アニメーション映画「
いましろたかしの同名マンガを原作とする本作は、人間のように暮らす化け猫のあんずちゃんを主人公とした物語。お寺で暮らす37歳のあんずちゃんを森山未來、和尚の息子に連れられた11歳の娘かりんを五藤希愛が演じた。
公開から1週間が経過し、山下は「業界の方もけっこう観てくれて、いい反応をもらえたのでうれしいです」と言葉を紡ぐ。久野は「ネットで反響を見ると、あんずちゃんのキーホルダーがカバンに入っていたり、窓辺にいたりいろんな旅をしているなと思っています」と笑顔を見せた。
実写で撮影した映像から芝居を抽出し、アニメーションにするロトスコープの手法で制作された本作。イベントでは実写とアニメーションの比較映像がスクリーンにかけられた。おしょーさんが登場するシーンを観た鈴木は「実写の動きがアニメーションに寄り添っている感じがしますね」と驚く。
山下が「おしょーさんは原作に近いフォルムなんだけど、なぜか慶一さんの雰囲気があるんですよね」と発言すると、鈴木は「(演じるときには)そこまでアニメになることは意識しませんでした。派手に動いたり、アニメっぽい動きをしようとは考えなかった」と回想。また鈴木は「体の動きが大事だから、袈裟を着る意味はあったんだね。暑くて『着る意味あるのかな?』と思ってたので(笑)」と本音をこぼし笑いを誘う。
続いて、たぬきたちがかりんの話に涙するシーンが上映。澤部は「泣く演技は実写映画にもありますが、(本作では)“アニメ・マンガ的”な涙の表現になるじゃないですか。その絶妙さがすごく奇妙で面白いですよね。それにしても、本当に暑かったことを思い出します」と述懐する。鈴木が「僕はたぬきが、ボーッと立ってるだけのシーンが一番好きだよ」と言及すると、澤部は「細かいところにいろんなものが詰まっていますよね。ディテールの世界がなんて豊かなんだろうと思います」と頷く。
本作では、実写撮影の現場で録音した音声をそのまま使用している。滝野は「実写の映像を最初に見て『この演技を残したほうがいいんじゃないか』と思いました。現場の雰囲気を残したほうが面白いアニメーションになるんじゃないかと感じたんです」とコメント。また彼女は「かりんちゃんは、セリフで自分の感情を語らないキャラクター。逆立ちの練習をしたり、お母さんの写真を見るベッドでのシーンに感情が表れていると思い、ベッドの軋み音などは時間をかけて作りました」と明かした。本作の音楽を手がけた鈴木は「てっきり出演だけかと思ってました」と切り出し「今回は音楽を作る段階で、実写の映像やセリフの音声があった。これが、イメージを膨らませるのに非常に効果的でした」と述べ、滝野と密にコミュニケーションを取りながら音楽を作り上げていったことを説明する。
イベントでは、4年前に制作されたパイロットフィルムが上映される一幕も。このフィルムで音楽を担当していた澤部は「最初は本当に驚いたんですよ。『あんずちゃんがアニメになんの!?』って驚きが……伝わりますかね?(笑) だからすごく気合いを入れて曲を作りましたし、このときは原作マンガをイメージしていましたね」と当時を振り返る。山下は「パイロットフィルムのほうが、森山さんの演技が生っぽいですね」、久野は「このときより、本編のほうはかわいらしい方向性でお芝居していただきましたね」と口にした。
「化け猫あんずちゃん」は全国で公開中。
眼福ユウコ @gampy
【イベントレポート】「化け猫あんずちゃん」鈴木慶一&スカート澤部渡の現場の苦労とは?楽曲制作も語る https://t.co/LOLecJP3No