go!go!vanillas牧達弥×フレデリック三原健司×Saucy Dog石原慎也×SHE'S井上竜馬座談会

go!go!vanillasが3月から5月にかけて全国ツアー「青いの。ツアー 2022」を開催する。

「青いの。ツアー 2022」は、go!go!vanillasが3月30日にリリースするニューシングル「青いの。」をタイトルに冠して行う全11公演の全国ツアー。東名阪3都市でそれぞれ2日ずつライブが行われ、各1公演が対バンライブとして開催される。対バンライブには、3月16日の東京・Zepp Haneda(TOKYO)公演にSaucy Dog、3月24日の愛知・Zepp Nagoya公演にSHE'S、4月10日の大阪・なんばHatch公演にフレデリックが出演する。

本ツアーの開催に際して、音楽ナタリーでは牧達弥(go!go!vanillas)、三原健司(フレデリック)、石原慎也(Saucy Dog)、井上竜馬(SHE'S)の座談会を実施。4人に出会いの経緯やコロナ禍においての音楽活動事情、それぞれのバンド観などをざっくばらんに語り合ってもらった。

また特集後半では、「青いの。」の歌詞に登場する「青い春」という言葉にちなみ、4人が青春時代の思い出の1曲を紹介する。

取材・文 / 酒匂里奈撮影 / 梁瀬玉実

頼れる兄貴肌

──まず三原さん、井上さん、石原さんに、go!go!vanillasとの出会いについて伺わせてください。

三原健司(フレデリック / Vo, G) 2014年の「スペシャ列伝」かな?(参照:列伝にgo!go!vanillas、フレデリックらニューカマー集結

牧達弥(go!go!vanillas / Vo, G) よく覚えてるね。

三原 バニラズとはそのときまで話したことなかったんですけど、「スペシャ列伝」で楽屋が一緒になって。いろいろ話していくうちに同い年とわかって意気投合して、ライブを観て「めっちゃいいやん」と思ったんです。そこからフェスでよく会うようになり、バニラズとフレデリックとKidori Kidoriで、1989年生まれのバンドマンだけのスリーマンもやって(参照:Kidori Kidori主催「1989」にフレデリック、go!go!vanillas)。付き合いは長いですね。

 周りに1989年生まれがあまりいないんですよ。夜ダン(夜の本気ダンス)もそうかな?

三原 そうそう。あとはtricotの(中嶋)イッキュウ(Vo, G)さん。バンドのメンバー全員が同い年っていうのはほとんどないですね。

左から牧達弥(go!go!vanillas)、三原健司(フレデリック)、石原慎也(Saucy Dog)、井上竜馬(SHE'S)。

左から牧達弥(go!go!vanillas)、三原健司(フレデリック)、石原慎也(Saucy Dog)、井上竜馬(SHE'S)。

──石原さんとバニラズとの出会いは?

 慎也との出会い、いつだろう。

石原慎也(Saucy Dog / Vo, G) 豊洲PITじゃないですか?(参照:雑誌「HEREmag」主催イベントにブルエン、バニラズ、サウシー、Hump Back

 俺、いつかの「RockDaze!」でも見かけた気がするんだよな。直接話してはないけど、ライブを観て「すげえいいボーカルやな」と思った。

石原 うれしいです。俺、実は最初は牧さんのこと怖い人だと思ってました。

 ええ! 俺も、「この人ガッツリ拡張ピアスしてて怖いな」と思ってたんですけど(笑)。

石原 ははは(笑)。俺は当時すっごく人見知りだったので、あまり先輩としゃべれないことが多かったんです。だから牧さんとも、ちゃんと話したのはけっこう最近ですよね。

 初めてごはんに行ったの、去年だもんね。

石原 そのときにかなり打ち解けましたよね。と、僕は思ってます(笑)。

 打ち解けた打ち解けた。そのときは全然緊張してる感じしなかったね。

──続いて井上さんはいつ頃バニラズと出会いましたか?

 竜馬は「JAPAN'S NEXT」かな(参照:「JAPAN'S NEXT」にバニラズ、おいしくる、SHE'Sら)。

井上竜馬(SHE'S / Vo, Key) うん。LIQUIDROOMの裏口を出て、帰りに進太郎(go!go!vanillasの柳沢進太郎[G])が「千鳥が好きや」って話してたのを覚えてる。

 懐かしい。

井上 そのあと自分たちのツアーに呼ばせていただいて(参照:SHE'Sの全国ツアー対バンゲストにWEAVER、チェコ、片平里菜)。このツアー、もう4年前か!

 あっという間ですね。

井上 牧くんは連絡をこまめにくれる先輩で、頼れる兄貴肌やなと思ってます。僕が1992年生まれなので3歳差で。

 一人っ子なんですけどね(笑)。だからこそ頼ってもらえるのがうれしいのかもしれない。

コロナ禍に突入した2020年、音楽活動はどう変わった?

──ここからは皆さんにコロナ禍においての音楽活動について伺います。最初の緊急事態宣言が発出されて世の中が一変した、2020年頃を振り返るとどんなことが浮かびますか?

石原 この4組の中で、メンバーがコロナにかかったのはうちが最初だと思うんです。俺以外のメンバー2人が感染してしまって。その頃はまだコロナが蔓延し始めた頃で、「本人が普段からちゃんと予防や対策をしていなかったんじゃないか」と思われている感じがしました。“コロナ警察”みたいな人もいっぱいいるし、自分が感染しなくても精神的なストレスは感じましたね。

 2020年の秋ぐらいよな?

石原 そうです。ツアーを回ってる途中で2人がコロナになって、ツアーの3本くらいが中止になって。

 ライブができなくなったり、ライブの予定が立てづらかったり。何かあったら中止、延期になるから当日になるまで安心できなくて、心労がすごいよね。

井上 本当に。「あのライブ、開催できそうなの?」「正直ギリギリにならんとわからへんな」っていうやりとり、100万回くらいしましたね。

三原 俺らもそうやし、お客さんも未知のウイルスに対して怖さを感じてるよね。フレデリックは2020年2月に横浜アリーナ公演をやって、そのときはチケットを買ってくれてたお客さんのうち、2、3割の人は会場に来られなくなって。その公演の2日後にはアリーナ規模のライブの開催自粛要請が出てしまったし。

石原 うちも去年の年始に日本武道館公演をやって、チケットはたくさんの人が買ってくれたけど、実際に足を運んでくれた人は3、4000人くらいでした。

 こればっかりは強要することや咎めることはできないからね。でもライブはやらなきゃいけない。ライブも制作もしないとなると、やることなくなっちゃうし。

石原 コロナ禍になってから、制作はどんな感じでした? 普通にやってました?

 してた。「PANDORA」(2021年3月にリリースされたgo!go!vanillasのアルバム)は、コロナが蔓延し出した頃から作り始めた作品で。

牧達弥(go!go!vanillas)

牧達弥(go!go!vanillas)

──以前のインタビューでは、約1年かけて制作されたとおっしゃってましたよね(参照:go!go!vanillas「PANDORA」インタビュー)。

 そうですね。フェスやライブがバーッと中止になったから、「これは曲を書くしかねえな」という気持ちになって。慎也は2020年はどう過ごしてたの?

石原 なんもしてない(笑)。ずーっとアニメ観てました。

 大学生の夏休みじゃん(笑)。

三原 時間があるとアニメやゲームにハマるよね。

石原 そうそう。ゲームは「あつ森」(「あつまれ どうぶつの森」)と「ゼルダ」(「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」)をずっとやってました(笑)。

 どっちもオープンワールド(画面の切り替えなしでゲーム上のエリアを移動できる仕様)やからな。一生できるよな。

石原 そうそう。

 竜馬は?

井上 2020年の特に前半は、ほぼ曲を書けなかったですね。書きたくても書けなかった。今まで人と会って、人と触れあって、その中で感じたことを曲にしてきたから。「人に会わへんから言いたいこともないしな」という感じで。僕も死ぬほどゲームしてました。

 ゲームやるバンドマンめっちゃ増えたよね。

石原 牧さんはゲームやらないんですか?

 あんまりやらないのよ。「Nintendo Switch」しか持ってなくて。2020年は本当に暇すぎたから「Dead by Daylight」をやってたけど、「Switch」だと動作に限界があって。本当は「PlayStation 5」が欲しいけどずっと売り切れで買えんくて。

井上 ゲーム座談会みたいになってきてる(笑)。

一同 ははは(笑)。

三原 でもゲームにハマってから、メンバー同士が仲よくなったかも。もともと仲悪かったわけではないけど。

石原 ゲームがきっかけではないけど、うちもコロナ禍を経て距離感が変わったことでメンバー同士が仲よくなりましたね。

オンラインライブのクオリティは上がってほしくない

 コロナ禍でオンラインライブってやった?

石原 2回くらいやったかな。

 オンラインライブって、有観客ライブとはだいぶ感覚が違うよね。

井上 オンラインライブという1つのジャンルですよね。どちらかと言うと映像作品を作ってる感覚に近い。

三原 俺らは割り切って面白い映像が作れればいいやという思いでいろいろやったな。せっかくじっくり聴いてもらえる環境やからアコースティック編成でワンマンをやったり、映像チームと組んでガッツリCG入れてみたり。

三原健司(フレデリック)

三原健司(フレデリック)

石原 いいですね。

 俺は今の技術では、画質やリアル感はまだ限界はあると思っていて。もう少し技術が発展したら違ってくるのかもしれないけど。音も納得いく形で届けるのは難しいなと思うし。

石原 正直、音質を含めてオンラインライブのクオリティは上がりすぎないほうがいいなと思ってます。もしもオンラインライブが有観客ライブと変わらないものになってしまったら、有観客ライブの価値が変わってきてしまうから。あとオンラインライブに慣れるまで大変じゃなかったですか? レコーディングっぽいというか、「なんかテンション上がんないな」みたいな気分になるというか。

井上 しゃあないなと思いつつ、まあテンション上がらんときはあったな。ただそれを感じさせないようにしないとなっていうのはメンバーと話してた。あと自分が思ってるよりもカメラ見たほうがええなとか。

 自分ではウザいかなと思うくらいカメラ見ても、映像で見ると意外と普通だよね。

井上 そうそう。僕の場合はピアノを弾いていて、たまに鍵盤を見るために下を向くんですけど、オンラインライブではなるべく前を見るようにしています。下を向いてる瞬間って、カメラで撮られると目を閉じてるように見えることに気付いて。

 僕らは生配信ライブだとちょっと大変で。というのも僕らめちゃくちゃ動くので、「メンバー1人が抜いて映された!」と思った瞬間、もうそのメンバーは映ってないんですよ(笑)。生配信ライブでは動きすぎはよくないな、止まってたほうが絶対にいい映像が撮れるなとは思いましたけど、結局動いちゃいますね。