「窓ぎわのトットちゃん」舞台挨拶、黒柳徹子の半生と戦争体験に滝沢カレンが胸打たれる

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劇場アニメ「窓ぎわのトットちゃん」の初日舞台挨拶が本日12月8日に東京・TOHOシネマズ 六本木ヒルズにて開催され、トットちゃん役の大野りりあな、トットちゃんのパパ役の小栗旬、ママ役の、大石先生役の滝沢カレン、小林先生役の役所広司八鍬新之介監督が登壇した。

「窓ぎわのトットちゃん」初日舞台挨拶の様子。左から、八鍬新之介監督、杏、役所広司、大野りりあな、小栗旬、滝沢カレン。

「窓ぎわのトットちゃん」初日舞台挨拶の様子。左から、八鍬新之介監督、杏、役所広司、大野りりあな、小栗旬、滝沢カレン。

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役所広司

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本日公開日を迎えた「窓ぎわのトットちゃん」。公開を楽しみにしていたという大野が観客に「楽しかったですか?」と感想を尋ねると、客席からは大きな拍手が起こる。緊張していない様子の大野がしっかりと挨拶すると、役所が「大人たちもたじたじです」と言い会場は笑いに包まれた。12万枚以上の絵が使われているという「窓ぎわのトットちゃん」。八鍬監督は、公開ギリギリまでブラッシュアップを続けたスタッフを支えたのは、映画の冒頭にある原作小説の著者・黒柳徹子の「本当にあったお話です」という言葉だったと振り返る。世界情勢が不安定な中、日本が昔戦争をしていたという事実を受け止め、もう一度平和について考えてほしいという思いで制作を続けたのだという。そして、フィクションではないトットちゃんと泰明ちゃんの友情や、両親の愛情、小林先生の教育への情熱を伝えるためにスタッフが制作に取り組んだことを伝えた。

小栗旬

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続いてそれぞれの役どころについて尋ねられたキャスト陣。小林先生に関する文献を多く読んだという役所は「こんな先生がいたら子供たちは学校に行くのが楽しみになるのにな」と話しながら、自分が憧れる先生をイメージして演じたと述べる。小栗へのオファーは、小栗の声が父親の声に似ていると黒柳が話したことから決まったという。その言葉を聞き、小栗は自身の声を活かして演技に臨んだことを明かした。杏はトットちゃんを見守るお母さんの雰囲気を大切に演じたと語る。黒柳とは友人関係であり、家族とともに黒柳のファンであると話すのは滝沢。そんな黒柳の物語に出演が決まった際の気持ちについて「うれしいよりも先に、絶対に壊したくない世界がそこにある」と強く思ったことを述懐した。

役所広司に頭を撫でられ、大野りりあなの夢が叶った瞬間。

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現在7歳の大野は、5歳の頃から黒柳に憧れていたことを明かす。なんと演じるにあたり自身の役だけではなく、台本のすべてを覚えてアフレコに挑んだのだという。収録でもなかなか会うことができないキャスト陣との対面についての感想を「みなさんすごく優しくて、カッコよくて美人」と述べ笑顔を見せた。そして、トットちゃんが小林先生に頭を撫でられるシーンを再現すべく、実際に役所に頭を撫でてもらいたいとかわいらしくおねだりすると、役所もニコニコと笑い大野を撫でる。「夢が叶いました」と満足げな大野に、会場は笑顔に包まれた。

滝沢カレン

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滝沢は、黒柳が歩んできた半生と移り変わる歴史が再現された映像を観て「涙より先に喉が詰まる」とこみ上げた気持ちを伝える。「アニメだけどこれは歴史であり、実話であり、教科書よりも学べることがここにはある」と描かれた物語の重要性を観客に語りかけた。続いて、色鮮やかな街並みが戦争によって破壊されていくことの痛々しさを、アニメを通じて感じたと話す杏。この体験を劇場で体験してほしいと、これから作品を観る人へメッセージを送った。印象に残ったシーンに「君は、本当はいい子なんだよ」と小林先生がトットちゃんに伝えるシーンを挙げたのは役所。戦争で学校を閉じることになり、トットちゃんがトモエ学園の先生になると小林先生に伝えたシーンを振り返り「本当に黒柳徹子さんがいい子になった瞬間だったような気がします」と語った。

杏

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ここで、キャスト陣へ向けた黒柳からの手紙が読み上げられた。それぞれのキャスト陣へ感謝が伝えられる中、杏には「病院でお会いした偶然が、思い出してみても楽しかったです。今パリにお住まい? お元気でね。子供かわいい? また会いたいわ」とプライベートなメッセージが送られる。杏は子供を産んだ直後に、たまたま病院から黒柳と連絡を取った際、近くにいた黒柳がかけつけてくれたというエピソードを披露した。大野に届いたメッセージは「あなたの声のほうが、本当の私よりかわいかったのね。ありがとう。あなたといろんなお話ができてうれしかったわ」というもの。大野は「私も将来徹子さんみたいに、世界を変えられるような素敵な女優さんになりたいです」と憧れの黒柳からのメッセージに涙を流した。

黒柳からの手紙に涙を流す大野りりあな。

黒柳からの手紙に涙を流す大野りりあな。[拡大]

最後の挨拶では、大野が「窓ぎわのトットちゃん」には友情や親子関係、先生と子供たちの関係、戦争がどれだけつらくて寂しいことなのかというメッセージが詰まっていると伝えた。そして、黒柳、制作スタッフや事務所のマネージャーや家族、習い事の先生、学校の先生にまでお礼を伝え、会場は温かい空気に包まれる。役所は「ニュースで子供たちが傷つけられている映像を見ると本当に胸が痛くなります」と現在の世界情勢を憂い、このタイミングで同作が公開されることに運命を感じると真剣に話す。そしてこの映画が、教育者や家族が平和について語り合うきっかけになればと思いを述べ、舞台挨拶は幕を閉じた。

「窓ぎわのトットちゃん」舞台挨拶、黒柳徹子の半生と戦争体験に滝沢カレンが胸打たれる

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映画「窓ぎわのトットちゃん」

スタッフ

原作:黒柳徹子(講談社刊「窓ぎわのトットちゃん」)
監督:八鍬新之介
脚本:八鍬新之介・鈴木洋介
キャラクターデザイン:金子志津枝
制作:シンエイ動画

キャスト

大野りりあな小栗旬滝沢カレン役所広司 ほか

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(c)黒柳徹子/2023 映画「窓ぎわのトットちゃん」製作委員会

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