ナタリー PowerPush - L'Arc-en-Ciel
バンド結成20年の歴史を振り返るメンバー4人ソロインタビュー
「TWENITY 1991-1996」はいまだに新鮮な曲が多い
──さてバンド結成20周年に連動して2月16日にはベスト盤が3枚同時発売、3月9日にはその3枚に特典が付いた「TWENITY BOX」もリリースされますが。yukihiroさんはベスト盤とかよく買われるほうですか?
どうだろう? そういえばあんまりないような気がするけど……でも音源がリマスターされてたり、あとライヴ映像とかのDVDがついてたり、アザートラックが入ってたりすると買っちゃいますね。
──ちなみにどんなアーティストのをお持ちです?
RADIOHEADは持ってますね。あとTHE SMASHING PUMPKINSとか。DEPECHE MODEや、THE CUREもシングル集は持ってます。
──やっぱり好きなアーティストのアイテムは揃えておきたいという感覚なんですかね?
でも、ちゃんと聴きますよ。ただ持ってるってだけじゃなくて。聴いて「ああ、やっぱりいい曲あるなあ」って思ったりしてます。「この曲っていい曲だったんだな」みたいな再発見もありますし。ただ、自分のバンドのベストでそういうことをするかって言ったらしないですけどね(笑)。
──でもyukihiroさんだったら、例えば今回の3枚のうち「TWENITY 1991-1996」とか、そういうリスナー的な目線で捉えることもできるんじゃないかなって。
確かに。僕にとってはいまだに新鮮な曲が多いですしね。これは自分でも聴くかもしれないな。
L'Arc-en-Cielらしさ=個人個人が持っている普遍性
──もしこのベストアルバムの魅力はなんですか? と聞かれたらyukihiroさんはどう答えます?
「それぞれに区切られた年代の、とっかかりになる3枚」っていう感じですかね。
──3枚それぞれに色がありますよね。
たしかに「TWENITY 1991-1996」と「TWENITY 1997-1999」とではガラッと変わる印象はあるかもしれない。もちろんメンバー各自の趣味嗜好も年々変わるし、日々、世界で新しい音楽が生まれていてそういう音楽との出会いもあるし。そういうものに触れることで変化するものっていうのはあるでしょうからね。
──でも一貫して変わらないL'Arc-en-Cielらしさも感じられる気がするんですよ。
そういう意味ではむしろバンドより、メンバー個人個人が持っている普遍性みたいなものがそう感じさせるんだと思います。「自分はこうだ」っていう、揺らがない部分が。
──ちなみにyukihiroさんが加入される前、当時L'Arc-en-Cielをどう見てらしたんでしょうか?
僕がちゃんとL'Arc-en-Cielを聴いたのは実は「True」からなんですよ。それまでは「そういうバンドがいるんだな」っていうぐらいの認識しかなくて。でも「True」を聴かせてもらって「へぇ~!」って。
──それは、もちろんいい意味での「へぇ~!」。
うん。「こういう曲もやるバンドなんだ!」って、すごく新鮮だったんです。そこから前のアルバムを聴いてみたりし始めて。ホント「へぇ~!」っていう感覚で、それがよかったんですよね。
──ところで今回の選曲についてはメンバーおよびスタッフによる投票をもとに行なわれたと伺いましたが、yukihiroさんはどういう基準で投票されたんですか。
今回でいえば、僕はそれぞれのアルバムから「いいな」と思う曲を均等に選んでいった感じですね。どの曲を選んだかはちょっともう覚えてないですけど。
──アルバムから均等に、とはどんな意図があって?
やっぱりベストというからには、そうかなと。だって「俺はこのアルバムがすごく好きだから、全部そのアルバム曲にしました」っていうわけにはいかないじゃないですか(笑)。個人的な思い入れよりは、誰がどこから聴いても入れる間口の広いものにしたいなと。僕自身、ベストやボックスっていうアイテムは嫌いじゃないので、出すからには意味のあるものになったらいいなと思ってます。
「TWENITY 1991-1996」収録曲
- Voice
- Floods of tears
- As if in a dream
- Blurry Eyes
- In the Air
- White Feathers
- Vivid Colors
- 夏の憂鬱 [time to say good-bye]
- I'm so happy
- flower
- さようなら
- Lies and Truth ("True"Mix)
- 賽は投げられた
- Caress of Venus
- "good-morning Hide"
「TWENITY 1997-1999」収録曲
- 虹 (Album Version)
- winter fall
- LORELEY
- Shout at the Devil
- fate
- あなた
- HONEY
- 花葬
- snow drop [ray mix]
- HEAVEN'S DRIVE
- Pieces [ark mix]
- Driver's High
- 真実と幻想と
- Sell my Soul
- いばらの涙
「TWENITY 2000-2010」収録曲
- NEO UNIVERSE
- finale
- STAY AWAY
- get out from the shell
- READY STEADY GO
- 瞳の住人
- REVELATION
- New World
- 叙情詩
- AS ONE
- Link -KISS Mix-
- MY HEART DRAWS A DREAM
- DAYBREAK'S BELL
- Pretty girl
- I Love Rock'n Roll
L'Arc-en-Ciel(らるくあんしえる)
1991年にtetsuya(B)を中心に大阪で結成。インディーズシーンで絶大な人気を得て、1994年7月にビデオシングル「眠りによせて」でメジャーデビューを果たす。その後多数のヒットシングルを連発。ハイクオリティなサウンドとキャッチーなメロディ、シングル3枚やアルバム2枚の同時リリースなどでも話題を集めた。近年は各メンバーのソロ活動と並行しつつ、海外でのライヴも実施。2011年1月1日には結成20周年の幕開けを飾る、約2年半ぶりのワンマンライヴを幕張メッセで開催した。2月16日にはベストアルバム3作品を同時リリースするなど、精力的な活動を展開している。