「君が好きで会いたい」のはそもそも当然
──新たなサウンドアプローチで言うと、ロカビリーの要素を感じる「irony」が気になりました。
渋谷 「irony」はメンバーとロックンロールナンバーを聴いて、ゼロから作った楽曲です。うちのバンドは音楽オタクがいなくて、歌詞に基づいて音を作る集団だと思っていて。「こういうサウンドアプローチがしたい」と思ってから曲を作ることは今回が初めてでした。
柳沢 いつも直感でワーッと作っていって、あとから「アプローチをどうしようか?」って考える感じだったもんね。今回はその逆で、サウンドやリズムのアイデアをまず出して、それをどうまとめていこうかっていう作り方で。
──軽やかな楽曲に乗せた歌詞では、報われない恋愛がつづられていますね。
柳沢 楽しい楽曲だからこそ、こういう歌詞が乗っけたくなるというか。個人的に、恋の歌はリアルなほうがいいなと思ってて。もう30歳前後のメンバーが所属するバンドですし、なんか「君が好きで会いたい」のはそもそも当然だから、それがいい悪いとかじゃなくて、自分たちには合わないと言うか。ホントに恋愛相談をするときって、もっと具体的なことをしゃべってるよなと思って。そんなリアルを歌いつつもマジすぎないトーンにしたくて、皮肉を意味する「irony」っていうタイトルを付けました。
渋谷 自分がフロントに立たせてもらう中で、こういう楽しい曲はたくさんあったほうがいいなと思ったんです。SUPER BEAVERは楽しい曲をやるからって、メッセージが薄れるようなバンドではないから。「新たなアプローチをしたい」っていうミニアルバムのコンセプトを提案したのもそこに通じますね。
柳沢 ミニアルバムの形態がいいっていうのも、ぶーやんがこだわってた部分だよね。
渋谷 うん。今まではフルアルバムを連続してリリースしてきたけど、俺はリスナーとして、年に一度フルアルバムを出されると、その1枚に対する、1曲1曲に対する思い入れが薄れてきちゃうなと思ったんです。もし俺らの曲しか聴かない人だったら1年に1枚でも別に多くはないと思うんですけど、もちろんほかのアーティストの曲も聴くと思うから。だとしたら俺らのアルバムをその1年間でいったい何回聴いてもらえて、どれだけ自己投影してもらえるのかなって。そう考えたときに、フルアルバムを連発してきたからこそ、ここで過去の作品を含めて吸収してもらう時間がどうしてもほしかったんです。
嘘偽りなく「真ん中のこと」と言えること
──リスナーにとってはSUPER BEAVERの新しい一面を知れて、もしかしたら出会ったことのない音楽を楽しめるミニアルバムになりそうですね。
渋谷 そうですね。手数が増えたなと思います。同じスピード感のストレートパンチをずっと打ち続けてても、まあ響くには響くんでしょうけど、その前にフェイントやフックがあったほうが、本気の決めパンチは響くと思うんですよね。
──ストレートだけではなく。
渋谷 まあ、伝え方や言いたいことを自分たちの中で曲げてないっていう点ではストレートだと思うんですけど、一本調子であることは避けたかった。僕が一緒にいて面白いと思う人っていうのは、振り幅のある人なんです。真面目な話しかできない人、ふざけた話しかできない人は好きじゃなくて、両方できる人が好きで。ふざけてる人が急に真面目なことを言ったときの響き方とか、真面目な人が急にちょっとふざけたときの響き方っていう二面性はすごく魅力的だと思うから。
柳沢 今回何がすごく大きいかって、この作品に「真ん中のこと」っていうタイトルを付けられたことなんですよね。それはやっぱり今のSUPER BEAVERだからだと思うんです。新たなアプローチを取り入れたとしても、結果的にはストレートなバンドだと思うんですけど、これだけ長いことずっとバンドをやってきて、いろんな人と出会わせてもらって、いろんな場所でライブをやって。僕らが発信するだけじゃなく、そこに聴いてくださる方も思いを届けてくれる状況があったうえでの今作だと思うから。それを踏まえて「ホントにここに、俺たちは嘘偽りがない」っていう意味で「真ん中のこと」って言えるのはすごくいいことだし、SUPER BEAVERの強みだなって思います。
──そんな今作を携えて、9月15日からリリースツアーが始まりますね。前半はツーマンライブ形式です。
柳沢 僕らが純粋に「カッコいいな」って思う人たちと一緒にやりたという気持ちでツーマンライブにしました。相手が俺たちのことを「カッコいい」と思ってくれなかったら成り立たないことなので、その1本1本がどんなライブになっていくのかすごく楽しみですね。
──ツアーファイナルは、東京・Zepp Tokyoでの2DAYS公演ですね。
渋谷 Zepp DiverCity TOKYOではやったことがあるけど、Zepp Tokyoは初めてだし、ファイナルを2日間同じ場所でやるっていうのも初めてで。たくさんの人に観てもらえるステージだと思いますが、特に気張りすぎず、いつも通りのいいライブをしたいです。僕ら、年々ピュアにまっすぐになってきてると思うので、観に来てくださる方と思いっきり対峙できたらいいなと思ってますね。
- SUPER BEAVER「真ん中のこと」
- 2017年9月6日発売 / [NOiD] / murffin discs
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初回限定盤 [CD+DVD]
2322円 / NOID-0021 -
通常盤 [CD]
1998円 / NOID-0022
- CD収録曲
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- ファンファーレ
- 正攻法
- ひなた
- irony
- 贈りもの
- それくらいのこと
- 初回限定盤DVD収録内容
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2017年4月30日@日比谷野外大音楽堂「都会のラクダSP~ラクダビルディング~」ダイジェスト映像
- 美しい日
- ひなた
- 生活(Acoustic Ver.)
- 青い春
- 27
- 東京流星群
- SUPER BEAVER「真ん中のこと」Release Tour 2017 ~ラクダの、中心~
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- 2017年9月15日(金)
千葉県 千葉LOOK(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER - 2017年9月16日(土)
神奈川県 F.A.D YOKOHAMA
出演者 SUPER BEAVER / SCANDAL - 2017年9月20日(水)
京都府 KYOTO MUSE
出演者 SUPER BEAVER / 10-FEET - 2017年9月23日(土・祝)
高知県 X-Pt.
出演者 SUPER BEAVER / SiM - 2017年9月24日(日)
愛媛県 WstudioRED
出演者 SUPER BEAVER / SiM - 2017年9月26日(火)
山口県 周南RISING HALL
出演者 SUPER BEAVER / 夜の本気ダンス - 2017年9月27日(水)
熊本県 熊本B.9 V1
出演者 SUPER BEAVER / 夜の本気ダンス - 2017年9月29日(金)
鹿児島県 CAPARVO HALL
出演者 SUPER BEAVER / HEY-SMITH - 2017年10月1日(日)
岡山県 YEBISU YA PRO
出演者 SUPER BEAVER / HEY-SMITH - 2017年10月2日(月)
兵庫県 MUSIC ZOO KOBE 太陽と虎
出演者 SUPER BEAVER / THE BACK HORN - 2017年10月6日(金)
群馬県 高崎club FLEEZ
出演者 SUPER BEAVER / coldrain - 2017年10月7日(土)
長野県 NAGANO CLUB JUNK BOX
出演者 SUPER BEAVER / BLUE ENCOUNT - 2017年10月9日(月・祝)
石川県 金沢EIGHT HALL
出演者 SUPER BEAVER / BLUE ENCOUNT - 2017年10月20日(金)
茨城県 mito LIGHT HOUSE
出演者 SUPER BEAVER / ROTTENGRAFFTY - 2017年10月21日(土)
栃木県 HEAVEN'S ROCK Utsunomiya VJ-2
出演者 SUPER BEAVER / ROTTENGRAFFTY - 2017年10月22日(日)
埼玉県 HEAVEN'S ROCK Kumagaya VJ-1
出演者 SUPER BEAVER / 爆弾ジョニー - 2017年11月4日(土)
広島県 広島CLUB QUATTRO(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER - 2017年11月5日(日)
福岡県 DRUM LOGOS(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER - 2017年11月11日(土)
新潟県 新潟LOTS(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER - 2017年11月12日(日)
宮城県 SENDAI CLUB JUNK BOX(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER - 2017年11月14日(火)
北海道 cube garden(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER - 2017年11月18日(土)
香川県 高松オリーブホール(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER - 2017年11月19日(日)
大阪府 なんばHatch(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER - 2017年11月25日(土)
愛知県 DIAMOND HALL(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER - 2017年12月15日(金)
東京都 Zepp Tokyo(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER - 2017年12月16日(土)
東京都 Zepp Tokyo(※ワンマンライブ)
出演者 SUPER BEAVER
- 2017年9月15日(金)
- SUPER BEAVER(スーパービーバー)
- 2005年に渋谷龍太(Vo)、柳沢亮太(G)、上杉研太(B)、藤原“29才”広明(Dr)の4人によって東京で結成されたロックバンド。2009年6月にEPICレコードジャパンよりシングル「深呼吸」でメジャーデビューする。2011年に活動の場をメジャーからインディーズへと移し、年間100本以上のライブを敢行。2012年には自主レーベル「I×L×P× RECORDS」を立ち上げる。2013年、東京・shibuya eggmanのスタッフ・YUMAが「mini muff records」内に発足させたロックレーベル[NOiD]とタッグを組み、精力的にツアーや自主企画を開催。バンド結成10周年の節目に当たる2015年4月1日にフルアルバム「愛する」をリリースし、2016年4月にはバンド史上最大規模のワンマンライブを東京・Zepp DiverCity TOKYOにて開催。6月にフルアルバム「27」を発表し、10月にZepp DiverCity TOKYO公演の様子を収めたライブDVDと渋谷による書き下ろし小説「都会のラクダ」をパッケージした「10th Anniversary Special Set『未来の続けかた』」を発売した。2017年1月にニューシングル「美しい日 / 全部」を発表し、4月からは渋谷がニッポン放送「オールナイトニッポン0(ZERO)」のパーソナリティを担当。9月には新作ミニアルバム「真ん中のこと」をリリースする。