ナタリー PowerPush - L'Arc-en-Ciel
バンド結成20年の歴史を振り返るメンバー4人ソロインタビュー
現役感があるなら続けたほうがいい
──2011年はL'Arc-en-Ciel結成20周年の記念イヤーとなるわけですが。
すごいなと思います。それだけ続く理由があったからですもんね。でも、L'Arc-en-Cielの歴史で言えば僕はまだ半分くらいでしょ?
──もう13年目になりますよ。
そうか……けっこう長いね(笑)。
──やっぱりバンドが長く続くことって大事ですか。
いいと思いますよ、やっぱり。続けられるなら続けたほうが。現役感があるなら、ですけど。
──現役感?
バンドとしてというよりは、個人としての現役感っていう意味ですけどね。自分に現役感がなくなったら、それ以上続けていても仕方ないと思っているんで。でもそれぞれががんばっていれば出てくるものかなと思っています。
──本格的に活動再開するにあたって、この先へのイメージなどはあったりするんでしょうか?
そうですね、ぼんやりとは。おいおい曲作りに入ったりもすると思いますし、徐々にイメージできてくるんじゃないかな、と。
──yukihiroさんの場合、L'Arc-en-Cielの曲を作るときに何か意識されることはありますか?
メンバーそれぞれ、そのときどきで自分の好きな音っていうのはあるだろうから、そういうのは出るとは思うけど。僕はむしろソロの曲のほうがソロだと意識して作ってるかもしれないです。L'Arc-en-Cielだと、そこまでガチガチに作り込まずに持っていくことが多いんですよ。やっぱりhyde君が歌うということもあって、僕では出せないところまで声が出るし、そうなると歌のメロディとか全然違ってきますし。kenちゃんにしても、tetsuya君にしても本当にすごいアーティストなので。
──4人が4人、それぞれに突出した個性と才能が集まるわけですから、そこでの化学変化的面白さは絶対あるでしょうね。そういうのもひとつ、L'Arc-en-Cielに向かうモチベーションになってるのかもしれないですね。
そうだと思います。その分大変だなとも思いますけど。やっぱりL'Arc-en-Cielって大きいものなんで。
──大きいもの、ですか?
大きいものっていうか……やっぱり、誰か1人で動かせるものではないですから。今回のライヴ(1月1日に幕張メッセで開催された「L'A HAPPY NEW YEAR !」)にしたって、その1回のために12月の頭からリハーサルスタジオを押さえて、たくさんの人たちが動いてるわけですよ。「え、そんなに!?」みたいな。それはすごいなって思いますよね。そういうのを考えると、精一杯応えなきゃなって。
「自分はどこまでやれるんだろう?」
──ドラマーとしてはもちろんですけど、L'Arc-en-Cielの中でyukihiroさんの役割とはどういうものだと、ご自身は思ってらっしゃいますか。
どうなんでしょう? でもそういうことは僕はあんまり考えないですね。
──例えば曲作りでいうと、王道というよりはいい意味でフックになる曲が多いと思うんですよ、yukihiroさんの作られるものって。
それも意識してそうしようとしているわけじゃなくて、そうなってしまうっていうだけなんですけどね。
──フラットですよね、yukihiroさんのL'Arc-en-Cielに対するスタンスって。変な構えがないというか。
そうですね、あんまり構えみたいなものはないと思います。こう言ってしまうとちょっと無責任に聞こえるかもしれないけど、僕はL'Arc-en-Cielでドラムを叩かせてもらえたら、それだけで充分なんですよ。だからこそ、みんなが求めるものにはしっかり応えられる自分でありたいと思うし。そこで、できないとは言いたくないですから。
──それはやっぱり覚悟だと思うんですよね。それだけ注ぎ込むものが大きい。
そうやってずっとやってきてますしね。
──yukihiroさん自身の満足度としてはどうですか。周りが求めるものに全力で応えることで満たされるものなんでしょうか。
その時々の満足度っていうのはあると思うんですよ。例えば20歳のときの満足度と30歳のときの満足度は違うものだと思うんです。ずっと同じことだけをやっていたとしたら、やっぱりそれはないと思うから。満足というよりは「自分はどこまでやれるんだろう?」っていう部分で自分自身にどれだけ応えられるか、そういう気持ち的なものかもしれないです。
「TWENITY 1991-1996」収録曲
- Voice
- Floods of tears
- As if in a dream
- Blurry Eyes
- In the Air
- White Feathers
- Vivid Colors
- 夏の憂鬱 [time to say good-bye]
- I'm so happy
- flower
- さようなら
- Lies and Truth ("True"Mix)
- 賽は投げられた
- Caress of Venus
- "good-morning Hide"
「TWENITY 1997-1999」収録曲
- 虹 (Album Version)
- winter fall
- LORELEY
- Shout at the Devil
- fate
- あなた
- HONEY
- 花葬
- snow drop [ray mix]
- HEAVEN'S DRIVE
- Pieces [ark mix]
- Driver's High
- 真実と幻想と
- Sell my Soul
- いばらの涙
「TWENITY 2000-2010」収録曲
- NEO UNIVERSE
- finale
- STAY AWAY
- get out from the shell
- READY STEADY GO
- 瞳の住人
- REVELATION
- New World
- 叙情詩
- AS ONE
- Link -KISS Mix-
- MY HEART DRAWS A DREAM
- DAYBREAK'S BELL
- Pretty girl
- I Love Rock'n Roll
L'Arc-en-Ciel(らるくあんしえる)
1991年にtetsuya(B)を中心に大阪で結成。インディーズシーンで絶大な人気を得て、1994年7月にビデオシングル「眠りによせて」でメジャーデビューを果たす。その後多数のヒットシングルを連発。ハイクオリティなサウンドとキャッチーなメロディ、シングル3枚やアルバム2枚の同時リリースなどでも話題を集めた。近年は各メンバーのソロ活動と並行しつつ、海外でのライヴも実施。2011年1月1日には結成20周年の幕開けを飾る、約2年半ぶりのワンマンライヴを幕張メッセで開催した。2月16日にはベストアルバム3作品を同時リリースするなど、精力的な活動を展開している。