「子供はわかってあげない」上白石萌歌が高校時代の細田佳央太に「リアルもじくんだ！」

田島列島原作による実写映画「子供はわかってあげない」の舞台挨拶が、本日8月14日に東京・テアトル新宿で開催された。

8月20日に全国公開される「子供はわかってあげない」。会場となったテアトル新宿では先行公開が行われている。イベントには朔田美波役の上白石萌歌、門司昭平役の細田佳央太、美波の母親・由起役の斉藤由貴、沖田修一監督が夏らしく浴衣で登場した。

上白石はオーディション当時のことを「監督の作品を観た後はじわーって温かくて前向きな気持ちになれるので、もともと監督の大ファンで、オーディションのときすごい緊張して『生の沖田監督だ！』って思った記憶がありますね（笑）。だからとてもうれしかったです」と述懐。これに対し、沖田監督は「この作品を大切に演じてくれる人に会いたかったのですごくうれしいですね」と答える。細田は脚本を読んだ印象について「撮影前のリハーサル期間に、監督から『もじくんらしさは台本にちりばめられてるから細田君らしい感じでいいよ』って言ってもらえたんですけど、でも僕らしさってなんだろうって悩んだ記憶はありますね」と自然体の演技に苦労したことを明かした。

斉藤は原作者の田島も涙したという上白石とのあるシーンに触れ、「私自身もあのシーンのときに、泣きたくなってしまったことを覚えていますね。美波が、というより萌歌ちゃん自身から出てきた空気感と感情がすごい心にしみ入ってきて、演技を超えた感情の揺れみたいなものをちゃんと素直に出してくれたからなんだと思います」と上白石を称賛。沖田監督は美波ともじくんのラストシーンについて聞かれ、「あの日はクランクアップだったんですけど、スタッフ含めみんなが緊張していて、みんながすごい大切に思いながら撮れたシーンだなって思いますね」と述べる。

沖田監督に続けて、細田はラストシーンについて「美波ちゃんの涙を見てたら僕も泣きそうになっちゃって、監督に『僕も泣きそうです』って言ったら、すごいうれしそうに『泣いちゃえ泣いちゃえ』って（笑）。でも、自分の中でもじくんはここでは泣かないだろうなって思ったので、ぐっとこらえましたね」とコメント。上白石は「最初に脚本を読んだときに、こんなシーンできるのかなって思って、走って笑って泣いて（笑）。でもこの作品のクライマックスで絶対にいい締めくくりにしたいなという思いがあったのでがんばりました」とそれぞれ語った。

イベントでは作品に合わせ、キャストが高校時代について話す一幕も。斉藤は「私は今でいうところの腐女子系で、漫研の部長で同人誌を作ったりしてた女子高生だったので、今回の美波ともじくんの感じも萌えるものがありましたね」と意外な過去を明かす。細田は「僕はMrs. GREEN APPLEさんが大好きなんですけど、その方たちに出会ったのは高校のときでしたね。だから、高校時代の情景とかは音楽と一緒に覚えてます」と言うと、上白石が「この作品の撮影のとき高校生だったよね？ リハーサルのとき制服で佳央太くんが来てて、『リアルもじくんだ！』って思ってました（笑）」と話した。

最後に斉藤は「もじくんとの恋愛模様はもちろんなんですけど、豊川（悦司）さん演じるお父さんと美波の関係にも注目してほしいなと思います」と見どころについて言及。細田は「本当にいいところがありすぎて、ここ！って言うのが難しいので、全部注目して観てほしいんですけど（笑）、観終わった後に『ここがよかった』っていうのをいろいろな方とオススメしあってもらえたらうれしいなと思います」と、上白石は「本来昨年公開予定だった私の大切な大切な映画がようやく公開できるということでとてもうれしいです。いろいろ大変なことが多いと思いますが、スクリーンから全身で夏を感じられて、心はこんがりと焼けるような、じんわりと温かくなれる素敵な作品なので、是非大切な方と一緒に劇場でご覧いただければなと思います」と述べる。沖田監督は「スクリーンでこの作品を観て夏を感じて、映画の中だけでも夏の思い出にしてくれたらうれしいです」と挨拶をし、イベントは幕を閉じた。

なおコミックナタリーでは原作者である田島と、沖田監督による対談をセッティングした。映画を「宝物みたいな存在になりました」と語る田島と、田島作品の魅力を「独特の軽やかさ」と話す沖田監督。お互いにリスペクトし合う2人の掛け合いをご覧あれ。