この人からあの人まで……縁がつないだ夢のコラボ

──こだわり抜いた写真のほかにも、テーマごとに自作のポエムが収録されているそうですね。

自分では自覚ないんですけど、赤澤（燈）から「ポエマー、ポエマー」っていじられるし、プロデューサーからも「写真集に入れたいので、ポエムを作ってほしい」って言われるし、「あれ？ 俺の職業、もしかしてポエマー？」って思って……。ファンの方にも陳内＝ポエマーというのが浸透していると思うので、そこにも注目してもらえたらうれしいです（笑）。

──マンガ「抱かれたい男1位に脅されています。」の劇中劇「紅葉鬼」をもとにした舞台「紅葉鬼」（参照：「これが僕たちの紅葉鬼です」陳内将・菊池修司らの舞台「紅葉鬼」開幕）に出演したご縁で、原作者の桜日梯子先生が描いたイラストも掲載されています。

先生が舞台「紅葉鬼」を観に来てくださったとき、僕が演じるキャラクターを愛してくださってるのが伝わってきて、本当にうれしくて……1st写真集ではぜひ先生に寄稿していただきたいと思っていたんです。最終的には別の形になりましたが、もともとは“JEALOUSY”をテーマに描いていただいて、その絵を写真で完コピしたいという構想もありました。

──例えば2.5次元ミュージカルだと、マンガやアニメのような2次元の作品をもとに演劇を立ち上げていきますが、それとは逆に、ご自身が2次元の作品になるというのはとても貴重な体験だったのではないでしょうか。

そうですね。「ああ、先生から見えてる陳内ってこんな感じなんだ」ってすごく感動しました。

──生まれてから現在までを振り返るロングインタビューには、陳内さんと同じく熊本県天草出身のマンガ家・ねこクラゲ先生がイラストを寄稿しています。

ねこクラゲは中学の同級生なんですよ。今まで年齢非公開だったんですけど、「いいよ！」と言ってくれて、この写真集を機にねこクラゲがついにベールを脱ぎます（笑）。

──ははは！ ねこクラゲ先生とは、上京されてからもずっと交流があったんですか？

勉強のために2.5次元ミュージカルを観に行くことがあるようで、自分が出演した舞台版「ドラえもん のび太とアニマル惑星（プラネット）」（参照：「ドラえもん」本日開幕、小越勇輝「のび太のキャラクターが濃くなってきた」）を観に来てくれたんです。そのとき色紙にイラストを描いてくれたんですけど、原作のキャラクターに寄せるのではなく、僕が演じるスネ夫や小越（勇輝）が演じるのび太を描いてくれたのが、すごくうれしくて。以前から、お互いの活動に貢献し合えたらいいねっていう話をしていたんですが、今回ようやくその夢が実現しました。桜日先生とねこクラゲはまったく作風が違うから、ファンの方は驚くかもしれませんね。その前にまず、自分とねこクラゲとの関係にびっくりするかな（笑）。

──また、“きゃにめ限定版”の特典DVDに収録されている映像には、スーパー戦隊シリーズ「特命戦隊ゴーバスターズ」で共演した鈴木勝大さんがカメラマンとして撮影に参加しています。

かっちゃん（鈴木）が「じんちゃん（陳内）のためなら」とひと肌脱いでくれて。「ゴーバスターズ」ではレッドバスターとエンターという敵同士の役柄だったんですけど、まさかこんな形でご一緒できるとは思っていなかったのでうれしかったです。特典DVDには写真集のメイキング映像と一問一答が収録されているので、こちらも楽しんでもらいたいですね。

──地元・天草から上京して14年。さまざまなご縁がつながって、陳内さんのこれまでのキャリアの集大成となるような、内容盛りだくさんの写真集が完成しました。

令和3年、33歳のタイミングでこの写真集を出すことができたのって本当に奇跡ですよね。いつも応援してくださっているファンの方々、僕のわがままを聞いてくれたスタッフの皆さん、いろいろなご縁があって出版できることになったので、皆さんへの感謝を込めた1冊にしたいなという思いがあって。頼れるスタッフの皆さんと一緒に一から作り上げて、自信を持ってお届けできる作品になりました。コロナ禍ということもあり、予定していた場所で撮影することはかなわなかったですが、今できることをみんなで考えるきっかけにもなったし、今だからこそできた1冊だと思っています。もし今つらい状況で下を向いている方がいたら、僕の写真集を通して笑顔になって、少しでも前向きになってもらえたらいいなって思います。