コミックナタリー Power Push - マーガレットコミックス特集 あの頃も、これからも!一生少女マンガ宣言 第3回 神尾葉子「花より男子」「花のち晴れ~花男 Next Season~」

「花男」というライフワーク

1992年から2003年まで、マーガレット(集英社)にて長期連載された大ヒット作「花より男子」が約12年ぶりに帰ってきた。F4が卒業してから2年後の英徳学園を舞台とした続編「花のち晴れ~花男 Next Season~」は、WEBマンガアプリ・少年ジャンプ+にて連載中。1巻が7月3日に発売を控えている。

コミックナタリーでは刊行を記念し、神尾葉子にインタビューを実施。神尾にとっての「花より男子」とはどんな作品なのか。また続編「花晴れ」の読みどころや、男性読者を対象とする少年ジャンプ+での連載について、思うところを聞いた。

取材・文/門倉紫麻

 
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「花男」のことを、過去形ではなく描きたかった

卒業したF4は、英徳学園で伝説の存在となっていた。

──「花のち晴れ」は、「花より男子」の舞台、英徳学園を再び舞台にしています。道明寺司らF4が卒業してから2年後、という設定にされたのはなぜでしょう。

あまり時が経ってない方がフレッシュな感じがしていいかなと。実際の時間でいうと12年後くらいになってしまうので。あとは「花男」で描き切れなかったことを描こうと思っていたので、あまり時間が経っていないようにしたかったんです。誰かと誰かが結婚している、というようなことが、過去形で出てこないようにしたくて。

──連載するにあたって、「花男」を読み返したりはされましたか?

「英徳学園ってどういうところだっけ?」と単行本を引っ張りだしてきて久しぶりに読んでみたんです。連載中は本当に荒波にもまれていたというか、必死だったのでよく覚えていないんですが、離れてみると、すごく私が楽しんで描いていたことがわかって。登場人物が楽しそうなんですよね。これを、私が描いたんだなあ……と、久しぶりに読んで、そう思いました。同時にもう少しこうすればよかったとか、ここまで描けばよかったとかいろいろと思うところもあったんですが。

──どういうところを、こうすればよかったと思われたんですか?

英徳学園に、ライバル校となる桃乃園学院が立ちはだかる。

少女マンガ誌の連載ということもあって、恋愛に特化した話だったんですが、もうちょっと違うところを描いてもよかったなと。英徳学園のこともそうですし、他校の生徒とのことが出てきてもよかった。それを今「花晴れ」で描いている最中ではあるんですけど。

──「花晴れ」には英徳学園の生徒数が減っている、というような事情が描かれていたり、ライバル校のような別の学園も登場していて、世界が広がっていく楽しさがありますね。

そうですね。もちろん、「花男」は道明寺とつくしの恋愛を描いていたからこそよかったんだ、とも思ってはいるんですが、今回は違ったことも描けたら楽しいかなと思っています。

つくしはまだ出すべきではない、と思いました

道明寺を崇拝するハルトの前に、道明寺家の使用人・タマさんが登場。

──主人公の神楽木晴(ハルト)が、道明寺の家を「聖地巡礼」として訪ねた時、「花男」の人気キャラクター、使用人のタマさんが登場したのはうれしいサプライズでした。

あの時、「花男」のキャラで誰を出そうか考えて……ネームでは、つくしが出てきていたんですよ。

──そうだったんですか!

でもつくしを出したことで、話の軸がずれてしまって。つくしはもう少し後にしようと思いました。まだ出すべきではないなと。ちなみに単行本1巻のあとがきにはF4が出てきて、座談会みたいな感じで話しています。

──「花男」同様、キャラクターたちがやはりとても魅力的です。ハルトは道明寺に本気で憧れていて、体を鍛えるために通販で変なグッズを買い込んで盲信している、とか。キャラクターはどんなふうに作り上げていかれたのでしょう。

「花晴れ」1巻のあとがきにはF4座談会を収録。

ジャンプ+でのWEB連載ということを考えた時に、カッコよくて完全無欠な、少女マンガに出てくるような男の子ではダメかなと思ったんですね。男性読者の方にも感情移入できるような主人公でなくちゃいけない。でも女性読者もカッコ悪いとは思わない主人公でなくちゃいけない……なのでちょっと、かわいい感じの男の子を描きたいなと。

──確かにハルトはかわいいです。ヒロインである江戸川音のほうは、つくしと同じく芯が強い女の子ではあるのですが、ちょっと影があるようなところもいいですね。

ヒロインの江戸川音。

つくしは裏表のない、堂々と構えた子でしたが、音には弱さがあります。

──それが憂いというか、色気にもつながっているように思います。

そうですか! よかったです。つくしって、たぶん男性読者に受けが悪かったと思うんですよ(笑)。なので今回も本当は、見た目がすごくかわいい女の子がいたらいいのかなあと思ってはいたんですけど……私はそういう女の子を描くのが得意じゃなくて。やっぱり普通の女の子になりました。

海斗と美作がお茶を飲むようなシーンが描けたらいいですね

学園の品位を保とうと「庶民狩り」を遂行していくコレクト5のメンバー。

──学園の品位を保とうとする、F4ならぬコレクト5には、男子だけではなくて愛莉という女の子も入っていますね。

F4は男の子だけでしたけど、別に女の子が入っていてもいいなあと思っていて。音のよきライバルになるような女の子を出したいとも思いました。愛莉みたいなキャラが好きなんですよ。私のマンガには必ずそういう子が1人出てくるんですけど。

──かわいくて、負けん気が強くて……「花男」だと桜子みたいな。

そうですね。そういう子がだんだん変わっていく様子を描くのが好きで。愛莉はこれから物語にすごく絡んでくると思います。

ハルトの面倒を見る海斗。

──コレクト5の、ハルト以外の4人については、愛莉を含め、まだ明かされていないことがたくさんありそうですね。いい体の杉丸とか、面倒見のいいメガネキャラの海斗も気になるところです。

海斗みたいな心配性で損な役回りのキャラも私の作品には必ず出てきて。描いていて、あ、美作に似てる、と思ったりしました(笑)。美作と西門、2人の役割を担っているようなキャラですね。いつか、海斗と美作が2人でお茶を飲んでいるシーンとか描けたらいいですね。

マーガレットコミックス特集 あの頃も、これからも!一生少女マンガ宣言 特集一覧・連載作品年表はこちら
第1回 河原和音
第2回 咲坂伊緒
第3回 神尾葉子
第4回 中原アヤ
第5回 森下suu
第6回 あいだ夏波
第7回 やまもり三香
第8回 水野美波
第9回 幸田もも子
第10回 宮城理子
第11回 佐藤ざくり
第12回 椎名軽穂
第13回 小村あゆみ
第14回 いくえみ綾
第15回 ななじ眺
第16回 八田鮎子
番外編 マーガレット&別冊マーガレット編集長インタビュー

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神尾葉子作品
神尾葉子「花より男子」
神尾葉子「キャットストリート カラー版」
神尾葉子「いばらの冠」
神尾葉子「虎と狼」
神尾葉子オススメ作品
いくえみ綾「POPS」
河原和音「高校デビュー」
やまもり三香「ひるなかの流星」
岩館真理子「ふくれっつらのプリンセス」

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ブックパス

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「花のち晴れ~花男 Next Season~」1巻 / 2015年7月3日発売 / 集英社 / 432円
「花のち晴れ~花男 Next Season~」1巻
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※こちらの作品は読み放題対象外となります。

英徳学園からF4が卒業して2年……。F4のリーダー・道明寺司に憧れる神楽木晴は、「コレクト5」を結成し、学園の品格を保つため“庶民狩り”を始めた!! 隠れ庶民として学園に通う江戸川音は、バイト中に晴と遭遇し!? 描き下ろしのF4ミニマンガも収録!

神尾葉子(カミオヨウコ)
神尾葉子

6月29日東京都生まれ。1986年、ザ マーガレットにて「はたちのままで待ってる」でデビュー。1992年より12年間にわたってマーガレットで連載された「花より男子」は単行本発行部数6100万部を超える大ヒットを記録し、第41回小学館漫画賞を受賞。同作はTVアニメ、小説、台湾での実写ドラマ化など多彩なメディアミックスがなされ、いずれも好評を博した。2016年にはミュージカル化も決定している。2015年2月、「花より男子」の続編である「花のち晴れ~花男 Next Season~」をWEBマンガアプリ・少年ジャンプ+にてスタート。そのほか別冊マーガレット(すべて集英社)での連載作品に「キャットストリート」「虎と狼」「いばらの冠」などがある。