町がドームに覆われる冒頭シーンからインパクトがすごい！（豊本）

──まず豊本さんに、「アンダー・ザ・ドーム」をご覧になって、どんなところが面白かったかを伺いたいのですが。

ドームで真っ二つになった牛。

豊本明長　町がドームに覆われるという描写があるんですよ。第1話の開始15分くらいで、牛が真っ二つになる。要は牛がいたところにちょうどドームの境目がきちゃって。まあちょっとグロいシーンなんだけど、インパクトがすごい。あと別のところでは普通に走っている車の目の前に突然ドームの壁が現れて、透明だから気付かなくて車ごとぐしゃっとなるとか、インパクトがあるシーンが最初からバババババって畳み掛けるようにあるんです。

飯塚悟志　へー。それでドームの中と外ってのが分かれるわけ？

豊本　そうそう。で、このドームはどうなってんじゃいっていう。

飯塚　えっ!? どうなってんじゃいって言ったのは誰？

豊本　いや、どうなってんじゃいって言ったのは俺だけど……（笑）。

飯塚　変な口調！と思って。

豊本　ともかく、ドームには触れることはできるけど、機械を近付けると爆発してしまうから、道具を使ってこじ開けることもできないし。

飯塚　地面の下は？

豊本　地下まで壁がある、と。

角田晃広　ほう。下まであるんだ。

飯塚　じゃあ球体ってこと？

豊本　そう。最初に壁を目撃したバービーが言うんだよ、球体だって。

飯塚　ん？ バービーちゃん？

豊本　いや、どっちかっていうと、バービーくん！ 最初のほうは、観てる側の疑問点をそうやってちょっとずつ解消してくれる。

角田　ところで、どれくらいの規模の町なの？

豊本　えっとね、まあ、おっきな田舎町。

飯塚　おっきな田舎町が丸々？

豊本　そうそう丸々。で、たまたま消防士さんとかは、別の町のパレードかなんかで出払っちゃってて、中でちょっと火事が起こると大変なことになる。

飯塚・角田　うわー！

豊本　その中で、権力を持とうとする町政委員がいるの。もともと中古車の業者らしいんだけど、町のことでみんなを取り仕切って。ここだったらボスになれんじゃねえかって思い始める。悪いことしてるやつなんだけどね。

角田　主人公のバービーはいいやつじゃないの？

豊本　バービーはバービーで、実はドームができる前に人を殺めてる。みんなワケがある。だからドームから出たいと奔走するんだけど、時々自分の利益を優先しちゃって、ややこしいことになる。そういう人間模様も面白い。

角田　逃げ場のない中の人間模様……。

飯塚　ほおー、なるほどなるほど！ 超面白そうじゃんこれ！

閉じ込められたっていうか、家に入れてもらえないことはあった（角田）

──「アンダー・ザ・ドーム」というタイトルだけ聞いたときは、どんな内容を想像してましたか？

飯塚　僕はもうドームと聞いて、野球かなと思った。

豊本　ああ、ほのぼのとした。

飯塚　巨人対ソフトバンクみたいな（笑）。

角田　せめてメジャーリーグじゃない？ せめて（笑）。

──原作者はホラーの王様、スティーヴン・キングなんです。彼の作品はご存知ですか？

飯塚　えっ、「ミザリー」とか「シャイニング」の？

──はい。彼の著書は映画化されているものが多くて、「ショーシャンクの空に」や「キャリー」も彼の原作です。

飯塚　おおーっ、なるほどね。そう考えると、スティーヴン・キングって設定が面白すぎる。

豊本　ホント、SFみたいな、ホラーみたいな話だし、閉じ込められて人間性も試される。もう、いろんな要素が詰まってるんだよ。

角田　ほおー、僕、閉じ込められたっていうか、家に入れてもらえないことはありましたけど。

飯塚　逆設定だったなー！

角田　「入れてよ！」みたいな。

飯塚　逆だなー！

豊本　「アウト・オブ・ザ・角田家」（笑）。スティーヴン・キング、書いてくれっかなー。