B級ランク戦もついに佳境へ!玉狛第2メンバーが振り返る、「ワールドトリガー the Stage」の変遷 (2/2)

途中加入だからこそ得られた視点

──空閑とヒュースがWエースとして共闘するROUND7の戦闘シーンや、千佳の葛藤が描かれる屋上での場面など、見どころたっぷりの「B級ランク戦最終決戦編」ですが、皆さんがそれぞれ楽しみにしているシーンを教えてください。

溝口 やっぱり、千佳が人を撃てない理由について、ヒュース、宇佐美先輩、(玉狛第1の隊長・木崎)レイジさんに告白する屋上のシーンですね。

植田 あー! 先に言われたー!

溝口 みんなこのシーンを選ぶだろうなと思ったので、あえて先に言わせてもらいました(笑)。宇佐美先輩が千佳に優しく語りかけるときの表情が頭から離れないんですよ。それぐらい大好きなシーンです。もちろん、たづさん(木崎レイジ役の田鶴翔吾)にも注目してほしいですが(笑)。

植田 僕と琢矢は舞台袖からみんなのやり取りを観ているんですけど、やっぱりこのシーンが一番ワクワクしますね。栞ちゃんがずっと千佳に寄り添ってきたことがわかる場面だし、お芝居が大好きな日海夏ちゃんの良さが出ているなあと。もちろん、田鶴さんもね(笑)。

「『ワールドトリガー the Stage』B級ランク戦最終決戦編」ビジュアル

「『ワールドトリガー the Stage』B級ランク戦最終決戦編」ビジュアル

其原 みんな、たづさん大好きだなあ!(笑) 初演にもこの屋上のシーンが登場しましたが、かなうならもう一度このシーンを演じたいとずっと思っていました。「B級ランク戦最終決戦編」の台本が手元に届いたとき、うれしかった反面、あそこまで感情を高められるかなという不安があったんです。でも、カンパニーの皆さんの力を借りてしっかりと役に入ることができました。千佳が人を撃てないことについて悩んでいるときに、遊真や修くんがすごく心配してくれるところと、植田さんや溝口くんが稽古中にアドバイスしてくれる姿が重なって、安心して演じられたというか。

茜屋 私はROUND8で修くんが二宮(匡貴)さんと対決するところを観て、いつもうるっとしてしまう。みんなの声が天から降ってくるように聞こえてくる場面なんですけど、これまでの戦いのことを思い返して泣きそうになるんです。私は第2弾と第4弾は声の出演のみでしたが、その間も玉狛第2のみんなは戦い続けていたし、栞ちゃんもみんなを見守り続けていたんだろうなと考えたら、グッときますよね。

茜屋日海夏扮する宇佐美栞。

茜屋日海夏扮する宇佐美栞。

山本 ヒュースは第4弾では玉狛第2のメンバーとは別行動を取っていたので、今回正式に玉狛第2に合流して一緒に戦えることがまずうれしいですし、空閑とヒュースが共闘するシーンも「うおー! 早く隊服を着て演じたい!」と楽しみにしています。

みんなと少し違う観点になりますが、屋上のシーンも見どころの1つだと思っていて。ランク戦は言うなればサバイバルゲームのようなもので、実際に生身の人間を撃つわけではないし、命の取り合いはしていないじゃないですか。仮の肉体・トリオン体を撃つだけだから、人を殺めるわけではないと理解してはいるけれども、それでも千佳は撃てない。悩んでいる千佳に対してヒュースがかける「おまえは人を撃てるのか 撃てないのか」「実戦で遊真や修が危機に陥れば 千佳は撃つはずだ」という言葉の裏には、「将来的に本当の争い事に発展したら命の取り合いが発生するかもしれない。そのときに人を殺める覚悟はあるのか?」と段階を追った問いかけの意味合いもある気がしていて。たぶん、最初からみんなと一緒に戦ってきていたら、「千佳……! がんばれ……!」と応援してしまっていたと思うんです。でも、僕自身もワーステに途中参加だったことが功を奏して、ヒュースと同じような一歩引いた視点で作品を見ることができている。それはヒュースを演じるうえですごくありがたいことだと思います。

山本一慶扮するヒュース。

山本一慶扮するヒュース。

溝口 ワーステ初演のときに中屋敷さんが「『ワールドトリガー』は、自分たちの世界を守るために中学生たちが戦っているシビアな作品」だとおっしゃっていたのが、強く記憶に残っていて。「ワールドトリガー」を舞台化するにあたって、シビアな部分ばかりを扱っているとエンタメとして成立しないし、舞台を観に来てくださったお客さんに楽しんで帰ってもらいたいというのが僕たちの思いなので、原作のどのシーンを取捨選択するか、塩梅がすごく難しいと思うんです。そんな中、中屋敷さんは絶対に残さないといけない部分をしっかり残しつつ、さまざまなシーンをバランス良くピックアップしてくださっているなと、「B級ランク戦最終決戦編」の稽古を通して改めて感じました。

──皆さんが、ワーステという作品、そしてご自身が演じるキャラクターにかける深い愛情がひしひしと伝わってきました。B級ランク戦の集大成となる「B級ランク戦最終決戦編」を楽しみにされているワーステファンの方々に向けて、最後にメッセージをいただけますか?

茜屋 こうして1つのシリーズを第5弾まで続けられたのは、ずっと応援し続けてくれるファンの皆さんのおかげだと思います。「ワールドトリガー」には少年マンガらしいカッコいい戦闘シーンもありつつ、それぞれのキャラクターの心情が細やかに描かれているので、原作が持つ熱さを感じていただけるようにがんばります。1人でも多くの方に応援しに来てもらえたらうれしいです。

山本 玉狛第2の一員としてランク戦を戦うことを自分自身すごく楽しみにしていました。全力で汗をかいて……いや、トリオン体は汗をかかないか!(笑) 心を熱くして、心の汗をかきながら全力で戦うので、ぜひ劇場でご観劇ください。

其原 初演から何年間も積み上げてきた思いをお芝居に乗せて、応援してくださるファンの皆さんに届けられるよう、最後までお稽古をがんばります!

溝口 自信を持って言えるのは、中屋敷さんが作る作品は、観に来てくださるお客さんを取り残すことが一切ないということ。「B級ランク戦最終決戦編」でもあちらこちらでさまざまな戦いが繰り広げられますが、皆さんを置いていくことがないよう、キャスト・スタッフ一同で力を合わせて作り上げたいと思います。そして、今回も無線制御機能付きのペンライトが販売されます! ぜひお手に取っていただき、一緒にB級ランク戦を盛り上げていきましょう!

植田 琢矢はやっぱり抜かりないな(笑)。キャスト・スタッフ、セクション問わずみんなでしっかりと意見を出し合って、充実したものづくりができているなという感覚があります。僕たち自身も作品を愛し、皆さんからもたくさん愛してもらって、ようやくここまでたどり着くことができました。最後まで全力で走り抜けますので、応援のほどよろしくお願いします。

プロフィール

植田圭輔(ウエダケイスケ)

1989年、大阪府生まれ。俳優・歌手・演出家。2006年、第19回ジュノン・スーパーボーイ・コンテストのファイナリストに選ばれ、2007年のデビュー舞台「少年陰陽師《歌絵巻》」で主演を務めた。今後、「ミュージカル『フラガリアメモリーズ』~純真の結い目~」(出演)、舞台「東京リベンジャーズーThe LAST LEAPー」(出演)、「ACTORS☆LEAGUE in Games 2025」(出演)、Fantasy Musical「バースデー」(映像出演)、舞台「ゲゲゲの鬼太郎2025」(出演)を控える。

溝口琢矢(ミゾグチタクヤ)

1995年生まれ、東京都出身。俳優・歌手。2007年に俳優デビュー。同年12歳で「劇場版 仮面ライダー電王 俺、誕生!」でライダーのミニ電王および小太郎を演じ話題に。その後、映画・ドラマ・舞台を中心にさまざまな分野で活動している。

其原有沙(ソノハラアリサ)

2001年、東京都生まれ。子役デビューし、その後、アイドルユニット・乙女新党のメンバーとして活動。京王電鉄のイメージキャラクター・プラットガールを務める。近年の主な出演舞台に、舞台「アサルトリリィ・新章」シリーズ、舞台「吸血鬼すぐ死ぬ」などがある。

山本一慶(ヤマモトイッケイ)

1989年、東京都生まれ。俳優・演出家。「あんさんぶるスターズ!THE STAGE」シリーズや、ミュージカル「憂国のモリアーティ」シリーズなど2.5次元作品のほか、海外のストレートプレイ等にも多数出演。演出家として手がけた作品に、シェイクスピア「夏の夜の夢」、「HIGH CARD the STAGE – CRACK A HAND」などがある。

茜屋日海夏(アカネヤヒミカ)

秋田県生まれ。俳優・声優。声優アイドルユニット・i☆Risおよびソロでアーティスト活動をするほか、アニメ「プリパラ」シリーズ、劇場版アニメ「i☆Ris the Movie - Full Energy!! -」、映画「30S」など多数出演。さらに自身の公式YouTubeチャンネル「ひみちゃんねる」でも多彩な一面を見せている。