マカロニえんぴつ|ひさびさのライブハウスツアーをWOWOWで生中継 音楽を心から楽しみ、ユートピアへ誘う

マカロニえんぴつの全国ツアー「マカロックツアーvol.12 ~生き止まらないように走るんだゾ!篇~」より11月2日に東京・Zepp Tokyoで行われる最終公演の模様が、WOWOWライブおよびWOWOWオンデマンドで生中継される。

「マカロックツアーvol.12 ~生き止まらないように走るんだゾ!篇~」は9月にスタートした、全15公演で構成されるライブハウスツアー。音楽ナタリーではファイナルの生中継に先駆けて、マカロニえんぴつにツアーへの意気込みはもちろん、ライブへの心得や制作現場でのエピソード、登場SEにまつわる秘話などを聞いた。

取材・文 / 天野史彬撮影 / 入江達也

ライブハウスで「ああ、これだ!」

──「マカロックツアーvol.12 ~生き止まらないように走るんだゾ!篇~」の、11月2日にZepp Tokyoで行われるツアーファイナル公演が、WOWOWライブとWOWOWオンデマンドで生中継されます。今はツアーが始まる直前ですが、ライブハウスを回るのはひさしぶりですよね(取材は9月下旬に実施)。

田辺由明(G, Cho) そうなんですよね。ありがたいことに、最近はホールやアリーナでライブをやらせていただくことも多くて。この間イベントで出させてもらったZepp Osaka Baysideがひさしぶりのライブハウスだったんですけど、ライブハウスの音や温度感をひさびさに感じて、あれはすごく楽しかったですね。

はっとり(Vo, G) やっぱり、ライブハウスは演者がエキサイトする音の跳ね返り方をするように設計されているんだよね。ホールは決してバンドの主戦場ではないから、音が飛んでいっちゃったりして慣れるのに時間がかかったけど、ライブハウスはバンドが気持ちよく演奏できる作りになっている。よっちゃんの言う通り、「ああ、これだ!」っていう感覚があった。

長谷川大喜(Key, Cho) 帰ってきた感覚があったね。

はっとり そういう意味で、今回のツアーも楽しみだし、無理矢理盛り上げようとせずとも自然と盛り上がるんじゃないかなっていう気がしています。だから、心配ごとは一切ないです。

マカロニえんぴつ

高野が魅せる

──今年はホールツアーも開催されていましたが(参照:マカロニえんぴつ最大規模ツアーが終幕、初の横アリワンマンで再認識「音楽は生きる糧」)、大会場でのライブを経て感じている変化はありますか?

高野賢也(B, Cho) 会場が大きくなると、大げさに動かないと、小さく見えます。

一同 (笑)

田辺 さすが、音の話じゃなかった(笑)。でも大事なことだよね。

──それこそ、高野さんのライブでの動きの豊かさって、配信ライブも増えたこの状況だからこそ世の中に知れ渡っている部分もあるかもしれないですよね。“動くベーシスト”であることに対してこだわりはありますか?

高野 やっぱり、はっとりは歌っていて、大ちゃんはキーボードで固定されているし、よっちゃんはコーラスをやるし、そう考えると、僕が動かないのは、ちょっと……。

長谷川 いいんだよ(笑)。

高野賢也(B, Cho)

高野 なんというか、自分がベースを始めた頃の印象のままな気がするんですけど、ベースって、ほかの楽器に比べて目立たない楽器なんですよね。フレーズというよりも、ルートを弾く楽器だし。なので音で目立つよりも、動いたほうが注目されるのかなって思ったんですよね。目立ちたいのかなあ……。

一同 (笑)

はっとり まあ、レーベルの先輩の田淵(智也 / UNISON SQUARE GARDEN)さんも動くしね。

高野 うん。ステージが広くなっていくと、動きたくなります。“聴かせる”というより、“魅せる”ライブをしたいなっていう気持ちがあるので。

はっとり 柴犬みたいだな。公園にいたら走りたくなるっていう(笑)。でも、賢也が動くのは昔からだもんね。デビュー前、新宿Marbleとかでやっていた頃の映像を観ても、めちゃくちゃサイドステップ踏んでるもん。

長谷川 そんなにスペースないのに、必死に動いてたよね。

高野 今後、楽器もワイヤレスにしたいなって思ってます。もう、シールドを3本くらいダメにしてしまっているので。

──(笑)。音の面に関しては、ホール公演を経ての変化はありますか?

高野 そうですね。ホールの音作りには関しては、PAの方にいろいろアドバイスをもらったりして。アンプを変えたり、ベースそのものを変えて音の変化を伝えやすくするように試みたりしたんです。そういう経験を経て、ライブハウスでの音作りも今回のツアー中に変わっていくと思います。

はっとり このバンドの俺以外の3人の素晴らしいところは、自分たちが慣れ親しんできたことを優先するのではなく、あくまでもクオリティの高いものをお客さんに届けようとするところ。そのために環境に順応していくのは素晴らしいことだと思う。だから、ホールツアーを経て、よりスキルは上がったんじゃないかと実感してますね。集中力と冷静さが培われたというか。勢いだけでは誤魔化せない環境だったから。