お笑いナタリー PowerPush - ナタリー×an 教えて!センパイ~あの頃のバイト生活~
東京03の場合
ショーケースに並んだ自分のドーナツを見たときに感動しました(角田)
──豊本さんはどのようなバイトをされてたんですか?
豊本 僕は東京に出てきて割と早い段階でコンビニでちょっとだけ働いたんですが、コンビニは大学生ばっかりで、みんなキャンパスライフを楽しんでいて、これは合わないなと。なので、なるべく1人でできるバイトや、作業していればいいっていうバイトに逃げました。
──例えばどのような作業をするんですか?
豊本 ケータイの電気が通ってるかどうかチェックするという作業をしてました。機械でケータイが流れてきて、それを充電器みたいな機械に差し込んで、青ランプだったらもう1回流す、赤だったら外すんです。「つまんねえなあ」と思いながらやってたんですけど、そこは2人体勢なんですよ。もう1人はわりと長くやってる方で、ケータイを取って機械に差し込む作業があまりにもスムーズで。僕がやるとガチャガチャって音が鳴るんですけど、その方は何の音もしないんです。スーッと。
飯塚 へえー、すごい。
豊本 すごいけど、こうもなりたくないなという思いがどこかに。
角田 目指せよ!
──角田さんはバイトへの熱がすごいですね(笑)。
角田 またドーナツショップの話になっちゃいますけど、そこでは揚げたドーナツにクリームを入れたりする、「フィニッシャー」と呼ばれる役割があって、僕はフィニッシャーからスタートしたんです。その後、ドーナツを揚げる「フライヤー」になれるんですが、僕が働いていたのは深夜だったんで、翌朝の分を作るんですよ。全部のドーナツを仕上げて、店頭に並べて、開店準備オッケーにして、ショーケースに並んだ自分のドーナツを見たときに、僕は感動しましたね!
──芸人に戻って来ていただいて本当によかったです。ドーナツショップのおもしろ社員になる勢いだったんですね。
飯塚 面白いかどうかはわからないですけどね。
角田 たしかに面白い人ではなかったですね(笑)。
芸人をやりながらできるオススメのバイト
──若手芸人にとっては切っても切り離せないバイトですが、芸人をやりながらできるオススメのバイトは何ですか?
飯塚 いきなり仕事が入ったりするので、結局シフトの便利さで選ぶのがいいです。ただ、仕事が入ったから休むってやってるうちに、仕事がなくてもサボりたくなっちゃう(笑)。
豊本 まあね、融通きいちゃうからね。
飯塚 融通ききすぎると、結果行かなくなっちゃうんです。僕のひっどいときなんて、バイトの面接に行って、採用が決まりそうになるとテンションが下がるっていう。このままいったら俺ここでバイトしなきゃいけなくなるってなって、「ちょっと待ってください。1回考えさせてください」って(笑)。なんだか憂鬱になってくるんですよ。それもファミレスでした。
──なぜファミレスが多いんですか?
飯塚 まかない目当てですね。最初はそう思うんです。でも、ファミレスって大手の会社がやってるちゃんとしたところだから、当然ですけど結構細かいルールがあって。
──その面接の話のように、バイトを通して改めてわかった自分の性格というのは?
飯塚 ハッキリわかるのは、同じところに毎日行くのが無理ってことです。僕、19歳のときに1年間バイトして金を貯めてこの世界に入ったんですけど、そのときは配水管の掃除をやってたんです。配水管の掃除は、長くても同じマンションに3日間くらい。基本は現場が毎日違うんですよ。それは続きましたもん。
豊本 僕は一番楽しかったバイトがモニターで、サンプルとかを食べて感想を言ったりするんですけど、楽なんですよ、ぶっちゃけ。
飯塚 へえー!
豊本 座談会っていうのがあるんですけど、それはギャラもよくて、適当にしゃべってました。責任感のない仕事が向いてるんでしょうね。
角田 僕はドーナツショップのあと、深夜1人で鍵のトラブルを受け付ける会社で電話番をしまして。鍵を失くした人から電話がきたら、その近くにいる作業者の方に連絡するというのをやってたんですよ。それはしんどかったですね。ドーナツショップを楽しくやったあとに、急に深夜どこだかわかんないオフィスに1人で。ギャップがダメでしたね。「辞めたい! 戻りたい!」って。
飯塚 戻れよ!(笑)
角田 ドーナツショップの夜勤がなくなっちゃったの! 世知辛い世の中になってしまったので。
飯塚 知らないよ!
──芸人さんにとってバイト生活から脱したときはうれしいものですか?
飯塚 それはそうですね。バイトをしないでこの世界だけで食べていけるというのは目標でしたから。
──バイト生活を脱して初めて反省することもありますか?
飯塚 (深く頷いて)ネタを作るっていう意味では、いろんなバイトをやって、いろんな人間観察をすればよかったなと。今振り返るとそう思えるんですけど、ただどうしてもそのときには耐えられなかった。
次のページ » 角ちゃんは正社員になってたら、それなりの役職に就いてる(豊本)
「an」特設サイトではナタリーとの連動企画として、一般ユーザーから寄せられたバイトに関する悩みや相談にゲストが答えるコーナーを掲載。東京03にはインタビューとあわせて、さまざまな質問に答えてもらった。
路線・駅・区間、職種、雇用形態、短期、高収入など、さまざまな条件からアルバイトを探すことができるWEB版「an」。バイトの検索方法は、地域を選び、チェックボックスに希望の条件を入力するだけ。自分にピッタリのバイトに出会おう!
BACK NUMBER
東京03(トウキョウゼロサン)
写真左 / 豊本明長(とよもとあきなが)
1975年6月6日生まれ、愛知県出身。
写真中央 / 飯塚悟志(いいづかさとし)
1973年5月27日生まれ、千葉県出身。
写真右 / 角田晃広(かくたあきひろ)
1973年12月13日生まれ、東京都出身。
2003年にトリオ結成。2009年に「キングオブコント2009」で優勝。DVD「第16回東京03単独公演『あるがままの君でいないで』」が2014年12月24日に発売された。プロダクション人力舎所属。