新番組「無気力エンドコンテンツ」収録レポート | 武内駿輔&畠中祐、梅原裕一郎&加藤渉が「ストII」でファイッ! 同世代の“あるあるネタ”で盛り上がる

アニメ専門チャンネル・AT-Xが、新たな動画配信サービス「AT-DX」を去る3月23日にスタート。そのAT-DX内で、“ゲーム&趣味雑談”バラエティ番組「無気力エンドコンテンツ」が、4月25日に配信開始となった。コミックナタリーでは、記念すべき1回目の収録模様をお届け。武内駿輔、梅原裕一郎、畠中祐、加藤渉がスーパーファミコンの「ストリートファイターII」で対戦を繰り広げ、同世代だからこそわかる“あるあるネタ”で盛り上がる。さらに武内からは、1回目の収録を終えた感想、番組への意気込みを綴ったコメントが寄せられた。

取材・文 / ナカニシキュウ 撮影 / 松本祐亮

「無気力エンドコンテンツ」とは

仲のいい声優同士が、仕事終わりに友人宅でだべっている──。そんな日常感をテーマにした新感覚の番組。武内駿輔と、彼と交流の深いメンバーの梅原裕一郎、畠中祐、加藤渉が、ゆるっとゲームをプレイしながら、マンガやアニメ、釣り、演劇など趣味やハマっていることについて、気の向くままトークを繰り広げる。なお2回目は5月23日に配信がスタート。以降、毎月第4木曜日に更新される。

左から畠中祐、加藤渉、梅原裕一郎、武内駿輔。

「無気力エンドコンテンツ」公式サイト

「無気力エンドコンテンツ」撮影現場レポート

終始リラックスムードの収録現場

2月のとある晴れた昼下がり、都内のハウススタジオにて新番組「無気力エンドコンテンツ」の初回収録が行われた。コミックナタリー取材班が現場に到着すると、スタジオ内ではすでに撮影用セットのレイアウトや照明、映像および音響機材のセッティングはすっかり完了しており、何人ものクルーがせわしなく動き回りながら入念な事前チェックにいそしんでいる真っ最中だった。武内駿輔、梅原裕一郎、畠中祐、加藤渉もすでに現場入りしているとのことで、控室でメイクなどの準備中だという。その控室のほうからは、時折ワイワイとした楽しそうな話し声が漏れ聞こえてくる。

リビングルームを思わせるセットの中央には布張りのソファと木製のテーブルが置かれており、そこには実機のスーパーファミコンが鎮座していた。サブカル好きな一人暮らしの男性宅をイメージしたセットということで、背面の壁際に設置された棚には新旧ゲームボーイやゲームキューブ、Wii U、NEOGEO miniなどのコンシューマーゲーム機がずらりと並び、さまざまなゲームソフトのパッケージも整然と陳列されている。さらには「ウルトラストリートファイターIV」のポスターや春麗のフィギュアなども見受けられ、この部屋の住人の人物像としてはなかなかに年季の入ったビデオゲームファンが想定されているようだ。

収録開始予定時刻が近づくと、控室から武内が姿を現して現場スタッフらに「よろしくお願いしまーす」とにこやかに挨拶。やおらセットに足を踏み入れた彼は、そこに用意された上記のような小物類に目を光らせ「これ、1個1個拾ってたらそれだけで収録1回分終わっちゃいそう(笑)」と興味津々な様子。すると、ほどなくして梅原、畠中、加藤の3名も次々に準備を終えて現れ、初回収録の顔ぶれがカメラ前に勢ぞろいした。

左から梅原裕一郎、武内駿輔。

左から梅原裕一郎、武内駿輔。

4人がセットのソファに並んで腰を下ろすと、まずはスタッフから段取りの説明が行われた。ディレクターからは「セリフは台本が一応あるが、基本お任せ。仲のいい友達の家に集まって遊んでいるようなイメージで、自由に会話してもらえればOK」といった意味合いの指示が言い渡される。大まかなトークテーマは設定されているものの、具体的な話題については各人の裁量に委ねる演出方針のようだ。つまりこの番組が目指すものは、ゲームをトリガーにした“雑談”のコンテンツ化だと考えていいだろう。雑談を雑談たらしめるべく、あえて縛りを極力なくして自由度を最大化しているわけだ。

段取りの説明がひと通り終わると、現場の空気は一気に本番へとシフトチェンジ。オープニングは、まず武内がソファに板付きでスタンバイし、後から3人がドアを開けて部屋に入ってくる手はずとなっている。イメージとしては“武内の自室に3人が遊びに来る”構図となっており、言うなれば「徹子の部屋」ならぬ「駿輔の部屋」といったところ。ソファに武内1人を残して梅原、畠中、加藤の3人がドア手前の手狭なスペースに陣取ると、すかさずカメラが回され始め、次いでディレクターのキューがスタジオ内に響きわたる。「#1、オープニングです! 4、3、2……」の掛け声を合図に、いよいよ収録本番がスタートした。

ゲーマー武内VSゲーム素人3人衆

収録は順調に進行。武内にとっては3人ともが公私にわたって親交の深い間柄ということもあり、番組上の“仲のいい同世代の友人”という設定にそもそも齟齬がないことも奏功したのだろう。お互いから自然に軽口が飛び交い、文字通りアットホームな空気感でオープニングトークが繰り広げられた。そうした中、唯一加藤だけは武内以外の2人とは初対面に近い関係性だということが明かされる。そこから武内と加藤の知られざるなれそめが語られ始め、特に「実は14歳の頃に声優体験教室で知り合った」というエピソードは梅原と畠中も初耳だったようだ。

“みんなでワイワイとゲームを楽しむ”という番組コンセプトを踏まえ、各人のゲーム遍歴について話題が及ぶと、ここで意外な事実が発覚。なんと武内以外の3人はほとんどゲームに熱中した過去がないのだという。思わず武内の口から「今日、何しに来てるかわかってる!?」と疑問の声が漏れたのも無理からぬ話だ。しかし対する3人は平然とした面持ちで、特に畠中は「このまましゃべるだけでもOKかなと思ってるけど(笑)」と悠然たる構えで言い放った。一般的に考えても、仲のいい数人が「うちでゲームしようぜ」などと言って集まった際にあまりゲームになじみのないメンバーが含まれるのは少しも珍しいことではない。そういう意味では、非常にリアリティのある状況と言っていいわけだ。

「ストリートファイターII」について熱く語る武内駿輔。

「ストリートファイターII」について熱く語る武内駿輔。

この日4人がプレイするゲームは、武内が強く思い入れるタイトルだというスーパーファミコン版の「ストリートファイターII」(カプコン)。「ストII」の略称で親しまれ、アーケードを中心に対戦型格闘ゲームの一大ブームを巻き起こし、コンシューマー市場でも大ヒットを記録したシリーズの1作目だ(「II」だけでいくつものシリーズが存在する)。しかし、梅原から瞬時に「世代じゃないでしょ(笑)」とのツッコミが入ったとおり、同タイトルが発売されたのは1992年のこと。武内はまだ生まれてすらいない時代の作品だが、その熱量には並々ならぬものがあり「ちゃんとストーリーがあるからね? なぜ戦うのかっていう理由を持ってて、強い者が強い者を呼ぶみたいな。キャッチコピーが『俺より強いやつに会いに行く』っていうので……」などと力説が止まらない。だが3人にはさほど響いていない様子で、武内は1人で熱くなりすぎたことを反省してか「ごめんな。とりあえずやってみるか」と冷静にコントローラーを握るのだった。