全国で映画館を運営するTOHOシネマズが、ほかの興行会社より優先的なオファーを映画配給会社に求め、独占禁止法に違反した疑いがあるとして調査を受けていた問題で、公正取引委員会は同社が提出した改善策などを含む確約計画を認定したと本日10月3日に発表した。
公正取引委員会によると、TOHOシネマズは遅くとも2016年11月頃より配給する会社に対して、自社をほかの興行会社よりも有利に取り扱うよう要請するとともに、応じない場合は今後の上映を取りやめる旨を伝えるなど、不当な圧力をかけていたという。具体的には、上映館数が限定された作品は自社に最初にオファーすることや、指定した他社の映画館へのオファー見合わせといった要求が行われた。
独占禁止法において、これらが新規参入者や既存の競争者が排除される状態をもたらす「拘束条件付取引」にあたるとして、公正取引委員会が調査していた。それを受け、TOHOシネマズは違反被疑行為を取りやめるための対策を提出。行動指針を配給会社と自社従業員に周知すること、番組編成役員および従業員に対する定期的な研修・監査を行うこと、措置の履行状況を今後3年間にわたって公正取引委員会に報告することなどが約束されている。公正取引委員会は、当該の確約計画を認定して調査を終了とした。
TOHOシネマズは映画会社・東宝の子会社として知られ、公式サイトによると全国74館・695スクリーンを展開する業界大手の興行会社である。
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ティグレ @Masked_Tigre
TOHOシネマズから配給会社へ“圧力”の疑い、公正取引委員会が改善計画を認定 https://t.co/iigsMveIiz