ナタリー PowerPush - モーモールルギャバン”

ライブ活動休止の理由

「ハイヒールブルース」 PV撮影レポート

4月某日、神奈川県内の漁港にある廃施設を舞台に新曲「ハイヒールブルース」のPV撮影が行われた。

モーモールルギャバン

早朝から夜間まで1日がかりで実施された撮影では、白と銀の内装が目を引く機関室をはじめ、広い倉庫、海を望む屋上、金網で仕切られた空間をライトアップした倉庫が使用された。このPVで監督を担当したのは、サウンドプロデューサーも務めているヨシオカトシカズ。奇抜な衣装を着用したゲイリー・ビッチェ(Dr, Vo)、ユコ・カティ(Key, Vo)、T-マルガリータ(B)の3人は、監督の意向で事前に絵コンテを渡されておらず、ぶっつけ本番のスリリングな演出の中で撮影に臨んだ。現場では「変顔で」「面白い動きを」「クールに」と次々と繰り出される演技指導に、ゲイリーが「これライブより体力使うよね(笑)」と思わず本音を漏らす場面もあったが、3人は高いテンションを保ったままPVシューティングをこなしていった。

カメラの後ろで踊るゲイリー・ビッチェ(Dr, Vo)とT-マルガリータ(B)。

撮影の合間、ゲイリーにこのPVのテーマについて聞くと、「このPVで登場していただく橋本愛さんは『ハイヒールを履くなんて私はまだ早いんじゃないか、どうなんだろう、でも履きたい、でもまだ早い』みたいに揺れ動く気持ちでいる役どころです。そんな思春期の迷いや不安に対して『大丈夫! 履いちゃえよ!』って背中を押すのが我々の仕事です」と説明してくれた。

また機関室での最初のソロテイクを終えたユコに話を聞くと、「個別に撮影したから最初どうしたらいいからわかんなくて(笑)。あんなカッコいいセットだからとりあえずクール系でいくのかなって思ったんだけど……」と振り返る。これについてゲイリーは「監督から『ユコのテンションが低いからなんとかして!』って言われたので、ユコの視界に入るところで(マルガリータと)2人で踊りました(笑)」とユコの撮影中に監督から指示を受けていたことを明かした。ユコは「そう、カメラの後ろで2人がめっちゃ踊ってたから『ああそういう感じなんだ!』って思って。2テイク目からは楽しい感じで撮れました」と話しており、徐々に現場の雰囲気をつかんでいる様子だった。

ゲイリー・ビッチェ(Dr, Vo)

大きな倉庫ではそれぞれの演奏シーンが撮影された。スポットライトと倉庫内に差し込む自然光を使い、時間とともに変化する光量をスタッフが照度計でチェックしてからカメラが回る。機関室でのコミカルなシーンとは対照的にライブパフォーマンスさながらのクールなパフォーマンスを見せる3人。中でもゲイリーは「今回、僕の中のテーマはヘアスタイルが水嶋ヒロで、演技が小栗旬なんで、若干イケメン風にドラムを叩こうと思います」と意気込みを口にしてから撮影に挑んでいた。

スタッフたちと談笑するユコ・カティ(Key, Vo)。

その後、一行は肌寒い海風が吹く夕暮れ時の屋上に移動。スタンバイの段階では雲が夕日を遮っていたが、本番が始まると雲の合間から時折太陽が顔を覗かせ、屋上での撮影は滞りなく進められた。その後金網倉庫へと移動し、PV撮影はいよいよ佳境を迎える。金網倉庫では、3人が歌いながら行進するシーンを何テイクにもわたって撮影。そしてラストはユコが鞭にエナメルスーツの“女王様スタイル”で銅鑼を叩くワンカットと、黒い衣装を着たマルガリータによるベースの演奏シーンが収められ、PV撮影は無事に終了した。

屋上で談笑するモーモールルギャバン。

ゲイリーは撮影を終えたあと「昼間は暖かかったんですけど、夜は寒くてブルブルしてしまいました。いろんな大人を巻き込んでバカなことをやっちゃって申し訳ないなと思いつつも、楽しく撮影できました」と1日を振り返った。さらに「こんな自分にスポットライトを当てていただけていることに感謝しております! 最高のPVになるのかな? まだどういった作品になるのか想像もつかない段階ですけれども、完成が楽しみです。できあがったPVをみんなに楽しんでいただきたいです!」とファンにメッセージを送った。

2ndミニアルバム「モーモールル・℃・ギャバーノ」/ 2014年6月25日発売 / Victor Entertainment
「モーモールル・℃・ギャバーノ」
初回限定盤 [CD+DVD] 4860円 / VIZL-686
通常盤 [CD] 1728円 / VICL-64182
CD収録曲
  1. ハイヒールブルース
  2. クソまみれの僕ら
  3. 最後の青春パンク
  4. 頭が臭いと君に言われ5日ぶりに風呂に入った
  5. 愛のテーマ
初回限定盤DVD収録内容
<ライブ>
  • 「“ライブ活動休止前”ラストワンマンツアー!! 『乱れうち。』からの、『打止め!』」初日の磔磔公演ライブ映像。
<ビデオクリップ>
  • ユキちゃんの遺伝子
  • Hello!! Mr.Coke-High
  • ワタシハワタシ
  • Good Bye Thank You
  • サノバ・ビッチェ
  • LoVe SHouT!
  • MAD MADONNA
  • ハイヒールブルース
モーモールルギャバン
モーモールルギャバン

ゲイリー・ビッチェ(Dr, Vo)、ユコ・カティ(Key, Vo)、T-マルガリータ(B)からなる3ピースバンド。2005年4月に5人編成で活動を開始し、紆余曲折を経て現在の体制となる。関西地区を中心に活動を展開し、インパクトたっぷりのサウンドと破壊力抜群のライブパフォーマンスでリスナーを獲得。2009年11月に初の全国流通作品となるアルバム「野口、久津川で爆死」をリリースする。2010年1月には「第2回CDショップ大賞」関西ブロック賞を受賞。同年6月にミニアルバム「クロなら結構です」をビクターエンタテインメント内のレーベルGetting Betterからリリースする。その後、「僕は暗闇で迸る命、若さを叫ぶ」「BeVeci Calopueno」という2作のフルアルバムやシングル「LoVe SHouT!」を発表。ライブも精力的に行い着実に動員を延ばしていく。2014年5月より制作に集中するためライブ活動を無期限休止中。