2022年に文藝春秋より刊行された「私だけ年を取っているみたいだ。」は、幼稚園の頃から家族の世話を担ってきた主人公が、悩みにぶつかりながらも失われていた感情を取り戻すまでを描く再生の物語。Openbook 好書獎は台湾を拠点とする書籍レビュー専門のNPO・Openbookが主催するもので、2017年に創設された。日本のマンガがヤングアダルト図書・児童書部門を受賞するのは「私だけ年を取っているみたいだ。」が初となる。受賞に際し、水谷は「国境を越えて受け入れてくださったこと、とてもとても嬉しいです。重い内容だったかと思うのですが、台湾の方々がどのような感想を持たれたのかとても気になります」とコメントを寄せた。授賞式は12月7日に台北市の西門紅樓二樓劇場で行われる。
水谷緑コメント
この度は栄えある賞をありがとうございました。選考委員の皆様ありがとうございます。そして読者の方たちにも感謝致します。
国境を越えて受け入れてくださったこと、とてもとても嬉しいです。
重い内容だったかと思うのですが、台湾の方々がどのような感想を持たれたのかとても気になります。
最初は、あまり共感されないのではないかと思っていましたが、日本では、意外と「自分と似ている」「ここまでひどくはないけど子どもの頃放置されていた」「親が離婚して、片親に気を遣い、自分がしたいことは主張しなかった」などの感想がありました。環境の違いはあれ、親に合わせて自分がしたいことを抑え込むのは、多くの子どもが経験しているのかなと感じました。今も、教育虐待や、スマホの育児への影響などで、違った形で、自分の意志が育たない子どもが増えている気がします。
大人が大人の責任を全うし、子どもがのびのびと遊び、希望を持てる世界になりますように。
一緒にこの本を作ってくださった編集者さん、そして取材させていただいた当事者、医療者の方々、支えてくれた家族にも感謝します。
この度はありがとうございました。
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水谷緑「私だけ年を取っているみたいだ。」が台湾「Openbook 好書獎」受賞
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