ナタリーが主催する7ORDERのライブイベント「7ORDER × ナタリー Happy Jack!」が12月7日、8日に東京・TOKYO DOME CITY HALLで開催される。
「7ORDER × ナタリー Happy Jack!」は7ORDERにとって初となるツーマンライブ。公演実施にあたってナタリーから競演相手を7ORDERに提案し、7日にはthe telephones、8日にはSHE'Sを迎えてライブを行うこととなった。
音楽ナタリーではライブ開催を前に、2組のメンバーが話す場をセッティング。7ORDER安井謙太郎(Vo)&真田佑馬(G)×SHE'S井上竜馬(Vo, Key)&服部栞汰(G)、7ORDER諸星翔希(Sax)&森田美勇人(B)×the telephones石毛輝(Vo, G, Syn)&岡本伸明(Syn, Cowbell, Shriek, Cho)という4名ずつの組み合わせで語り合ってもらった。
取材・文 / 中川麻梨花撮影 / 曽我美芽
ライブ情報
7ORDER × ナタリー Happy Jack!
- 2022年12月7日(水)東京都 TOKYO DOME CITY HALL
<出演者>
7ORDER / the telephones - 2022年12月8日(木)東京都 TOKYO DOME CITY HALL
<出演者>
7ORDER / SHE'S
7ORDER × SHE'S
友達が欲しい
──4人は同年代なんですよね?
真田佑馬(G / 7ORDER) 僕とSHE'Sのお二人は同学年だと思います。92年生まれですよね?
井上竜馬(Vo, Key / SHE'S) そうです。同い年。
安井謙太郎(Vo / 7ORDER) 僕だけ1つ上ですね……。
井上 でも、1つ上なんて微差ですから(笑)。同年代です。
──この対バンが決まったときの率直な心境はいかがでしたか?
真田 すごくうれしかったです。個人的にもよく聴いているバンドなので、「あっ! SHE'Sだ!」って。メンバーみんな同じ反応でしたよ。
安井 「マジですか!」って。
井上 知ってくれているもんなんですね。
真田 もちろんですよ!
安井 僕らは対バン自体が初めてで。
井上 えっ、そうなんですか?
真田 フェスもこの前初めて出たんですよ。
安井 ずっと僕らが言っていたのは……「友達が欲しい」(笑)。僕らは7ORDERとして活動して4年目なんですけど、これまでずっとワンマンをやっていて。コロナ禍もあったので、メンバー以外と会う機会がないんですよ。
真田 独立国家ができあがっている(笑)。
──いつか対バンをやってみたいという気持ちはあったんですか?
真田 むしろずっと言ってましたよ。「早く俺らは島から出ないと」って。
井上・服部栞汰(G / SHE'S) はははは。
安井 「鎖国しちゃってるから出ないと!」って(笑)。でも、友達がいないから声もかけられなくて、どうしようみたいな。だから今回のような企画は本当にありがたいですね。
井上 僕らは最初、このライブがどうなるか想像できなくて。言うたら、畑が違うじゃないですか。どうなるんやろなあ、楽しそうやからやろうって(笑)。単純に僕はライブを観るのが好きやから、7ORDERのライブがどんな感じなのか気になったし。新しい友達ができるのもうれしいです。
服部 うん、いろんな人とライブをやりたいなって。
曲の作り方の違い
──お互いの音楽に対する印象はいかがですか?
安井 音楽もミュージックビデオも一貫して世界観がきれいだなというイメージがSHE'Sにはあります。スッとしていてクールな感じの方々なのかなと思ってたんですけど、今日会ったらすごく話しやすくて。
真田 きれいというイメージはあるよね。SHE'Sの「追い風」を初めて聴いたとき、俺ってきれいなんじゃないかと思えてきて(笑)。
一同 ははははは。
真田 街を歩きながら、みんな俺を見てるんじゃないかって。
井上 どういう感性なん(笑)。
真田 街の情景がきれいに映って、すごく素敵な音楽だと思います。
井上 昨日7ORDERの東京ガーデンシアターでのライブを観に行かせてもらったんですけど、バンドよりも自由度が高いなと思いましたね。
服部 演出もすごかった。バンドがあってダンスもあって、ライブ1本を通してすごく楽しませてくれる。
井上 あれ、ずるいよな? 「あんなんカッコええやん」って思った(笑)。バンドもダンスもできて、全員が歌えて、かつ楽曲も色とりどり。バンド感がガッツリある曲もあれば、海外のトレンドのポップスを感じられるような曲もあって。
真田 僕らの場合、音楽以外のところからファンになってくださった方も多いと思うんです。だからこそ音楽の多様性というところは心がけていて、「誰が聴いても嫌いじゃない曲を作る」というのも意識しています。でも、3月に出す3rdアルバムでは自我を入れたくなってきちゃったんですよ。それまでは嫌われないように、きれいな世界線の中で生きられるように、そんなに強いワードは入れず、最後は報われるような歌詞を考えてきたんですけど、もう3枚目だしそろそろっていう……。
井上 7ORDERは曲を提供してもらいながら、自分たちでも曲を作っているんですよね?
真田 そうですね。それぞれの“シーン”に意味合いを持たせようというのは話してます。
安井 僕らは「ライブをやりたい」というところからスタートしたグループなので、「ライブを考えたときに、この曲の次にどういう世界観の曲があったらいいかな?」と考えることが多いんです。物語として次のシーンがこうであってほしいなっていう、頭の中で描いている絵が最初にあるかもしれないですね。映画みたいな。
井上 なるほど。僕は最初ライブがやりたいというよりは、作曲をするのが趣味でバンドを組んだので、そう考えると曲の作り方が違って面白いですね。僕らはライブを意識して作るというよりは、どういうアルバムを作るかに重きを置いていて、極論、ベストな作品ができれば全曲ミドルテンポとかスローのバラードでもいいと思っているので。
真田 気になってることがあるんですが、デモをメンバーに聴かせるときはどんな感じなんですか?
井上 Dropboxで共有してますね。メンバー全員とレコード会社の人と事務所の人がいるLINEのグループで「Dropboxに入れました」って報告して、家でそれぞれ聴いてもらって。デモの段階では楽曲のベースラインだけ入れて、そこから皆さん自由にアレンジしてくださいという感じです。
真田 ステムで送ってるんですね。
井上 1回、めちゃくちゃ暗いバラードを書いてギターのアレンジをお願いしたら、栞汰からすっごい陽気なギターが返ってきたことがあって(笑)。「これはボケかな?」って思うくらい。「どうしたんやろう?」と思って、「申し訳ないけど、陽気すぎるから抑えられる?」と言ったら、「あっ、ごめん。俺昨日ジョン・メイヤーのライブ行ってて、それが出てもうたわ」って(笑)。
一同 ははははは。
井上 ジョン・メイヤーが乗り移ってたらしゃあないわって。
服部 あれは出ちゃったな。
安井 「出ちゃったわ」って笑い合える関係性、いいですね。同級生っぽい(笑)。
バンドがよくなるためのケンカ
──お互いに気になる曲はありますか?
安井 僕、SHE'Sに出会った曲は「月は美しく」でした。
井上 へえー!
安井 Apple Musicのオススメで出てきて、再生してみたら「めっちゃいい!」と思って。
真田 僕は「Ugly」ですね。SHE'Sにはきれいなイメージがあるからこそ、ダークなサウンドがきたときにビビッときて。
井上 「Ugly」はApple MusicのSHE'Sのトップソングの中でも上位ではないんですけど、ずっとライブでやってますね。俺が好きっていう理由だけで(笑)。僕は7ORDERの曲の中でも「カシス」や「Feel So Good」が好きやな。サウンド的に。
服部 僕は「LIFE」が好きですね。あれはLOCAL CONNECTのDaikiくんの提供曲なんですよね?
真田 そうですそうです。
服部 大阪にいたときからLOCAL CONNECTとは一緒にライブをやっていて。
真田 そうか、LOCAL CONNECTは京都出身だから。
服部 Daikiくんは「Sabãoflower」の作詞にも参加していますよね?
真田 そうなんです。Daikiくんは京都から東京にも遊びに来てくれて。
安井 僕の家に来ました。
真田 泊まってたもんね。
井上 そんな仲なんや(笑)。
真田 Daikiくんは「適当に始発で帰るよ」って言ってたんですけど、「あなた関西でしょ!?」って。
安井 「じゃあ家来ます?」と(笑)。一緒に家で話しましたね。ながつ(長妻怜央)も来たんだっけな?
真田 ながつも行ってたよ。
安井 なぜか付いて来て(笑)。
井上 一緒にいたかったんやろうなあ(笑)。
安井 3人でカップラーメン食べました。
服部 (笑)。7ORDERってめっちゃ仲よさそうですよね。
真田 でも、全然ケンカとかしますよ。この前もツアー中にケンカしましたし。
井上 それは音楽のことで?
安井 はい。ライブのことでしたね。
真田 マインド論みたいな。
井上 バンドがよくなるためのケンカですよね。それはあんまりケンカっぽくないというか。
真田 あとメンバーがキレる理由は、「なんで俺をごはんに誘わなかったの!」とか(笑)。だってその場にいなかったじゃんっていう。
井上・服部 (笑)。
──7ORDERってライブのセットリストはすんなり決まるんですか?
真田 決め方がいろいろありますね。今回のツアーはコンペ形式だったんですよ。
安井 みんな1回自分で思うセトリを考えてきて、その中で「このメンバーの案を中心にしつつ、この人のここはいいな」と組み立てていく。
真田 みんな具体的に書いてくるんですけど、うちの阿部顕嵐は「今回の感性は……」みたいなことだけを(笑)。
安井 ワードを出して、「今回はこういう感じでいきたい」って。いや、どういう感じだよって(笑)。
真田 「気品」みたいな。
井上 曲を選ぶところまではちょっと時間なかったのかな(笑)。
安井 SHE'Sはどうやってセトリを決めてるんですか?
服部 ワンマンはみんなで曲をバーッと出して選んでいきますね。
井上 フェスや対バンの短い尺のライブは、基本的にベースの(広瀬)臣吾がセトリを考えていて。そこに対して僕がやりたいことがあれば「これをやりたい」って言う感じかな。
真田 持ち場があるんですね。
井上 持ち場がなかったら臣吾は何もしないんで(笑)。
服部 言うてもせえへんからな(笑)。
井上 栞汰はグッズ担当で。最終的には4人でデザインを決めるんですけど、その前段階の話し合いをやってもらってますね。
服部 ドラムのキム(木村雅人)は何も担当してない(笑)。
井上 でも、キムは一生懸命練習しているから。
安井 一番大事!
井上 ほぼ毎日スタジオ入ってるし。がんばってるならええかって(笑)。
服部 ストイックですよ。移動中も寝ながら指でリズムを取ってて。カチカチうるさいねんけどっていう(笑)。
真田 すごい!(笑)
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諸葛孔明やん!