TrySailが「アニサマ」大トリで成長見せる、WANDS×大黒摩季のSLAM DUNKコラボも

アニメソングイベント「Animelo Summer Live 2022 -Sparkle-」が、8月26日から28日にかけて埼玉・さいたまスーパーアリーナで開催された。本記事では最終日28日公演のレポートをお届けする。なおサプライズ出演した松平健については、こちらの記事で詳しくレポートした。

最終日のオープニングコラボは、鈴木愛奈とi☆Risの「太陽曰く燃えよカオス」。顔文字付きでスクリーンに流れる「うー！にゃー！」のフレーズに合わせて1曲目から観客は大いに盛り上がり、2組は「Nyai☆Risでしたー！」と名乗って「にゃーにゃー」とにぎやかにステージを去っていった。前半はフレッシュな女性グループやアーティストのステージが続く。初出演のARCANA PROJECTは純白の衣装をまとい、TVアニメ「白い砂のアクアトープ」の映像に合わせ、微笑みを絶やさない優雅なパフォーマンスで観客を魅了。初参加の「Tokyo 7th シスターズ」は、ステージに立つ秋奈を左右対称でスクリーンに映し、神秘的な双子を表現したKARAKURIのステージ、3人の賑やかなナレーションも挟んでのガールズバンド・4Uのエネルギッシュな演奏、そして12人全員揃った777☆SISTERSのアイドルらしい前向きな歌と、「ナナシス」の魅力をぎゅっと詰め込んだステージを展開した。

鈴木愛奈とhalcaの「あれこれドラスティック」は、交互に畳みかけていくようにフレーズを紡ぎ、互いのエネルギーを引き出し合うようなコラボ。初出演のロックバンド・sajiはバラード曲も交えた抒情的な楽曲で、鈴木みのりはR＆Bテイストの「Wherever」で存在感を示した。鈴木みのりはさらに、小学生の頃からファンだったというやなぎなぎとともに、やなぎが作詞を手がけた「エフェメラをあつめて」をともに歌唱。視線を交わしながら重ねる穏やかなハーモニーが、感動的なワンシーンを演出した。

今年結成10周年を迎え、「アニサマ」には8回目の出演となるi☆Ris。夏らしくセクシーな衣装で、「i☆Risビーチへようこそ！」と観客を出迎えると、トロッコで会場を巡りながら今年の「アニサマ」のテーマにもぴったりのナンバー「Summer Dude」で盛り上げていく。「ドリームパレード」で会場を虹色に染め上げたかと思えば、TVアニメ「パリピ孔明」のオープニングテーマ「チキチキバンバン」をキッズダンサー・PROPSとともにカバー。アリーナをダンスフロアに変えるなど、さまざまな手札で楽しませる。芹澤優が「最後の切り札はこの曲よ」と告げての「Queens Bluff」では、妖艶な視線を投げながら大人の魅力を発揮。「アニサマ」とともに成長したi☆Risの現在を見せつけた。

後半の幕開けを飾ったのは「from ARGONAVIS」からGYROAXIA。前半ラストに披露された「マツケンサンバⅡ」の余韻が残る中、そんなプレッシャーをソリッドな演奏で跳ね飛ばす。普段よりさまざまなカバー曲を披露しているGYROAXIAだが、この日は前日に出演したGRANRODEOの「慟哭ノ雨」をセレクトし「アニサマ」へのリスペクトも示した。花澤香菜はなんと11年ぶり、ソロでは初めての「アニサマ」出演。「駆け引きはポーカーフェイス」を歌いながらトロッコでぐるりと一周し、観客に清涼感たっぷりの歌声と笑顔を振りまいていく。約20年に及ぶアニメとの関わりに感謝を述べながら、「この曲ですごく私の声を知っていただいたと思う曲」と紹介し、TVアニメ「化物語」より「恋愛サーキュレーション」を披露。歌はもちろん、曲に合わせたキュートな表情や振付でも視線を集めた。

ソロデビュー10周年を迎えながら「アニサマ」初出演のやなぎなぎは、真っ赤なドレスをまとい、はにかみながら自己紹介。6月にリリースされたばかりの「Before I Rise」から、人気曲「春擬き」、そしてかつて歌い手としてもカバーした楽曲「メルト 10th ANNIVERSARY MIX」まで、彼女の歩みを詰め込んだ3曲を美しい高音で聴かせた。

「マツケンサンバⅡ」でもキレのいい動きで目立っていた内田雄馬は、軽快なダンスとパワフルな歌声、チャーミングな人柄でも魅せる。先ほど姉・内田真礼扮する“まあや姫”が口にした「生き別れの弟を探している」というセリフを受け、「生き別れの姉と会えました……！」と涙してみせ笑いを誘ったかと思えば、sajiとのコラボ曲ではマイクトラブルに見舞われつつもダンスで乗り切り最後まで歌い切ってみせた。そんな弟に次いで登場した姉・内田真礼。「みんなにレスキューしてもらっていいですかー！」と呼びかけ、クラップで盛り上がる「ギミー！レボリューション」で一体感を作り上げた。

昨年、新型コロナウイルス感染により直前で出演辞退となり、今年は満を持しての初出演となったWANDS。高山みなみ演じるコナンが、「今日の舞台は『Animelo Summer Live』！」「みんな、応援よろしく頼むぜ！」とナレーションで呼びかける。「真っ赤なLip」から「錆びついたマシンガンで今を撃ち抜こう」で会場を沸かせると、呼び込んだのは先ほど「SPARKLE」でパワフルな歌声を響かせた大黒摩季。TVアニメ「SLAM DUNK」第2期エンディングテーマ「世界が終るまでは…」を、同じく「SLAM DUNK」のテーマソングを担当していた大黒とともに披露するという特別なコラボレーションだ。重厚なハーモニーで届けられる名曲は、ライブのフィナーレ、そして夏の終わりが近いことを観客に感じさせた。

3日間にわたる夏の祭典の大トリを飾ったのは麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜によるユニット・TrySail。2015年から今年までの「アニサマ」出演を振り返る映像が流れる中、3人は「燃やし尽くすぞアニサマー！」とパワフルな宣言で登場し、「High Free Spirits」で拳を振り上げ観客を煽る。「はなれない距離」でキュートな面もばっちり見せつつ、「Youthful Dreamer」では2015年の初出演時の映像がスクリーンに流れ、エモーショナルな場面を演出した。しかし3人は最後までテンションを落とさない。麻倉が「まだまだハジけ足りないんじゃないですかー！」、雨宮が「最後の曲は、一緒に“Sparkle”してくれますかー！」、そして夏川が「いくよ！ アードーレナーリーン！」と叫び、「adrenaline!!!」へ。全力で歌う3人に、ファンも全力でペンライトを振り、高くジャンプをして応える。初の大トリを駆け抜けた3人は息を切らせながら、満面の笑顔を見せた。