音楽ナタリー Power Push - SHE'S

成長遂げた2015年を締めくくる「She'll be fine Vol.6」

東名阪ツーマンのきっかけ

──12月に行われる自主企画「She'll be fine」は東名阪ツーマンという形で行われます。このアイデア自体はいつぐらいから?

今年に入ったあたりで、ぼんやりと「ツーマンツアーを年末にやりたいな」ってメンバーと話をしてたんです。

──どんなきっかけがあったんでしょうか?

井上竜馬(Vo, Key, G)

去年、僕らは初めての全国流通盤を出して初ワンマンも成功させて……大成功と言える1年にできたと思ったんです。でも同時に、今年2枚目の作品を、2度目のワンマンをってなると2014年とはまた状況が違ってくるなという不安も感じて。昨年は「初めての」ってことで昔から応援してくれてた人が喜んだり、話題にしてくれる人がいたりしたけど、今年はそこをつなぎ止めつつ、さらに新しいステップに行くわけだから絶対に簡単じゃないなって思ってて。

──確かに。

だからスタジオでメンバーと「自分たち発信で何かやらないと」みたいな話をしてて。やっぱり勢いを止めたくなかったので、5月にミニアルバムをリリース、6月にワンマンって話が決まった段階で事務所と「12月ぐらいに企画を打ちたい」って話をしました。

──ツーマン形式にした理由は?

はい。ワンマンライブをこのタイミングでやるのは違うなと思ってたんです。かといってめちゃくちゃ誘って複数組で一緒にやるより、競演する意味を感じられる相手とツーマンでやりたいなって。

Ivy to Fraudulent Gameは「似てる」

──ここからは対バンアーティストについてお話を聞かせてください。まずは初日公演、12月8日の大阪・Shangri-Laで対バンするIvy to Fraudulent Gameについてですが。

井上竜馬(Vo, Key, G)

Ivy(Ivy to Fraudulent Game)とは、半年前ぐらいに初めて対バンして、そこから競演する機会がグッと増えました。メンバーは僕より年下だけど、音楽に対する姿勢や考え方がすごく似てるなって思うんです。彼らは表向きには出さないけど、内側はめっちゃ燃えてるようなヤツらで、そういう部分がすごく好きで。ライブも「くそ!カッコいいな」ってものを見せつけられたので、改めて自主イベントの対バン相手という形で「噛み砕きたいな」と思ってます(笑)。

──あははは、SHE'Sの地元である関西で(笑)。

人気者の後輩をこっちまで呼んでちょっと砕いておかないとなって(笑)。

──Shangri-Laがどんな修羅場になるか楽しみです(笑)。SHE'SとIvy to Fraudulent Gameはどちらも内省的な歌詞や繊細なメロディ、そして内に秘めた感情をエモーショナルに発露していくスタイルで、お互い共通点は多いですよね。

そうですね。僕は正直な音楽が好きというか……わかりやすい歌詞でなくてもライブを通じてメッセージを伝えられるようなバンドが好きで。それは僕ら自身もそうだし、Ivyと共通してるなと思います。それに彼らのパフォーマンスは自分たちの理想のライブ像でもあるかなと。

2015年の最多競演者Goodbye holiday

──12月10日の愛知・APOLLO BASEにはGoodbye holidayが登場します。

井上竜馬(Vo, Key, G)

グッホリとは去年の2月に対バンしたのが最初で、その後は今年の2月に渋谷のライブでご一緒したり、僕らのリリースツアーにも出てくれたりして。ツアーでは6公演ぐらい一緒だったので、すごく仲よくなっていきましたね。年齢的には先輩なんですけど、いい意味ですごく同い年に近い感覚で話してくれるお兄ちゃん的存在で、でも僕らのライブをいつも同じ目線で観てくれている。彼らとライブすることで僕らの気持ち的にも盛り上がるし、何より彼らはメジャーデビューをした人気者なので、ここはぜひ噛み潰したいなと(笑)。

──彼らも(笑)。

潰したいですねえ(笑)。グッホリとは今年一番多くライブをやってきたこともあって、僕らにとって彼らとの競演は思い入れが強いんです。今年を締めくくるには欠かせない対バン相手だなと思います。

──Goodbye holidayは今年4月にエイベックスからメジャーデビューしましたが、彼らがメジャー入りしたことで何か感じたことはありますか?

デビューする前のライブとしたあとのライブでは、なんかたたずまいが違うというか堂々としてるなと思いますね。自分たちの現状や立ち位置を理解した上でステージに臨んでるし、一見ラフに見えて、実はすごく集中したライブをやるようになったなと。

井上竜馬(Vo, Key, G)

──その姿勢からSHE'Sも何かしらの刺激は受けた?

はい。彼らもそうですが、同世代のバンドやよく一緒にやってる人たちがメジャーデビューするのを見ると、みんな目に見えて変化があるんですよね。だから僕らも今のうちに彼らからライブの姿勢や楽曲制作の仕方とかいろんなものを吸収できればと思っています。焦らないでちゃんと見ていきたい。

自主企画イベント She’ll be fine -chapter.6-
2015年12月8日(火)大阪府 Shangri-La
出演者
SHE'S / Ivy to Fraudulent Game
2015年12月10日(木)愛知県 APOLLO BASE
出演者
SHE'S / Goodbye holiday
2015年12月18日(金)東京都 下北沢GARDEN
出演者
SHE'S / ココロオークション
ミニアルバム「WHERE IS SHE?」2015年4月29日発売 / 1728円 / BLUE ALBUM / QFCS-1010
「WHERE IS SHE?」
収録曲
  1. Change
  2. Night Owl
  3. L&F
  4. Evergreen
  5. Long Goodbye
  6. Back To Kid
  7. All My Faults
SHE'S(シーズ)
SHE'S

井上竜馬(Vo, Key, G)、服部栞汰(G)、広瀬臣吾(B)、木村雅人(Dr)からなる4人組ピアノロックバンド。2011年の結成から地元大阪を中心に活動を続け、2012年に行われた「閃光ライオット2012」ではファイナリストに選出された。2014年7月に初の全国流通盤となるミニアルバム「WHO IS SHE?」を発表し、2015年5月には2ndミニアルバム「WHERE IS SHE?」をリリース。12月には東名阪ツーマンツアー「She'll be fine -chapter.6-」を開催する。