ちばが同誌にて連載を行うのは、1998年まで連載されていた「のたり松太郎」以来18年ぶり。ちばは「年齢的にも体力的にも、もう生涯連載はやれないだろうと思ってたんですよ」と心境を語る。「けれど出版社のパーティーに行くと、さいとう・たかをさんが私の顔を見るたびに『ちばちゃん、なんで仕事休んでるんだ!』って言うんですよ。『もったいない! 何か描け!』って。そうしたらその隣に居た藤子不二雄(A)さんも『そうだそうだ!』なんて言うんです」とエピソードを披露した。
続けて「なんとなく逃げられなくなって、連載を始めることにしました」と笑顔で述べながら、「水木しげるさんも90歳を超えてもがんばってこられてましたし、一昨年亡くなられたやなせたかしさんも94歳まで現役でがんばってましたよね。そういった周りの方たちに『ちばもがんばれ』と言われたような感じがして。たった4ページで、月2回ですけれど、仕事や勉強など世の中のいろいろなことで疲れた人たちが、巻末のカラーページを読んだときに少しでもホッとできるようなものを描ければいいなと思っています」と作品に込めた思いを語る。
また「ひねもすのたり日記」が掲載される巻末のカラーページは、先日逝去した水木しげるが同誌にて自伝エッセイマンガ「わたしの日々」を連載していた枠と同じ。ちばは「『わたしの日々』の出だしで、マネージャーをやっているお嬢さんに『お父ちゃん ビックリコミックから連載の話だよ』と言われた水木さんが、『バカッ 断れッ!!』と答えるシーンがあるんですよ。「ひねもすのたり日記」の冒頭のシーンはそこをオマージュしました」と作中の裏話も明かした。
今作はちば自身の過去と現在を描く、自伝的ショートエッセイマンガ。ちばは「今まではペン先に近いところを持って、力を入れてガリガリと描いていたんですけど、『ひねもすのたり日記』では、ペンの軸の尻尾のほうをつまんで持つように描いているんです。ふらふらっとした絵で、それが味になればいいかなと」と作画についての新たな挑戦も口にする。「現在の日常の日記みたいなものを描いてみたり、締め切りに追われてた頃の無茶苦茶な生活ぶりを描いてみたり。今と過去を行ったり来たりしながら描いてみようかなと思っています。まだ決めてはいないんですけど、のたりのたりとした、力の抜けた日常を描いていけたら」と今後の展望も語った。
最後にちばは「私はビッグコミックはとてもいい雑誌だと思っていますし、今までも水木さんが巻末にとても素敵な世界を作り上げていました。皆さんの期待に応えられるかどうか正直不安な思いもありますが、私も水木さんに引っ張られるように、そんな世界を作り続けていきたいなと思います」と読者へメッセージを送った。
そのほか今号には「土竜の唄」の高橋のぼるによる読み切り「セカンド・ハーフ ~人生の後半戦~」が掲載されている。
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