「ばいばい、アース」ベル役・ファイルーズあいがほぼ地声で演じたことを明かす

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TVアニメ「ばいばい、アース」のプレミア先行上映会が、本日6月22日に東京・ユナイテッド・シネマ豊洲で開催された。

左から西片康人監督、ファイルーズあい、内山昂輝、冲方丁。

左から西片康人監督、ファイルーズあい、内山昂輝、冲方丁。

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7月12日に放送・配信開始となる「ばいばい、アース」は、冲方丁の小説が原作のファンタジー。さまざまな動物の姿をまとう獣人が生きる世界で、唯一の人間として生まれた主人公・ラブラック=ベルが自分と同じ存在を探す旅に出る。1話から3話までの上映後に行われたイベントには、ベル役のファイルーズあい、月瞳族(キャッツアイズ)で剣の国(シュベルトラント)の四大剣士の1人・クエスティオン=アドニス役の内山昂輝、原作者の冲方、監督の西片康人が登壇した。

冲方丁

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デビューしたての頃に話をもらい「ばいばい、アース」を執筆したという冲方。同作のコンセプトを問われると、「世界と等価値の存在が“英雄”なんですね。英雄が行動することによって、世界も同時に変わっていく。ただ世間でよく言う英雄像ではなくて、今でいうマイノリティというのでしょうか。世界から疎外された存在が世界そのものと最終的に和解する物語を書きたかった」と説明する。特にこだわった点については「当時は流行っていたテーブルトークRPG……ゲーム的なファンタジーとは違う、その作品独自の設定しかないハイファンタジーを目指そうと思いました」と述べた。

西片康人監督

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映像化は不可能と言われていたという「ばいばい、アース」。西方監督は原作を読み、そう言われるのも無理はないと納得したことを伝えたうえで、「昨今は多様性であるとか、そういう世界観が許容されるようになってきました。ある意味、ちょうど世界がこの作品に追いついた、このタイミングだからこそ映像化する価値があるのかなと」と、アニメ化への思いを語る。続いて演出へのこだわりについて聞かれると、「ベルのアクションが見どころの1つですね。あと色彩が重要なファクターになっていまして、ベルのペンダントは時間帯で色がどんどん変わっていきます。そこにも注目していただけたら」と呼びかけた。

ファイルーズあい

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自身が演じる役について尋ねられると、ファイルーズはベルについて「彼女が抱えている悩みや苦しみが、自分がデビューしたくらいのときや、幼い頃から感じていたフラストレーションと重なる部分があったりして、すごく気持ちに寄り添いやすいキャラクターでした。演じるときも声は作らず、ほぼ地声でやらせていただいて。声優・ファイルーズあいとしての新しい引き出しを作ってくれました。私にとって大切なキャラクターの1人になりました」とコメント。一方内山はアドニスについて、ネタバレを気にしつつ「まだ言えない部分が多いキャラクターですが、4話以降、彼の秘密にまつわることとか家の事情とかいろいろ描かれていきます。ベルと出会ってどうなっていくのかというところも見どころになっていきますので、今後に期待していただければ」と語りかけた。

内山昂輝

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最後の挨拶で冲方は、「24年前は世界観が独特すぎて何が起こっているのかさっぱりわからないと言われたんです。その難解な作品を、こうも間口を広くわかりやすく面白くアニメ化できるんだと感嘆いたしました。『ばいばい、アース』という作品を入口にして、ファンタジーの世界を味わっていただけたら」と笑顔を見せる。西方監督は、4話以降から2人の物語が始まっていくことを告げ、4話以降も放送・配信で追ってほしい旨をアピール。内山は、「視聴者を信頼している作品作りがなされているというか。説明過多になりすぎず、映像で語っていくんだということが、3話まで観ていただいて伝わったんじゃないかなと思います」と自信を覗かせる。

ファイルーズは「自分が子供の頃にこの作品がアニメになっていたら、もっと早く世界も変わっていたのかなと思ったりもしたんですけど」と反芻しながら、「でも今この時代に『ばいばい、アース』がアニメ化されるからこそ、私は『ラブラック=ベル役です』と名乗れますし、ラブラック=ベル役としてこの場に立つことができて、声だけでも彼女に寄り添える。(ベルと)同じような悩みを抱えるマイノリティの子供たちに勇気を与える存在の一端を担えるので、それが私にとって本当にうれしいこと」と喜びを噛みしめる。温かい拍手に包まれる中、イベントは幕を閉じた。

アニメ作品情報

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TVアニメ「ばいばい、アース」

放送情報

WOWOW:2024年7月12日(金)より毎週金曜日23:30~ ※第1話は無料放送。
BS日テレ:2024年7月13日(土)より毎週土曜日24:30~

配信情報

WOWOWオンデマンド

スタッフ

原作:冲方丁ばいばい、アース」(角川文庫 刊)
監督:西片康人
助監督:横手颯太
シリーズ構成:吉野弘幸
キャラクターデザイン:日野優希
モンスターデザイン:ツブキケン、原由知
デザイン協力 : 麻日隆(ヤングキングコミックス「ばいばい、アース」少年画報社刊)
美術監督:岡本穂高
色彩設計:篠原愛子
撮影監督:室塚勇伎
編集:山田聖実
音楽:Kevin Penkin
音響監督:久保宗一郎
アニメーション制作:ライデンフィルム

キャスト

ラブラック=ベル:ファイルーズあい
クエスティオン=アドニス:内山昂輝
ラブラック=シアン:諏訪部順一
キティ=ザ・オール:花江夏樹
シャンディ=ガフ:日野聡
シェリー:早見沙織
ギネス:榎木淳弥
ベネディクティン:小清水亜美
ドランブイ:沢城みゆき
ローハイド王<正義>:津田健次郎
ローハイド王<悪>:佐藤せつじ

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(c)冲方丁・KADOKAWA/WOWOW,ソニー・ ピクチャーズ,クランチロール

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