ナタリー PowerPush - GREAT HUNTING 15周年記念オーディション「BAND ON THE RUN」
名門新人発掘部によるバンドオーディション徹底解剖
今回はGREAT HUNTINGの出身アーティストであるBase Ball Bearの堀之内大介(Dr, Cho)と、The SALOVERSの古舘佑太郎(Vo, G)にインタビューを実施。現在も第一線で活躍するバンドマン2人にGRATE HUNTINGとの馴れ初めや育成時代のエピソード、メジャーデビューを目指すアーティストへのメッセージなどを語ってもらった。
取材・文 / 倉嶌孝彦
Base Ball Bear 堀之内大介インタビュー
初対面で次の日のデートの話をしてた
──Base Ball Bearはもともと高校の文化祭に出るために組まれたバンドだったそうですが、そこから一歩踏み出して、デモテープを送り始めたのはいつ頃だったんでしょうか?
高校3年になるくらいの頃です。ボーカルの小出(祐介)と一緒にいろんなホームページを見ながら「まず最初にここに送ってみよう」って送ったのがGREAT HUNTINGだったんですよ。そうしたら1週間くらいですぐ返事が来て、溜池山王にある東芝EMIにメンバー4人で行って。そこで加茂さんと初めて会いました。
──初対面ではどんな話を?
そのときは、なぜか翌日に僕のデートがあるって話になっちゃって(笑)。本当は音楽の話をしなきゃいけないのに、3時間ぐらい「明日のデートどうする?」みたいなことを加茂さんと話して終わってしまいました。初対面はそんな感じでしたが、その後も連絡をもらってライブをブッキングしてもらったり、関係は続いていきました。そもそも僕らは高校の文化祭に出るためのバンドだったので、ライブハウス出演の経験がほとんどなくて。「まずはライブハウスに出てみようか」みたいな話をいただいたり、ちゃんとしたレコーディングスタジオでデモを録らせてもらったり。たぶんレコーディングの仕方とか、ブッキングでライブに出るやり方とかをまず最初に知ってほしい、みたいな感じだったんだと思います。
──このときのバンドとGREAT HUNTINGの関係はどういうものだったんでしょうか?
まだ書面は何も交わしてなくて、お金のやり取りもありませんでしたね。加茂さんが面倒を見てくれてるって感じでした。
教えられたのは大人のマナー
──最初にデモテープを送ったのがGREAT HUNTINGだったのはなぜなんですか?
僕らはもともとEMIのアーティストが大好きだったんですよね。ベースの関根(史織)はナンバーガールが好きだったし、小出も中村一義さんとか、椎名林檎さんとか。僕もウルフルズとか氣志團が好きだったし。そういうバンドがみんな所属していたこともあって、バンドでメジャーだったらやっぱりEMIでしょっていうのがあったんです。
──ライブハウスでの経験を積んでいく中で、ほかのレーベルの方に声をかけられたりしたこともありましたか?
そういうこともあったんですけど、「実は僕らEMIの加茂さんに……」って話をすると必ず「あー、じゃあ大丈夫です」ってなるんですよね(笑)。当時はどうしてそういう反応が返ってくるのか、わかりませんでしたけど。
──それまで高校生4人だけでやっていたところにGREAT HUNTINGの人が入ってきて、バンドに変化は生じませんでしたか?
衝突みたいなことはなかったですね。僕らはまだバンドを組んで日が浅かったから、まだそこまでアイデンティティみたいなものがなくて。だからレーベルから見たら下地を固めやすいバンドだったんじゃないかと思います。それに加茂さんはサウンドプロデューサーって感じではなくて、新曲を聴かせると「あ、ここいいね!」とか「もうちょっとこうすれば……」とかを言うくらいで。基本的にプレイに関してはノータッチでしたね。それと、個人の話になってしまいますが、僕にはすごく大人のマナーみたいな部分を教えてくれて。
──音以外の部分でも面倒を見てくれていた?
そうですね。映画の試写会に加茂さんと行くときに、僕、寝坊しちゃったことがあったんですよ。それですごい叱られて。そこから時間にはすごく気を付けるようになりました(笑)。ライブとかアーティストが集まるパーティとかに連れて行ってもらったり、出会いのきっかけをいっぱい作ってくれました。
──技術的なアドバイスというより、バンドのバックボーンを鍛えてもらっていたんですね。
「いろんな曲を聴け」っていうのもすごく言われてたんですよ。「自分の好きな音楽をどれだけ演奏に還元できるかっていうのがバンドだ」っていうような話を当時よくしていました。選り好みせず、なんでもまずは手に取って音を聴いてみるっていうのは今でもブレずにやってます。そうすることでバンドの地力が強くなっていくわけですから。
次のページ » 「今日ダメだったら、もう見切る」
GREAT HUNTING 15周年記念オーディション「BAND ON THE RUN」
- <応募条件>
- 12月14日に東京・原宿アストロホールで行われるライブ審査に参加可能であること。バンドであれば、音楽性、編成、年齢は問いません。
- <審査員>
- 亀田誠治 / 木村豊 / 島田大介
- <審査スケジュール>
- 2014年12月1日:応募締切(12月1日必着)
2014年12月8日:ファイナリスト発表
2014年12月14日:東京・原宿アストロホールにて最終ライブ審査
2015年2~4月:レコーディング、ビジュアル&ビデオ作成
Base Ball Bear(ベースボールベアー)
小出祐介(Vo, G)、関根史織(B, Cho)、湯浅将平(G)、堀之内大介(Dr, Cho)からなるロックバンド。2001年、同じ高校に通っていたメンバーによって、学園祭に出演するために結成された。2006年4月にミニアルバム「GIRL FRIEND」でメジャーデビューを果たした。2010年1月には初の日本武道館単独公演を実施。さらに全国のさまざまなライブやイベント、フェス出演も精力的に行なう。近年は他アーティストとのコラボレーションも盛んになり、2012年に7月に発表したミニアルバム「初恋」でヒャダインや岡村靖幸と、2013年6月リリースのミニアルバム「THE CUT」では、RHYMESTERや花澤香菜と、それぞれ共演している。2014年6月に約2年7カ月ぶりとなるフルアルバム「二十九歳」を発表した。
2014年11月14日更新