KADOKAWAグループのGeeXPlus、海外インフルエンサー主導のアニメ制作事業を始動

2

37

この記事に関するナタリー公式アカウントの投稿が、SNS上でシェア / いいねされた数の合計です。

  • 7 8
  • 22 シェア

KADOKAWAグループのGeeXPlusが、アニメ・コンテンツ製作を手がける新規事業・GeeXProductionsを立ち上げた。

「bâan-大人の彊界-」「Soul Mart」「Otachan! Rabbit Season」ビジュアル

「bâan-大人の彊界-」「Soul Mart」「Otachan! Rabbit Season」ビジュアル

大きなサイズで見る(全17件)

これはアメリカ・ロサンゼルスで開催中のイベント「Anime Expo 2025」で発表された情報。GeeXPlusはアニメ、ゲーム、マンガジャンルを得意とする海外クリエイターのマネジメント事務所兼インフルエンサーマーケティング会社として、2019年に設立された。アニメファンが世界中で拡大し続けている昨今、アニメ制作への関心と優れた表現力を持つ海外クリエイターが年々増加していることを受け、その可能性と熱意を活かした新たな取り組みができないか考えていたという。今後はマネジメントやマーケティングにとどまらず、GeeXProductionsを通してアニメ制作やプロデュースに挑戦する海外クリエイターの支援にも注力していく。

GeeXProductionsの第1弾コンテンツとして、チャンネル登録者数300万人超のYouTuber・Giggukと短編アニメ「bâan-大人の彊界-(バーンオトナノキョウカイ)」を制作。アニメ制作初挑戦のGiggukは、Garnt Maneetapho(ガーントマニタポ)名義で企画・原案を担当する。監督は「コードギアス 奪還のロゼ」の大橋誉志光。音楽は「薬屋のひとりごと」や「メイドインアビス」を手がけたKevin Penkinが担う。

主人公は日本とつながる異世界の国・ユーサニアで自分の居場所を探すリンと大地。大地は過保護な両親のいる日本を離れ、自由な生活を求めてユーサニアへやってきた。一方、幼くして孤児となったリンは、自立して生きる必要性を感じてユーサニアを離れるが……。タイ人の両親のもとイギリスで育ち、タイでも暮らした経験を持つGiggukが、自身の文化的アイデンティティや居場所をめぐる葛藤をテーマに描く。同作は8月24日に日本国内の劇場上映会で先行公開予定で、Gigguk公式YouTubeチャンネルで一般公開される。

また3Dアニメーターであり、チャンネル登録者数130万人超のYouTuber ・DillonGoo(ディロングー)と全12話のアニメ「Soul Mart(ソウルマート)」を制作。同作はYouTubeで11月にパイロット版が公開され、2027年に正式公開される予定だ。さらに「Anime Expo 2025」では、Otaku-Vsが制作するYouTubeアニメ「Otachan!」シリーズ「Otachan! Rabbit Season」の最新話がプレミア上映された。同作は順次、Otaku-Vsの公式YouTubeチャンネルでも配信される。

「bâan-大人の彊界-」(本編17分)

2025年8月24日(日)に日本国内の劇場上映会で先行公開
後日、Gigguk公式YouTubeチャンネルで一般公開

言語:日本語版、英語吹き替え版(予定)

スタッフ

企画・原案:Garnt Maneetapho(Gigguk)
企画・製作:株式会社GeeXPlus
監督:大橋誉志光
音楽:Kevin Penkin
制作:studio daisy

キャスト

ダイチ:石毛翔也
リン:三川華月

Giggukコメント

Gigguk(別名義:Garnt Maneetapho)

Gigguk(別名義:Garnt Maneetapho)[拡大]

私の人生はアニメのおかげで計り知れないほどに変わりました。だからこそ「アニメを作る」というのは子供の頃からずっと思い描いてきた夢でもありました。
これまで私は多くの国に住み、様々な文化に触れてきました。タイ人の両親のもとイギリスで育った私は、「故郷」という概念を理解するのがいつも難しいと感じていました。そして成長して初めて、自分なりの答えを見つけたのです。
この短編アニメには、自分自身の「本当の故郷」を探し求めた経験と感情のすべてを込めています。

大橋誉志光(監督)コメント

Garntという人間に興味が湧いたことと、ちょうど別の企画を終えたところだったので「ショート映画なら気軽にできそう」と思ったことが、本作の監督を引き受けた理由でした。
しかし実際作ってみたら、私が容赦なくリテークを出したこともあり、思いのほかヘビーな作業になりまして。もっと楽に作る方法もあったのですが、今自分たちができることを最大限つぎ込み、「studio daisy」の名刺にもなるようなとても良い作品にできたと思っています。

「Soul Mart」(パイロット版22分×1本、1クール版本編22分×12話)

パイロット版:2025年11月にYouTubeで公開予定
1クール版:2027年YouTubeで公開予定

言語:英語版、日本語吹き替え版(予定)

スタッフ

原作・脚本・監督:Dillon Goo
プロデューサー:Chris Neuhahn
製作:株式会社GeeXPlus

Dillon Gooコメント

Dillon Goo

Dillon Goo[拡大]

SNSやインターネットなどが発達した世の中では、常に評価されたりなにかに追われていると感じる人が多いと思います。そんな日常に苛立ちを覚える人に焦点を当て、「抗えるぞ!」というメッセージを伝えたくて今回脚本を作りました。
自分が会社員をしていた頃から「役員」とか「取締役」とかの肩書きって威圧的だなと感じてたんです。なので悪魔企業の役員たちと戦うキエルとサリナを見て、上司に怯えてたり権力に抗う人たちの力になるかもしれません。でもそんな真面目な話よりもまずはこの作品を楽しんでもらいたいです!

「GeeXProductions」担当者コメント

私たちは、クリエイターおよびブランドパートナーに対し、さらなる価値を生み出す取り組みを続けてきました。その一環として、KADOKAWAグループの一員という強みを活かし、オリジナルアニメIPの創出に乗り出せることを大変嬉しく思います。これにより、企画から完成まで、より深くクリエイティブプロジェクトに関与できる体制が整います。
当社は、オーガニックなファンベースを持つインターネット発の優れたクリエイターと多数つながっており、アニメ業界の専門家との強固なネットワークも築いています。こうした強みを掛け合わせることで、クリエイターのアイデアをこれまでにない形で、業界と連携しながら実現することが可能になりました。
(GeeXPlusチーフオフィサー兼エグゼクティブプロデューサー Rick Gao)

この記事の画像(全17件)

読者の反応

  • 2

しまふく @simafuku

KADOKAWAグループのGeeXPlus、海外インフルエンサー主導のアニメ制作事業を始動 https://t.co/VFv7fqVcss

最初から海外受けを意識しすぎて成功した事例を僕は知らない

コメントを読む(2件)

大橋誉志光のほかの記事

リンク

あなたにおすすめの記事

このページは株式会社ナターシャのコミックナタリー編集部が作成・配信しています。 大橋誉志光 の最新情報はリンク先をご覧ください。

コミックナタリーでは国内のマンガ・アニメに関する最新ニュースを毎日更新!毎日発売される単行本のリストや新刊情報、売上ランキング、マンガ家・声優・アニメ監督の話題まで、幅広い情報をお届けします。