お笑いナタリー PowerPush - ナタリー×an 教えて!センパイ~あの頃のバイト生活~
東京03の場合
角ちゃんは正社員になってたら、それなりの役職に就いてる(豊本)
──例えば、それぞれ自分が一緒にバイトで働くとか、自分がバイトを雇うとなったら、2人のうちどちらを選びますか。
飯塚 雇うとしたらそりゃ角ちゃんでしょ。
角田 確かに俺は続けると思うよ。
──即答でしたが、豊本さんはなぜダメなんですか?
飯塚 なんだかんだで言われたことは文句言わずにやりそうだけど、言われたこと以外は何もやらなそう。
豊本 その通りですね。
──豊本さんはいかがですか?
豊本 角ちゃんかなあ。
角田 いやまあまあそうでしょうね。
──飯塚さんがダメな理由は?
豊本 わかんないですけど、一緒に働いてて、こっちから「シフトを代わって」とか言ったら、最初は「いいよ」って言うでしょうけど、リミッターがいっぱいになったら急に消えそう。
飯塚 ははははは!
角田 絶対いなくなっちゃうよ。
飯塚 スッていなくなっちゃうんですよねー。
豊本 いなくなって、芸人仲間たちに俺の悪口言うんだよ。
──大人気の角田さんはどちらを選びますか?
角田 まだ豊本さんですよ。まだね。この2人はひどいですけどね。バイトとして考えたら、豊本さんはまだ現場には来るかな。嫌な顔してでも。
豊本 嫌な顔はするでしょうね(笑)。
角田 すぐ消えるもん、こっち(飯塚)は。
飯塚 電話に出ないもんね、まず。
角田 絶対ダメでしょ(笑)。
──知っている芸人さんの中で一番バイトで働きそうな方はどなたですか?
飯塚 角ちゃん! こんなに純粋にバイトする人間はいないですね。もう根っこが芸人じゃない。
豊本 正社員になってたら、それなりの役職に就いてるでしょうね。
──その角田さんから見て、誰かいますか?
角田 うーん、いねえんだよなあ、芸人さんにはほんといないですね。
飯塚 お前なんなんだよ(笑)!
角田 みんなダメ、ほんとに。なってない。
飯塚 角ちゃんと2人で登録制のバイトをしてたこともあるんですけど、あのときも角ちゃん要領よかったな。そうだ、思い出した! 家を解体する作業のバイトで親方みたいな人がいて、角ちゃんすげー気に入られてたんですよ。俺はすげー怒られて。
角田 あれはね、そっちが下手すぎる。その人の前ではちょっと動いていればいいだけの話じゃないですか。僕だって嫌だったんです、解体とか。体力使うの苦手なんで。2人で「しょうがないか行くか」って無理矢理行ったんですよ。現場ではとりあえず何か運ぶのにも、ゆっくり持って行ってやればいいんだけど、彼はずっとその人の前で嫌そうにしてるから。
飯塚 何か指示出してくるんですけど、滑舌が悪くて何言ってるかわかんなかったんだよ。
角田 そういう人に、ツッコミの感じでいっちゃうからダメなんですよ。
飯塚 だって早口だったし。でも角ちゃんは勘でなんとなく動くんですよ。絶対に聞き取れてないはずなのに、「なんとなくこう言ってんのかな」で動いてそれが正解だったりする。俺はいつまでも「あ? え?」って。
角田 もう楽しんじゃってるの、その人を(笑)。
飯塚 最終的に俺だけすごく怒られちゃう。
バイトの失敗談
──ほかにもバイトの失敗談はありますか?
角田 最初の頃はやっぱりオールドファッションの割れが甘いとか。
豊本 またドーナツショップの話(笑)。
角田 自分で納得してないとかありますよねえ。気温と水の温度の関係を甘く見ちゃったなって。
飯塚 知らないよ(笑)。僕は、それも登録制のバイトなんですけど、角ちゃんと一緒に行って現場は別々で。僕のほうは大型冷蔵庫を運ばなきゃいけなかったんですが、重すぎて1台も持てなかったんです。もう1軒目で追い返されました、10歳下の男の子に。しかも駅がどこかわからないところで車を降ろされちゃって、泣きながら帰ったんですから。もう30歳過ぎてましたよ。角ちゃんは角ちゃんで別のところでまたいい感じで。
角田 電話かかってきましたもん。「帰されたよー」って(笑)。
飯塚 明け方6時くらいの集合で10時には帰らされた(笑)。
豊本 僕は、職種は言えないんですけど、パソコン系の仕事で……。
飯塚 書けない話は時間の無駄だからやめて!
──芸人と並行してのバイトの話を聞いてきましたが、遊びのためのバイトはしたことありますか?
角田 僕は高校卒業して、ギター欲しくて警備員やってました。
飯塚 ベタ……、もう全部がベタ。
豊本 セオリー通り。
飯塚 小説だったら絶対読まないね。つまんなそうだもん。
角田 で、音楽サークル入りました。
飯塚・豊本 ああー!
飯塚 僕はまったくしてないですね。生活費で借金するくらいバイトしなかったですから。
──同じようにバイトで苦労している後輩を見るとかわいがりたくなったりしますか?
飯塚 ああ、最近近所に鬼ヶ島の和田が引っ越してきたんですよ。なにかとごはんは一緒に行きます。
──和田さん、新婚の飯塚さんと一緒にいるのは逆に辛くないですか?
飯塚 確かに(笑)。昨日も一緒にごはん食べに行ったんですけど、あいつ一通り経験してるじゃないですか、結婚式の準備から何から。僕はすごく勉強になってます。
──今からバイトを始める人たちにエールを送るとしたらどのような言葉を贈りますか?
飯塚 何もちゃんとやってこなかったから、なんとも言えないですね(笑)。でも合う場所はあると思うんですよ。僕の排水管清掃みたいに、ちゃんと探せばあるはず。角ちゃんはたまたまドーナツショップの環境がよかっただけなのかもしれないし。
角田 そうですね、ラッキーであればいい出会いがありますから。ただ、あんまり無理しないほうがいいかもしれないです。変な話ですが、辞めることができるのもバイトの特権ですから。
豊本 ほどほどがんばれば生きていけるというのがバイトのいいところ。ほどほどがんばれ!
「an」特設サイトではナタリーとの連動企画として、一般ユーザーから寄せられたバイトに関する悩みや相談にゲストが答えるコーナーを掲載。東京03にはインタビューとあわせて、さまざまな質問に答えてもらった。
路線・駅・区間、職種、雇用形態、短期、高収入など、さまざまな条件からアルバイトを探すことができるWEB版「an」。バイトの検索方法は、地域を選び、チェックボックスに希望の条件を入力するだけ。自分にピッタリのバイトに出会おう!
BACK NUMBER
東京03(トウキョウゼロサン)
写真左 / 豊本明長(とよもとあきなが)
1975年6月6日生まれ、愛知県出身。
写真中央 / 飯塚悟志(いいづかさとし)
1973年5月27日生まれ、千葉県出身。
写真右 / 角田晃広(かくたあきひろ)
1973年12月13日生まれ、東京都出身。
2003年にトリオ結成。2009年に「キングオブコント2009」で優勝。DVD「第16回東京03単独公演『あるがままの君でいないで』」が2014年12月24日に発売された。プロダクション人力舎所属。