“Joy”にあふれた時空間を味わって!シルク・ドゥ・ソレイユ「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」|スペシャルサポーターの小倉智昭・サンドウィッチマン・伊藤沙莉の推しポイントとは?

「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」スペシャルサポーターの小倉智昭・サンドウィッチマン・伊藤沙莉が期待を寄せる

シルク・ドゥ・ソレイユを長年観続けてきた小倉智昭、3作連続でスペシャルサポーターを務めるサンドウィッチマン、そして今回初めてシルク・ドゥ・ソレイユを体験する伊藤沙莉。彼らが、10月11日に行われた記者発表後(参照:「アレグリア」サポーターがシルク・ドゥ・ソレイユの魅力を語る、来日アーティストによる演技も)、興奮冷めやらぬ中で「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」への期待を語った。

小倉智昭

母の涙が忘れられない「アレグリア」

──観客から“最も愛される”と言われる「アレグリア」ですが、小倉さんはその理由をどこに感じますか?

音楽や衣裳など、演目がトータル的に優れていて、シルクの作品の中では、(話の筋が)観ていてわかりやすいんじゃないかな。お子様から大人まで楽しめるので、5年ぶりの日本での公演に一番良い演目です。まず、音楽が耳から離れないでしょ? 楽曲が単体でヒットしたのはシルクの中でもこの作品だけ、というのも面白い。今回は、衣裳が素晴らしく変わっているので楽しみですね。また、演目と演目のつなぎ(場面転換)って難しいんですが、それが綺麗に表現されていると聞きました。彼らは自分たちで道具をはけたり、セッティングしたりしているんです。舞台の前方でパフォーマーが目立つ演目をしている間に。すごいですよね。

小倉智昭

──記者発表でパフォーマンスを一部ご覧になって、いかがでしたか?

「アレグリア」の中では一番スペースを取らない、最も小さな演目だったにも関わらず、会場にいたみんなが食い付きましたよね。全編ではもっとスケール感がありますから、あれで驚いていたら、本番を観て大変なことになりますよ。ただ、あの場で感じられる「アレグリア」の世界というのもありました。身体を柔らかく使うのはモンゴルの人のお家芸で、小さい頃から学校で柔軟性をたたき込まれるんです。中でも特に優秀な人が、中国雑技団やシルクでデビューする。国に帰ると貧しい人もいる中、こうやって活躍されることは家族の名誉なのでしょう。取材に行くと、皆さんの鍛錬の姿勢に圧倒されます。

──「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」は、シルク・ドゥ・ソレイユの海外テント公演復活の第一歩となります。

復活するときは安定して興行を行える場所で、と考えますよね。日本にはシルクを愛している人がたくさんいるから「やりたい」と思ってくれたはず。今回は東京、大阪に絞っての上演となりますが、本当は札幌や仙台、福岡も回れたら良いですよね。

──この作品が見逃せない理由を教えてください。

「アレグリア」では、演者さんの気持ちがすごく伝わってくるんです。みんなが“主役”として出て来て、最初から最後まで目が離せない。まずは「アレグリア」の世界にどっぷりと漬かってみてください。絶対に損はしないと思います。「アレグリア」「アレグリア2」を合わせて日本で181万人しか観ていないというのは、まだ楽しめる方がたくさんいるということ。母は生前、95歳くらいのときに車椅子で観せてもらったんですが、「私はこれで死んでも良い」と言って、涙を流していました。断片的にしかわからないだろうなと思っていても、やっぱりわかるんですよね。あの姿は忘れられないです。

小倉智昭(オグラトモアキ)
1947年、秋田県生まれ。大学卒業後、東京12チャンネル(現:テレビ東京)を経て、1976年にフリーのアナウンサーに。フジテレビ系情報番組「情報プレゼンター とくダネ!」では2021年3月まで、メインキャスターを22年間務めた。季刊「ホームシアターファイルPLUS」(音元出版)で「エンタのサムライ」を連載中。

サンドウィッチマン

チャンスがあるときに観ないと損!ぜひ誰かを誘ってみて

──「トーテム」(2016年)、「キュリオス」(2018年)に続き、スペシャルサポーターを務められるお二人は、シルク・ドゥ・ソレイユのすごさをどこに感じますか?

伊達みきお 絶対に自分ができないことを目の前で簡単にやられるところですね。手品やマジックじゃなく、こんな動きができる人がいる。正直、「身体、柔らかくしときゃ良かったな」って思います。

富澤たけし 今はCGやVRなど技術が進化していますけど、生の人間がやっているっていうすごさですよね。

サンドウィッチマン

──伊達さんは「アレグリア」の歌が本当にお好きだそうですね。

伊達 あの歌はシルクの代名詞のようになっていますよね。記者発表で目の前で歌ってくれたときには、改めて「すごい歌唱力だな」と、コンサートのような“身体が震える”感動がありました。

富澤 例えば「オーヴォ」(2014年)ってどんな歌だったかあまりわからないと思うんですけど、「アレグリア」はあのメロディがすぐに浮かびますから。歌の強さを感じます。

──伊達さんは女性2人の「ハンド・トゥ・ハンド」を観て、「やってみたい」とおっしゃっていましたね。

伊達 コンビ芸なんでね、いけるかなと思ったんです。ただ、富澤がどうしても太っているんで。

富澤 お前だってそうだよ。

──やはり目の前で観ると「やってみたい」という気持ちになりますか?

伊達 いや、思わないですよ!(笑)

富澤 ならないでしょ(笑)。

伊達 これは“ならない”やつです。まあでも、身体さえ柔軟で、ピタピタのボディスーツを着られて、小さい頃からやっていて、シルクに入っていたら……できたと思いますね。

──今回の「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」で注目されていることは何ですか?

伊達 テーマが“歓喜”ということで、演目がすごいのは承知ですから、ストーリーが気になっています。5年ぶりに、お台場に大テントが張ってあって、お客さんがたくさんいるという、あの光景がまた見られると思うとうれしいです。

富澤 前作ですでに完成されていましたし、もう変えるところはないんじゃないの?と思うんですけど、それでもまだ現在に合わせて変化させる。どこを変えてくるんだろう?と楽しみです。

伊達 「アレグリア」は3度目の来日になるので、意図のある“変え方”をしているはず。すでに「アレグリア」「アレグリア2」を観たことのある人も、初めて観るような感覚で楽しめるんじゃないかなあ。シルクにとってはパンデミック後初の海外テント公演ですから、その気迫が伝わってくると思います。日本で盛り上げて、また別の国へとつなげていってほしいですね。

──スペシャルサポーターとして「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」を楽しみにしている皆さんへメッセージをお願いします。

伊達 シルクのステージって、一度観たら必ず誰かを連れて観に行きたくなるんです。そのすごさを見せたいというかね。親を連れて行くとか、子供を連れて行くとか、ぜひ誰かにチケットをプレゼントしてほしい。最高のプレゼントになると思いますよ。

富澤 非日常に身を委ねていただければと思います。今は嫌なことが多いけど、その時間だけは嫌なことを忘れて劇世界に没入できる。そういうことを求めている人に、ぜひ観に来てほしいと思いますし、毎年のように観られるものだと思っていたシルクが、パンデミックがあって、観られなくなることもあるんだっていうのを実感したので、チャンスがあるときに観ておかないと損しますよ。

サンドウィッチマン
伊達みきお(ダテミキオ)
1974年、宮城県生まれ。特技は野球、生卵とゆで卵を見分けられること、お好み焼き作り。
富澤たけし(トミザワタケシ)
1974年、宮城県生まれ。特技はスポーツゲーム、寡黙でいること。
1998年にコンビ結成。みやぎ絆大使をはじめ、地元・宮城県での活動も多い。「M-1グランプリ2007」優勝、「キングオブコント2009」準優勝。

伊藤沙莉

シルクはフルパワーですべての表現を届けてくれる“芸術”

──伊藤さんは今回がシルク・ドゥ・ソレイユ初体験だそうですね。

シルク・ドゥ・ソレイユは家族が好きなのですが、私は観るチャンスがなくて。学生時代は、CMなどで映像が流れると、断片的な一瞬にも魅了されるものがあったので、「そこには素晴らしい世界があるんだろうなあ」と思っていました。

伊藤沙莉

──記者発表で生のパフォーマンスをご覧になっていかがでしたか?

生で観た感想は、見どころがありすぎて「目がめちゃくちゃ忙しい!」です(笑)。歌の素晴らしさにうっとりしていたら、ハンド・トゥ・ハンドに「危ないッ」と思って目が離せない。その一方で、「ミスター・フルールは今、どんな表情をしているんだろう?」と気になってしまう。本番では焦点を1つに定めて観に行くのが良いと思いました。そして何度も観る! 舞台でも、見逃した部分を確認しに何度も劇場に通うことがあります。シルクは身体表現と表情で訴えてくるので、感動が渋滞してしまい、涙をこらえて観ていました。

──「アレグリア」は1994年生まれの伊藤さんと同い年ですね。2013年以降、閉幕していた時期があるものの、長く愛され続けている作品です。

28年という自分の人生と照らし合わせると、長いですね(笑)。パンデミックで表現の場が失われていた時間がある中、歴史ある彼らが、新たに照明や衣裳を変えて挑戦する姿勢には刺激を受けます。どんな分野も、上を目指すことは大切ですし、一度観た人も満足できるようにと探求する心に私たちは感動をもらうのだと思います。

──シルク・ドゥ・ソレイユの身体表現に、俳優として何を感じますか?

「アレグリア」の歌詞が造語だと知ってびっくりしたのですが、昔、“造語で会話をする”というワークショップを受けたときに、身体の状態から作らないと表情だけでは伝わらないと思ったことがありました。例えば、“怒り”でも悔しい怒りなのか、呆れた怒りなのか、表現できる身体が伴わないと伝わらない。それってお芝居の行き着く先、目指すところだと私は思っていて。「ミスター・フルールは陽気に観えたけど、本当は悲しかったのかな?」とか「何か光を失ったのかな?」と観る人の想像力をかきたてつつ、答えを与えずにその場の空気を共有することは、理想の表現だなあと思いました。

──「ダイハツ アレグリア-新たなる光-」への期待を教えてください。

少し観ただけでも、満ちあふれる充実感、幸福感に「ここまでとは!」と思いました。歌があり、生演奏があり、身体表現もあって、フルパワーですべての表現を私たちに届けてくれる、シルクは“芸術”なのだと思います。それを1人でも多くの人と共有したいですし、スペシャルサポーターとしていただいた役割をしっかりと務めたいです。今まで触れられたことのないところを触られている感覚だったので、会場でどっぷりと感動したいなと思っています。

伊藤沙莉(イトウサイリ)
1994年、千葉県生まれ。女優。連続テレビ小説「ひよっこ」で注目を集め、映像・舞台で活躍。近年の舞台出演作に「首切り王子と愚かな女」「世界は笑う」など。テレビドラマ「拾われた男 Lost man Found」に出演中。11月11日に映画「すずめの戸締まり」(声の出演)、12月2日に映画「月の満ち欠け」、2023年に主演映画「探偵マリコの生涯で一番悲惨な日」が公開予定。
「アレグリア-新たなる光-」より、「フィナーレ」。(Photos: Cirque du Soleil 2021 / Costumes: Dominique Lemieux)

Photos: Cirque du Soleil 2021 / Costumes: Dominique Lemieux

シルク・ドゥ・ソレイユ
カナダ・モントリオールを拠点に活動するエンタテインメント集団。1984年にカナダ・ケベックに誕生し、アクロバットを駆使した没入型の作品を世界で上演し続けている。日本には1992年に「ファシナシオン」で初来日。以降、日本では13作品を上演し、1400万人以上を動員している。