イギリス人女優が父の記憶をたどる旅へ、ドキュメンタリー「長崎の郵便配達」8月公開

元英国空軍大佐で作家のピーター・タウンゼンドが1984年に発表したノンフィクション「ナガサキの郵便配達」にまつわるドキュメンタリー「長崎の郵便配達」が、8月5日に東京・シネスイッチ銀座ほか全国で公開される。

戦時中にパイロットとして英雄となり、退官後は英国王室に仕えたタウンゼンド。周囲の猛反対で破局したマーガレット王女との悲恋は世界中で話題となり、映画「ローマの休日」のモチーフになったとも言われている。のちにジャーナリストとなった彼が、日本の長崎で谷口稜曄（スミテル）に取材したのが「ナガサキの郵便配達」だ。谷口は16歳で郵便配達中に被爆し、生涯を通して核廃絶を訴え続けた人物。映画ではタウンゼンドの娘であり女優のイザベルが、長崎で父親の足跡をたどりながら、父と谷口の思いを紐解いていく。

監督を務めたのは「紫」「あめつちの日々」で知られる川瀬美香。YouTubeで公開中の予告には、ニューヨークの国連本部でスピーチをする谷口の姿や、イザベルが父親の書籍や録音テープを頼りに長崎を巡る様子が収録された。ポスターには「1冊の本からはじまった 父の記憶を辿る旅──今、娘が受け取る平和へのメッセージ。」というコピーが添えられている。