花輪和一
ハナワカズイチ
1947年4月17日埼玉県大里郡寄居町生まれ。1971年ガロ(青林堂)にて「かんのむし」でデビュー。平安から江戸期の日本を舞台にしたエログロナンセンスを描き熱狂的なファンを獲得した。寺山修司の劇団「天井桟敷」の意匠やポスターのデザイン、児童学習誌、小説、レコードのイラストを手がけるなどマンガ以外の分野でも広く活躍。1992年よりアフタヌーン(講談社)にて童女と河童のファンタジー「天水」の連載をスタートしたが、1994年銃刀法違反の容疑で逮捕され連載は中断された。1998年、出所し活動を再開。アックス(青林工藝舎)で刑務所での体験を基に連作「刑務所の中」を発表。受刑者の日常を精密に描いた異色の獄中マンガとしてベストセラーに。同作は2001年第5回手塚治虫文化賞の最有力候補となるが、マイナーマンガ家を自負することを理由に受賞を辞退している。同作は2002年に崔洋一監督により映画化もされた。その他の代表作に残虐な描写の多いSFファンタジー「月ノ光」、平安時代を舞台にした御伽噺「鵺」、SLに乗って異世界を旅する「コロボックル」などがある。