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舞台「俺節」製作発表、演出家が関ジャニ安田とコージの共通点語る

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舞台「俺節」製作発表の様子。

舞台「俺節」製作発表の様子。

土田世紀「俺節」を原作とする舞台の製作発表が、本日3月8日に都内某所にて行われた。

「俺節」は1991年から1993年まで、週刊ビッグコミックスピリッツ(小学館)にて連載されていた作品。演歌歌手を目指す津軽出身の高校生・海鹿耕治、通称コージの奮闘が描かれ、舞台版では主人公のコージ役を安田章大関ジャニ∞)が演じる。コージと恋に落ちる不法滞在中のストリッパー・テレサ役をシャーロット・ケイト・フォックス、コージの相棒・南風原太郎、通称オキナワ役を福士誠治が務め、脚本・演出は福原充則が担当。

最初にマイクを持ったのは福原。「土田先生の作品にはいろいろ影響を受けています。『俺節』は高校の屋上で、毎週読んでいましたね。ほかの作品と比べて、土田先生のページは黒いんです、描き込み量が多いから。その黒さと、思春期の鬱屈とした自分の思いとが共鳴して読んでいた記憶があります」と振り返る。そして、「僕がこの作品からもらったメッセージは、『お前はどう生きるのか』ということだと思っていて、土田先生は土田先生の“俺節”をマンガにしたけれど、僕は僕の“俺節”を今回のスタッフ、キャストと提示していかないと、と思っています。(舞台の後ろに掲出された画を見ながら)この画を背負って、今新たにその思いを感じています」と感慨を述べた。

今回、安田は劇中で実際に演歌数曲を披露する。「関ジャニ∞は演歌というくくりでデビューしていますので、ハードルが上がります(笑)。演歌は父が好きでよく聴いていたので、馴染みがあるんです。ただ、福原さんもおっしゃっていましたが、今回は演歌という枠に留まらず、1人ひとりが抱えている魂とか思いを言葉に乗せてそこにメロディが寄り添ってくるような曲ということなので、舞台ではそれを(お客さんに)生で届けられたらなと思っています」と意気込みを語った。

安田演じるコージと恋に落ちるテレサ役のシャーロットは、「今回私は、新しくて美して素晴らしい世界を作りたいです。日本語のセリフもがんばります!」とチャーミングな笑顔で挨拶した。

福士は、劇中でギターを演奏するシーンがあり、すでに練習中。「ロックバンドでギターには触れてきてはいますが、今回はあまり知らないリズムや弾き方で、現在練習中です。終演後に安田くんの楽屋に行って『ごめんなさい』ということが出てしまいそうですが(笑)、少なくなるようにがんばります」と語り、関ジャニ∞でギターを担当する安田と笑顔を交わす。

そのほか、流しの大野役の六角精児は「味がある歌とよく言われるんですが、それ以外のものが舞台で表現できれば」、元アイドル歌手の寺泊行代とマリアンの2役を演じる高田は「あの人、昔アイドルだったのかも?と思ってもらえるような役になれたら」とコメント。エドゥアルダとコージの歌の先生・才原の2役を演じる桑原裕子は「私も『俺節』を高校生の頃読んでいて、コージが好みのタイプだったので、コマを切り取って持ち歩いていたときも(笑)」とエピソードを披露。さらに戌亥辰巳と金村の2役を演じる中村まことは、かつて自身がマンガ家を目指していた頃に土田作品に初めて触れた衝撃を語り、「今の時代にパンチを入れるような舞台になるといいなと思っています」とコメントした。

演歌界を代表する大物歌手・北野波平役を演じるのは西岡徳馬。「紅白に何十回も出てる方といえばあの方しかいないでしょうし、原作の画も実は北島三郎さんにそっくりなんですよね。そして波平といえば、サザエさんの波平さん。そのイメージを合わせたような役かな?(笑) パンチパーマにするかどうかは、考えているところです」と語り、会場を笑いで包んだ。

また記者から福原に、安田とシャーロットのキャスティングについて質問が寄せられると、福原は「初めてお仕事する時は勝手な片思いで、(俳優を)信頼するしかないんですけど、安田くんはすごく勝手なイメージでいい奴だなと思ってて。世の中をなんとなく生きてて優しいんじゃなくて、いろんな痛みを知ったから人に優しくできる人なんじゃないかと。そのイメージから、原作のコージが、原作のラストから数年後には今の安田くんみたいな人になってるんじゃないかという想像をしました。だから安田くんが、何年か前の青い気持ちをむき出しにして、この舞台の中でそれをさらけ出してもらえたら」と期待を語る。またシャーロットに対しても「女性を花に例えるのはありきたりですが、今見えている美しさの下に、ものすごーく長い根っこが生えているんじゃないかと。根っこを張って戦っている、存在しているところを僕が見たいし、たぶん本人も見せたいんじゃないかと思うし、お客さんも見たいんじゃないかなって思ってます」と語った。

その福原の発言を頷きながら聞いていた安田は「関ジャニ∞も、スタートはまああまりいい待遇ではなかったと、そう言ってしまってもいいと思います(笑)。先輩方もいて後輩もどんどん出てきて、その中で関ジャニ∞には何ができるんだろうって、常に思いながらやってきたことは、コージの人生観に近いかなと。いくつになってもあがき、もがき苦しんでるっていうのは大事なことで、福原さんにそういう姿を見たいと思っていただけたのはうれしいです」と力強くコメントした。また「はっきり断言させてもらいますね。“両思い”です! 初めてお会いしたときからいろいろアイデアのキャッチボールができたので、稽古に入ってからもこのやりとりができるのかなと、楽しみにしています」と福原に厚い信頼を寄せた。

最後にそれぞれの“俺節”は何か、という質問が寄せられると、安田は美空ひばりの「川の流れのように」と「愛燦々」を挙げ、その曲の素晴らしさに熱弁をふるう。シャーロットはヴァン・モリソンの「イントゥ・ザ・ミスティック」、福士は子どもの頃に兄と覚えた、嘉門達夫の「替え歌メドレー2」、六角はコーヒーカラーの「人生に乾杯を!」、高田は欧陽菲菲の「恋の十字路」、桑原は矢野顕子の「ひとつだけ」、中村は泉谷しげるの「春のからっ風」、西岡は石原裕次郎の「我が人生に悔いなし」を挙げ、選曲からもそれぞれの個性と人生観が垣間見られた。

舞台「俺節」は5月28日から6月18日まで東京・TBS赤坂ACTシアター、6月24日から30日まで大阪・オリックス劇場にて上演。チケットは3月18日に発売される。

舞台「俺節」

期間:2017年5月28日(日)~6月18日(日)
会場:東京・TBS赤坂ACTシアター

期間:2017年6月24日(土)~30日(金)
会場:大阪・オリックス劇場

原作:土田世紀
脚本・演出:福原充則

キャスト

海鹿耕治:安田章大
テレサ:シャーロット・ケイト・フォックス
南風原太郎:福士誠治
流しの大野:六角精児
寺泊行代 / マリアン:高田聖子
エドゥアルダ / 才原:桑原裕子
戌亥辰巳 / 金村:中村まこと
北野波平:西岡徳馬
ほか

※西岡徳馬の「徳」は旧字が正式表記。

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