FoZZtone、「組曲」完成させたコンセプトライブ大団円

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FoZZtoneが10月27日に東京・東京キネマ倶楽部にて「Pageant:Keller Water 完成披露会」と題した単独公演を開催した。

FoZZtone「Pageant:Keller Water 完成披露会」の様子。(撮影:山川哲矢[Showcase managements])

FoZZtone「Pageant:Keller Water 完成披露会」の様子。(撮影:山川哲矢[Showcase managements])

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渡會将士(Vo, G)(撮影:山川哲矢[Showcase managements])

渡會将士(Vo, G)(撮影:山川哲矢[Showcase managements])

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竹尾典明(G)(撮影:山川哲矢[Showcase managements])

竹尾典明(G)(撮影:山川哲矢[Showcase managements])

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菅野信昭(B)(撮影:山川哲矢[Showcase managements])

菅野信昭(B)(撮影:山川哲矢[Showcase managements])

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今回のライブは7月リリースの2枚組アルバム「INNER KINGDOM(内なる王国)」のDISC 2に収録された組曲「Pageant:Keller Water」を4部制で披露するというコンセプチュアルな内容。来場者には入場時に曲目と渡會将士(Vo, G)による挿絵入りの物語が載ったパンフレットが手渡され、ライブ開始前からこの日のステージが普段とは趣の異なる特別なものになることを伺わせていた。

色とりどりの布で華やかに装飾されたステージに異国情緒漂う衣装をまとったメンバーが登場し、SEとして流れていた「prologue」の続きを奏で出したところから“完成披露会”がスタート。彼らは「Discommunication Breakdown」から「Keller Water」へつなげ、まずは組曲の世界観を形作っていく。ちなみにライブは一切MCがなく、1部が終わるごとにSEが流れるというスタイルで進行。観客は曲終わりに拍手をすることもはばかられたようで、ひとつの舞台を観るようにじっとステージに集中していた。

第2部は緊迫したムードを生んだ「Crocodile bird reaction」から始まり、4つ打ちのリズムに切ないメロディが響く「Planaria fever」、場内の緊張を壮大なサウンドで和らげた「El Condor Pasa」と多彩な楽曲が投下されていく。続く「your song for new morning」では渡會、竹尾典明(G)のほか菅野信昭(B)もアコースティックギターを演奏。静かなギターの音色とサポートメンバーの武並“Captain”俊明(Dr)を含む4人のコーラスだけが場内に響き渡り、観客は息を呑んで聴き入った。

2部終了後の幻想的なSEが徐々に不協和音になり、耳をつんざく程の音量になったところで鳴らされたのはKING CRIMSONの「21st Century Schizoid Man」。彼らはそのまま同曲をカバーすると、突如「Discommunication Breakdown」から暗く物悲しいマイナー調にリアレンジした「Keller Water」、BPMを上げた「your song for new morning」を矢継ぎ早に繰り出し、再度「21st Century Schizoid Man」に戻るというプログレッシブな展開を披露してみせた。怒涛の一連の流れにオーディエンスが圧倒される中、直後の「professional car」が会場を穏やかな雰囲気に包み、起伏のある第3部を印象付けた。

雨音とエキゾチックなフレーズが絡まるSEをバックに、フロントの3人は楽器を下ろしそれぞれ打楽器の演奏態勢をとる。武並のドラムを口火に菅野、竹尾がそれに続いてリズムを作り出し、「african diabolo」から第4部がスタートした。大きな太鼓を肩から下げた渡會は、ぎこちなく打面を叩くも他の3人のリズムになかなか合わせられない様子を表現。4人のビートが勢いを増すにつれて場内もヒートアップし、竹尾がスティックを振り上げてフロアを煽るとオーディエンスは大歓声で応えた。ひとしきり自由奔放なドラムセッションが繰り広げられたのち、渡會の鍵盤の弾き語りで始まった「Africa」で会場の空気は一変。彼らは万感の思いを込めるように、全身全霊のパフォーマンスでクライマックスを彩っていく。そしてフィナーレに合わせてカラフルなテープが客席へ放たれ、約1時間10分にわたる組曲はドラマチックにエンディングを迎えた。

アンコールの拍手が「LOVE」のリズムと同じ足踏みと手拍子に変わると、渡會が1人ステージに再登場。彼は集まった観客に感謝の気持ちを述べつつ、CDには収録されなかった「第三部」を演奏したことに触れ「ただいまをもちまして、完成とさせていただきます。ゆえに、『完成披露会』ということです」と語る。客席からは温かい拍手が沸き起こり、その場にいる全員が組曲「Pageant:Keller Water」の完成を祝福した。

ステージ上に再集結したメンバーは、充実した笑顔を浮かべながら楽しそうに「blow by blow」を熱演。続く「LOVE」では「LOVE!」「WOW!」のコール&レスポンスで会場はこの日一番の一体感に包まれる。ここでは渡會が感極まったように客席へ乱入し、フロアのオーディエンスとハイタッチを繰り返すという感動的な光景も見られた。そして再び「LOVE」のリズムでアンコールを受けた彼らが最後に届けたのは「MOTHER ROCK」。後半の竹尾のハードロック調のギターリフと菅野&武並の雄々しいリズムに乗せた渡會のハイトーンボイスで、会場の盛り上がりは最高潮に達した。拍手と歓声がフロアを埋め尽くす中、イベントは大団円のうちに終了。彼らがステージをあとにして客電が点いてからも、オーディエンスはこのライブの終わりを惜しむように盛大な拍手を送っていた。

FoZZtone「Pageant:Keller Water」セットリスト

第一部
01. 一幕「prologue」
02. 二幕「Discommunication Breakdown」
03. 三幕「Keller Water」
第二部
04. 一幕「Crocodile bird reaction」
05. 二幕「Planaria fever」
06. 三幕「El Condor Pasa」
07. 四幕「your song for new morning」
第三部
08. 一幕「21st Century Schizoid Man」
09. 二幕「professional car」
第四部
10. 一幕「african diabolo」
11. 二幕「Africa」
12. 三幕「epilogue」
<アンコール>
13. blow by blow
14. LOVE
<ダブルアンコール>
15. MOTHER ROCK

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