映画ナタリー Power Push - 「ザ・コンサルタント」"

会計士と殺し屋、2つの顔を持つ謎の男。新たなアンチヒーローの正体とは──?

「ザ・コンサルタント」作品紹介

若杉公徳インタビュー

ベン・アフレックが会計士と殺し屋という2つの顔を持つ男クリスチャン・ウルフを演じるサスペンスアクション「ザ・コンサルタント」が1月21日に公開される。ここでは、「デトロイト・メタル・シティ」や「みんな!エスパーだよ!」で知られるマンガ家・若杉公徳のインタビューを掲載。二面性を持つキャラクターの魅力や、自身の作品と絡めたエピソードについて語ってもらった。

取材 / 岡大 文 / 小澤康平 撮影 / 小原泰広

INTERVIEW マンガ家・若杉公徳

若杉公徳描き下ろしによる「ザ・コンサルタント」イラスト。
若杉公徳

「デトロイト・メタル・シティ」「みんな!エスパーだよ!」で知られる マンガ家・若杉公徳が「ザ・コンサルタント」の イラストを描き下ろし

ギャップがあればあるほどワクワクする

──まずはご覧になった感想をお伺いできますか。

面白かったです。アクション映画が好きなので、格闘シーンはおお!って思いましたし、ストーリーもこの先どうなるんだろうと常に想像しながら観ちゃいましたね。あと「セッション」の教師が出ていて。

──J・K・シモンズですね。

若杉公徳

そうそう。女の人を脅して自分のいいように使ってるじゃないですか。僕もああいう権力者になりたいなと。

──(笑)。主人公のクリスチャン・ウルフについてはいかがでしょう。

きっちり料理を並べて、ベーコンみたいなものをいちいちちぎって食べるところとか、最初は何を考えてるかわからなくてすげえ怖いと思ったんですけど、徐々に人間味が出てくるところがよかったです。あと、普段は会計士だけど実は殺し屋みたいに、裏で何か別のことをやってるキャラクターがもともと好きなんですよ。ちょっと前に観た映画だと、ホームセンターで働いてる男が本当はめちゃめちゃ強いっていう「イコライザー」とか面白かったですね。

──二面性を持つキャラクターに惹かれると。

ダメダメなやつが、実は裏ではすごいみたいな。ギャップがあればあるほどワクワクするんですよ。例えば二面性のあるキャラクターの恋愛を描くとすると、裏の顔が相手にバレるのかバレないのかっていう緊張感があるじゃないですか。この作品で言うと「この子に殺し屋ってバレたらヤバい!」みたいな、そういうところも好きです。

マンガ「デトロイト・メタル・シティ」より根岸崇一(左)、ヨハネ・クラウザーII世(右)。2人は同一人物。©若杉公徳/白泉社

──「デトロイト・メタル・シティ」や「世界はボクのもの」など、確かに若杉先生のマンガにはギャップのあるキャラクターが多く登場しますよね。

そうですね。以前描いていた「KAPPEI」というマンガでは、鍛えていて強いけど活躍の場がない男が主人公でしたし。「デトロイト・メタル・シティ」だったら、普段はおしゃれな音楽好きの根岸が、実はデスメタル界のカリスマのクラウザーっていう。ギャグマンガを描こうと思ったとき、キャラクターにギャップがあると笑いにしやすいんですよ。

──そういったキャラクターを描くとき意識していることはありますか?

二面性はあるんだけど、二重人格にならないように心がけてます。突然「変身!」って変わるのではなくて、徐々に感情が高まっていった結果、裏の顔が浮き上がるみたいな。この映画の主人公は変身とかしないし、ちゃんと感情が地続きですよね。次のマンガを構想中なので、これを参考にしようかな(笑)。

映画「ザ・コンサルタント」2017年1月21日全国公開

映画「ザ・コンサルタント」

アメリカ・シカゴの田舎町に小さな会計事務所を構えるクリスチャン・ウルフ。ある日彼のもとに、大手電子機器メーカーであるリビング・ロボ社の財務調査依頼が舞い込んでくる。ウルフは重大な不正を見つけるが、なぜか依頼は一方的に打ち切られ、その日から何者かに命を狙われることに。しかし彼には、生まれながらの特殊能力と無双の暗殺スキルを身に着けた殺し屋という裏の顔があったのだ。ウルフを仕留めるため次々と送り込まれる暗殺者たち。そして、アメリカ政府による捜査の手が迫る中、ウルフは反撃のため立ち上がる。壮絶な戦いの果てに明かされる、驚愕の真実とは──?

スタッフ
  • 監督:ギャヴィン・オコナー
  • 製作総指揮:ギャヴィン・オコナー、ジェイミー・パトリコフ、マーティ・P・ユーイング
  • 製作:マーク・ウィリアムズ、リネット・ハウエル・テイラー
  • 脚本:ビル・ドゥビューク
キャスト
  • クリスチャン・ウルフ:ベン・アフレック
  • デイナ・カミングス:アナ・ケンドリック
  • レイモンド・キング:J・K・シモンズ
  • ブラクストン:ジョン・バーンサル
  • フランシス・シルバーバーグ:ジェフリー・タンバー
  • ラマー・ブラックバーン:ジョン・リスゴー
  • メリーベス・メディナ:シンシア・アダイ=ロビンソン
  • リタ・ブラックバーン:ジーン・スマート

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若杉公徳(ワカスギキミノリ)

1975年大分県大野郡犬飼町(現豊後大野市)生まれ。1998年ヤングマガジン月間漫画賞で奨励賞受賞。同年、ヤングマガジン増刊赤BUTA(講談社)にて「僕の右手を知りませんか?」でデビュー。2004年に「アマレスけんちゃん」をヤングマガジンアッパーズ(講談社)に不定期連載し、翌年にはヤングアニマル(白泉社)にてヘヴィメタルを題材にしたギャグマンガ「デトロイト・メタル・シティ」を連載開始。過激なセリフや強烈なキャラクターがネットを中心に注目を集める。2008年に実写映画化され、公開に先駆けてリリースされたトリビュートアルバム「生贄メタルMIX」や、タワーレコードとのタイアップが話題になった。そのほか代表作に「KAPPEI」(白泉社)、実写ドラマ化と映画化もされた「みんな!エスパーだよ!」(講談社)がある。