「ふじのくに⇄せかい演劇祭2022」でSPACが披露する人気作&新作
SPAC「ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」
2009年に初演されて以来、今回が4度目の上演となるSPACの人気作。「源氏物語」の光源氏と妻の葵上、六条御息所の三角関係と、チェーホフの「六号室」の世界観を織り交ぜて描かれた唐十郎の戯曲で、伊豆の浜辺に立つ病院や富士スピードウェイを舞台にそれぞれの思いが錯綜する。宮城聰は、本作を野外劇として再構成した。
唐作品の魅力について宮城は「唐さんは、この先どう展開していくかわからないまま書いている。観客と作者がまったく同じ事件を同時に体験している。そんな書き方をする作家は、唐さん以外、ビクトル・ユゴーくらいしか思いつきません」と表現した。
ふじのくに野外芸術フェスタ2022静岡 SPAC「ギルガメシュ叙事詩」
フランス国立ケ・ブランリー美術館からの委嘱により制作され、3月にフランスで初演されたSPACの新作。古代メソポタミアの冒険物語「ギルガメシュ叙事詩」をもとに、ウルクの王ギルガメシュが永遠の生命を求めて旅する様が描かれる。本作にはSPACと初タッグとなる人形劇師・沢則行が人形デザイン・操演として参加。レバノン杉を守護する怪物・フンババを表す巨大な人形をはじめ、空想的かつダイナミックな作品世界を、人間と人形の共演により描き出す。
本作について宮城は「人間を超えたものとの出会いや、人間が人間の限界を知る話」と紹介。沢は「宮城さんのコンセプトがクリアなので、人間と自然がどう生きて行くかということを考えて人形を作りました。今まで皆さんが観たことがないような奇妙なものも出てくると思いますので、ぜひ観に来てくださればうれしいです」と話した。
「ふじのくに⇄せかい演劇祭2022」
「カリギュラ」
2022年4月29日(金・祝)・30日(土)
静岡県 静岡芸術劇場
作:アルベール・カミュ
演出:ディアナ・ドブレヴァ
SPAC「ふたりの女 平成版 ふたりの面妖があなたに絡む」
2022年4月29日(金・祝)・30日(土)
静岡県 舞台芸術公園 野外劇場「有度」
作:唐十郎
演出:宮城聰
出演:たきいみき、奥野晃士、春日井一平、木内琴子、杉山賢、鈴木真理子、武石守正、永井健二、布施安寿香、三島景太、若宮羊市
ふじのくに野外芸術フェスタ2022静岡 SPAC「ギルガメシュ叙事詩」
2022年5月2日(月)~5日(木・祝)
静岡県 駿府城公園 紅葉山庭園前広場 特設会場
台本・演出:宮城聰
翻訳:月本昭男(ぷねうま舎刊「ラピス・ラズリ版 ギルガメシュ王の物語」)
音楽:棚川寛子
人形デザイン:沢則行
出演:阿部一徳、大高浩一、石井萠水、大内米治、片岡佐知子、榊原有美、桜内結う、佐藤ゆず、鈴木陽代、関根淳子、大道無門優也、舘野百代、本多麻紀、森山冬子、山本実幸、吉植荘一郎、吉見亮、渡辺敬彦 / 沢則行(操演)、桑原博之(操演)
「私のコロンビーヌ」
2022年5月3日(火・祝)・4日(水・祝)
静岡県 静岡芸術劇場
作:ファブリス・メルキオ
演出・舞台美術・衣裳・出演:オマール・ポラス
「星座へ」
2022年5月6日(金)~8日(日)
静岡県 日本平の森
コンセプト:ブレット・ベイリー
日本版キュレーション:大岡淳
<同時開催>「ストレンジシード静岡2022」
2022年5月3日(火・祝)~5日(木・祝)
静岡県 駿府城公園内各所、静岡市役所・葵区役所前、市民文化会館 野外ステージ ほか
フェスティバルディレクター:ウォーリー木下
出演:少年王者舘、contact Gonzo、範宙遊泳、ままごと ソロ・ワークス、渡邉尚、壱劇屋×サファリ・P×SPACストレンジチーム、ホナガヨウコ、モモンガ・コンプレックス、sunday、コトリ会議、和太鼓+ダンスユニット<まだこばやし>、齊藤コン、山田裕幸×劇団渡辺、劇団かいぞく船、羊のクロニクルズ ほか
※初出時、「星座へ」出演者名に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。