「チェリまほ」黒沢はあの香水のイメージ、制作メモ見た古川慎が鈴木崚汰の演技に感心

豊田悠原作によるTVアニメ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」の先行上映イベントが、本日12月3日に東京・グランドシネマサンシャイン池袋にて開催。安達清役の小林千晃、黒沢優一役の鈴木崚汰、柘植将人役の古川慎、綿矢湊役の佐藤元が登壇した。

「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」は、童貞のまま30歳を迎えた主人公・安達清が「触れた人の心が読める魔法」を手に入れ、同僚のイケメンエリート・黒沢優一が自分に思いを寄せていることを知ってしまうことから始まるBL。イベントでは第1話と第2話が上映され、トークパートでは佐藤がМCを務めて進行した。

キャスト陣はまず、完成した映像の感想についてトーク。小林はアフレコ時にはまだ映像ができあがっていなかったことから自分たちの想像力を膨らませながら演技していたことを前提として語り、映像について「感慨深かったですね。すごかったです。まつ毛長い！ おめめも大きいですし」と語る。鈴木はこれまで「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」が実写化されてきたことに触れつつ、「原作とドラマの2作を背負ってのアニメ化ですが、また違う姿の『チェリまほ』をお届けできていると思います」とコメント。小林は鈴木の言葉に頷きながら「アニメはアニメならではの作り方をさせていただいていますから、楽しんでいただけたら」とアピールした。

続いて、キャストたちはそれぞれ自身が演じたキャラクターの印象を語っていく。小林は当初自分に自信がなかった安逹が、黒沢との交流を経て変わっていく姿に着目し、「この作品はある意味、安逹の成長物語ですね。かわいらしい一面も楽しんでほしい」とコメント。イケメンでエリートな黒沢を演じるうえで、鈴木は「上品でオーラもあって……。本当にこのキャラを演じるのにどういう感情でいたらいいのかと思っていました。心の声がだだ洩れになるところもイケメンのままどういう気持ちでやったらいいんだろうって」と悩んでいたという。

黒沢にまつわるエピソードとして古川は「制作メモに『ブルガリの香水を付けていそう』って書いていたんですよ。だから、黒沢を演じている鈴木くんの声を聞いて『これがブルガリの香水を付けている人かー』と思っていました」と感心していたことを明かす。この“ブルガリの香水”という設定についてはオーディションの時点からディレクションを受けていたという鈴木は「一度も付けたことないんだけど……」とつぶやく。自身演じる柘植の紹介パートになると、古川は「柘植はドルチェ&ガッバーナ（の香水）かな」と想像を膨らませ、観客を笑わせた。

第2話までの時点で安逹たちほど人物像が描かれていない湊について、佐藤は「（湊が）大活躍でした！」と妄想を繰り広げて、満面の笑み。観客も佐藤に盛大な拍手を送り、古川たちは「本当に皆さん『チェリまほ』を観たの？ 集団幻覚じゃない？」と疑っていた。佐藤は湊役の演技について「わかりやすくツンデレというだけじゃなくて、ダンサーとしてプロの世界を目指している焦りや葛藤を考えながら、演じさせていただきました。湊と歳が近い人には彼の思いが刺さりやすいと思います」と述べた。

アニメ「30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしい」では声優としても活躍する宮村優子が音響監督を務めている。小林は宮村について「すごく役者目線で、僕らの都合を理解していただきつつ、制作の意図も考えて寄り添ってくださっていました。役者の先輩ならではの目線だと思います」と感謝を述べ、鈴木は「黒沢はセリフとモノローグを行ったり来たりするので、その点の段取りも考えてくださったんです。素敵な先輩です」と称賛。古川は2人にコメントに同意しつつ「でも求められるクオリティは高くて、我々がどうやったらそのレベルにたどり着けるかの道づくりをやっていただけて心強かったです」と語り、佐藤は「あえて僕たちがそこまでできると信じてくださっているんだと思います。ありがたかったですね」と話す。イベント内では宮村から「違う世界線の『チェリまほ』があった場合、自分が今担当しているキャラクター以外を演じるなら誰？」という質問が届き、小林と佐藤が黒沢役にトライしてみたいと答えた。

最後に小林は「アフレコもにぎやかに楽しく、のびのびとさせていただいています。まだ放送前で話せることが少ないので、アニメのエピソードが進んだらまたこうしてイベントがやれたらと思っています。引き続き楽しんでいただけたらと思います」と挨拶。続けて小林は「僕こういうイベントのときは、最後に掛け声で終わることが多いので」と述べ、キャスト陣が「チェリ」と語りかけ、観客が「まほ」と応じるコール&レスポンスを行い、元気にイベントを締めくくった。