声優・森山周一郎の半生を辿るドキュメンタリー映画「時には昔の話を」劇場公開決定

森山周一郎の半生を辿るドキュメンタリー映画「『時には昔の話を』～森山周一郎 声優と呼ばれた俳優～」が、10月21日より東京・アップリンク吉祥寺ほかで全国順次公開される。

「紅の豚」の主人公ポルコ・ロッソ役、そしてテレビが生放送だったころより、ジャン・ギャバン、チャールズ・ブロンソン、テリー・サバラスといった世界的名優の日本語吹替を担当し、声優文化に大きく貢献した森山。映画監督・小原正至とともに手がけた「THE ANCESTOR」では米国アカデミー賞公認の「ショートショートフィルムフェスティバル＆アジア 2018」でアニメ作品初のジャパン部門優秀賞と東京都知事賞を受賞、2作目「アイアンプレッジ」は国内外の映画祭で多くの上映を果たすなど、映画業界の場でも活躍を見せていた。3作目では森山の経験した戦後の芸能界や生収録のアテレコの現場、競争率が高く厳しい世界を生き抜いた仕事術など、後進への思いを後世に伝えていく作品を目指すこととなっていたが、森山は2021年2月8日に永眠。小原監督は、その森山の思いを受け継ぎ、ドキュメンタリー「『時には昔の話を』～森山周一郎 声優と呼ばれた俳優～」を完成させるに至った。

この発表に併せ、ポスタービジュアル、予告編、出演者情報が解禁に。出演者には森山の劇団東芸時代の後輩である野沢雅子や、森山の先輩である大塚周夫の息子・大塚明夫のほか、島本須美、「紅の豚」のマダム・ジーナ役を演じた加藤登紀子、森山の初監督作品「幻想のParis」に出演した俳優・中尾彬と、その主題歌を担当したLiLiCoが名を連ねており、森山と彼らが生きた時代を語っていく。またナレーションを清都ありさ、白那美アンジュが担当。エンディングテーマは加藤登紀子が歌う「時には昔の話を」に決定した。加藤が森山のためにと、改めてレコーディングしたバージョンが使用される。さらに小原監督からは、コメントが届けられた。

小原正至（映画監督）コメント

この作品には森山周一郎という一人の人間の歴史が映し出されています。戦争を経験した幼少期。戦後に舞台を通して入った芸能界。収録無しの一発勝負の生放送ドラマや生放送吹き替えに臨んだ現場の数々。失敗できない実力時代を生き抜き、競争率の高く厳しい世界を森山さんは駆け抜けていきました。
俳優であるとともに声優という新しいジャンルを開拓した森山さんの軌跡や想い、そして周一郎の名前の通り、周りを一番に考える男の生き方、後進達に感じる希望、それらを残して伝え続けていきたいという気持ちで本作を作りました。戦後の日本の底力を感じてもらえたり、今まさに俳優・声優を目指している若者達に、力と勇気を持っていただける事を心より願っています。