷口鮪(Vo, G)、古賀隼斗(G)、飯田祐馬(B)、小泉貴裕(Dr)からなる大阪・堺市出身の4人組ロックバンド。2013年4月に活動の拠点を大阪から東京に移し、同年9月にシングル「盛者必衰の理、お断り」でメジャーデビュー。同年10月に1stフルアルバム「DOPPEL」を発表した。2014年はテレビ東京系アニメ「NARUTO-ナルト-疾風伝」のオープニングテーマ「シルエット」、2015年1月にはメジャー2ndアルバム「TIME」をリリースし、大阪・大阪城ホールおよび東京・日本武道館にて初のアリーナワンマンライブを成功させた。今夏はRISING SUN ROCK FESTIVAL 2015 in EZO、SUMMER SONIC 2015など、多くの音楽フェスティバルへの出演を控えている。

KANA-BOON ニューシングル「ダイバー」
2015年8月5日発売 / Ki/oon Music
初回限定盤 [CD+グッズ]
1620円 / KSCL-2613~4
通常盤 [CD]
1258円 / KSCL-2615
Loppi・HMV初回限定盤 [CD+グッズ]
3120円 / KSCL-2613LH
Loppi・HMV通常盤 [CD+グッズ]
2758円 / KSCL-2615LH
収録曲
  1. ダイバー
  2. スパイラル
  3. 街色

2015年8月7日更新