虹のコンキスタドールが7月10日に結成5周年記念シングル「愛をこころにサマーと数えよ」をリリースした。
昨年5月に「結成5周年プロジェクト」を発表して以降、ベストアルバムの発売や全国7カ所を回るライブツアーの開催など、5周年イヤーを彩るさまざまな活動を行ってきた虹コン。その一環として発売されるニューシングルには毎年恒例の夏曲の最新作「愛をこころにサマーと数えよ」や、「Waiting Wedding」「ジャポニジフェス」といったアッパーチューン3曲が収められている。
音楽ナタリーでは的場華鈴、根本凪、鶴見萌、清水理子、岡田彩夢にインタビューを行い、シングルの楽曲のほか、結成5周年を迎えた心境や7月21日に神奈川・神奈川県民ホールで行われる初のバンド編成でのワンマンライブ「RAINBOW JAM 2019」について話を聞いた。
取材・文 / 近藤隼人 撮影 / 佐々木康太
同じところを走っていた時期が何年もあった
──虹コンは7月で結成5周年を迎えますが(取材は4月下旬に実施)、初期メンバーである的場さん、根本さん、鶴見さんとしては5年間を駆け抜けてきた今、どんな心境ですか?
的場華鈴 早かったような、遅かったような……それはメンバーによるのかな。
根本凪 「この5年間をもう1回やれ」と言われたらやりたくないです(笑)。
鶴見萌 まあね、黎明期が長すぎた(笑)。ここ1年は早く感じましたけど、5年間となると長かったですね。
──長く感じたのは5年間が濃かったから?
的場 濃かったのはもちろん、レベル的に同じところを走っていた時期が何年もあったんですよ。変化はあるものの、それが必ずしもいい意味での変化ではないこともあって。
──清水さんと岡田さんは今年で加入して3年になりますが、お二人も長かったという感覚ですか?
岡田彩夢 いや、一瞬でした(笑)。
清水理子 私たちが加入した頃から、いろいろ変わっていったのかもしれないです。ずっと階段を登っていってるイメージで。メンバーの卒業もありましたけど、みんなで前向きにがんばろうという姿勢があって、怒涛の2年間だったと思います。
的場 確かに今の青組のメンバーのしみこ(清水)やだぁやめ(岡田)たちが入ってきてくれたあたりから、停滞しているイメージはなくなりました。
朝から“トライアングルダッシュ”
──これまでの活動で特に印象に残っていることはありますか?
岡田 「虹の大三角形」(2018年5月に東京と大阪で行われたワンマンライブ)ですね。私は「心臓にメロディー」という曲が虹コンの中で大きな存在になっていると思っていて。「虹の大三角形」では「心臓にメロディー」がライブのリード曲みたいな感じだったんですけど、終わったあとに華鈴先輩たち泣いていましたよね。
的場 あはははは!(笑) 号泣してた。
岡田 あと「虹の大三角形」ではメンバーが殺陣を取り入れた振りを考えたんですけど、あのあたりからワンマンライブの構成を自分たちで考えるようになりました。私の中では大きな出来事として記憶の1ページに残っています。
──大きなターニングポイントになったと。
岡田 そうですね。このライブで再出発したという意識があります。
──それ以降は、メンバーがライブの構成やセットリストを考えてるんですか?
清水 メンバーだけで考えているというわけではないんですが、みんな意見を言うようになりました。
──セットリストを考えるときは、何を重視して曲を選んでいるんですか?
清水 ファンの方がいる会場の光景を頭の中で浮かべて、「次にこの曲が来たら盛り上がるだろうな」と考えながら決めてます。
根本 頭の中で1回ライブするよね。
的場 「虹の大三角形」の東京公演「The Story of Rainbow」では短編映画のようなものを撮って、その物語に合う曲をやりました。その前のワンマンライブ(2018年1月に東京・マイナビBLITZ赤坂で開催された「2018 NEW YEAR RE[set1273/start1274])ではリセットとリスタートという2つのコンセプトがあったし、ワンマンのたびにセットリストは違ってくるよね。
──それに対し、対バンやフェスに出たときはアゲ曲ばかり披露していて、いい意味で奇をてらわずにアイドルファンを盛り上げている印象があります。
的場 フェスや対バンで同じ曲をやりすぎて、「本当にこれでいいのかな?」と悩んだ時期もあったんですよ。
根本 (笑)。アイドルが一度は悩むやつ。
的場 でも最近はアゲ曲のレパートリーが増えたし、求められていることがわかるようになってきました。
──キラーチューンである「トライアングル・ドリーマー」は必ずセットリストに入れてますよね。
的場 一時期ファンの方に言われたよね。「『トライアングル・ドリーマー』やりすぎ」って(笑)。
清水 毎回ライブを観てくださっている方は「何百回目だよ!」と思ってるかもしれないですけど(笑)、虹コンの曲で「トライアングル・ドリーマー」だけ知ってる人も多いので、やっぱりやっていくべきかなと。
的場 この曲のイントロが流れ始めた瞬間、遠くからオタクがすごい勢いで走ってくるんですよ(笑)。
鶴見 「TIF」(「TOKYO IDOL FESTIVAL」)の早い時間にこの曲を披露して、朝から“トライアングルダッシュ”を起こしたこともあります。1日の始まりに運動してもらおうと思って(笑)。
ちくわとメロンパンしか食べられなかった
──加入当時を振り返ってみて、変化したところや成長したと思うところはありますか?
清水 やっぱりメンバー全員が意見を言うようになったことですかね。私が加入したときはスタッフさんがすべてを決めていたんですが、華鈴先輩とか意見を言うタイプの人間が意見を言う場に関わるようになって。今は12人みんなで話し合っていて、一番いい状況なのかなと思います。
──的場さんは去年リーダーに就任したんですよね。
的場 もともとリーダー的な立ち位置にいたので、正式にリーダーになったことで大きく変わったことはないんですが、周りの目を意識して「しっかりしなきゃ!」と思うことが増えたし、メンバーのことをよく見るようになりました。わからないこともいっぱいあるんですけど、メンバーのよき理解者でいられればなと思っています。
──ほかのメンバーから見て、的場さんが変わったと思う点はあります?
鶴見 最初の頃とは別人ですよ! ピンクとマイメロが好きな子で、「華鈴ちゃんが悪口を言ったら終わりだよね」と思うくらいただただかわいらしい天使でした。
根本 虹コンの最後の良心みたいな。
的場 あはははは!(笑) 結成当時は13歳の最年少で、その頃は何も考えず、ただ楽しいという感情だけでアイドルをやっていました。今みたいに大きな声ではしゃべらなかったね。
鶴見 それがいつの間にか楽屋芸人みたいになって(笑)。
的場 虹コンでリーダーをやるうえで、静かなままだったらダメだなと思って。おとなしいメンバーが多いし、何かを変えないといけないと考えたんです。まず髪を切って、そのタイミングから自分でもわかるくらい様子がおかしくなりました(笑)。でもどっちも素なので、楽しいです。
──この流れでほかのメンバーの変化についても聞ければと思うのですが、根本さんについてはいかがですか?
的場 ねもちゃんはめっちゃ強くなったなと思います。最初はメロンパンしか食べなかったんです。
根本 ちくわとメロンパンしか食べられなかった。
的場 体力がなくて、メンバーに「栄養を取りなさい」と言われてました。今はでんぱ組.incさんと虹コン両方で活動していて、兼任という道を選んでくれたことがうれしいし、頼もしいです。めっちゃ大変だと思うのに全然弱音を言わないから、すごいなと思います。
──実際、弱音を吐きたくなることはないんですか?
根本 弱音が漏れちゃってることもあると思います。オロロロロって(笑)。でも、それに気付いたメンバーが寄り添ってメンタルケアをしてくれるから、今こうやって生きてます。
──鶴見さんは初期の頃からお姉さん的な立ち位置だったと思いますが、それはずっと変わらず?
的場 萌ちゃんはいい意味で全然変わってなくて。虹コンのことをお姉さん的視線で考えてくれるんです。萌ちゃんに言われて初めて気付くこともあります。
根本 めっちゃ客観視できるんだよね。あと、げんなりしないじゃん? 何があっても萌ちゃんがいい意味でいつも通りでいてくれるから、それにつられて元気になれたところはある。
鶴見 たまに落ち込んだり、ちょっとした気持ちの揺れはあるんですけど、基本的に楽観的というか、明るくいようと思ってますね。
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疲れてると口に梅干しを入れてくれる
- 虹のコンキスタドール「愛をこころにサマーと数えよ」
- 2019年7月10日発売 / KING RECORDS
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初回限定盤 赤盤 [CD]
1200円 / KICM-91948 -
初回限定盤 橙盤 [CD+DVD]
1700円 / KIZM-90619~20 -
初回限定盤 黄盤 [CD]
1200円 / KICM-91949 -
初回限定盤 緑盤 [CD]
1200円 / KICM-91950 -
初回限定盤 青盤 [CD]
1200円 / KICM-91951 -
初回限定盤 藍盤 [CD]
1200円 / KICM-91952 -
初回限定盤 紫盤 [CD]
1200円 / KICM-91953 -
通常盤 虹盤 [CD+DVD]
1700円 / KIZM-621~2
- 収録曲
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- 愛をこころにサマーと数えよ
- Waiting Wedding
- ジャポニジフェス
- 愛をこころにサマーと数えよ-REMIX-①
- CD収録曲
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- 愛をこころにサマーと数えよ
- Waiting Wedding
- ジャポニジフェス
- DVD収録内容
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- Making Of 愛をこころにサマーと数えよ Music Video
- Making Of Waiting Wedding Music Video
- Making Of ジャポニジフェス Music Video
- 収録曲
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- 愛をこころにサマーと数えよ
- Waiting Wedding
- ジャポニジフェス
- 愛をこころにサマーと数えよ-REMIX-②
- 収録曲
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- 愛をこころにサマーと数えよ
- Waiting Wedding
- ジャポニジフェス
- 愛をこころにサマーと数えよ-REMIX-③
- 収録曲
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- 愛をこころにサマーと数えよ
- Waiting Wedding
- ジャポニジフェス
- 愛をこころにサマーと数えよ-REMIX-④
- 収録曲
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- 愛をこころにサマーと数えよ
- Waiting Wedding
- ジャポニジフェス
- 愛をこころにサマーと数えよ-REMIX-⑤
- 収録曲
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- 愛をこころにサマーと数えよ
- Waiting Wedding
- ジャポニジフェス
- 愛をこころにサマーと数えよ-REMIX-⑥
- CD収録曲
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- 愛をこころにサマーと数えよ
- Waiting Wedding
- ジャポニジフェス
- DVD収録内容
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- 愛をこころにサマーと数えよ(Music Video)
- Waiting Wedding(Music Video)
- ジャポニジフェス(Music Video)
赤盤
橙盤
黄盤
緑盤
青盤
藍盤
紫盤
虹盤
- 虹のコンキスタドール(ニジノコンキスタドール)
- 自分たちが思う「かわいい!」や「好き!」を追い求めるインドア系正統派アイドルグループ。2014年に「毎日が文化祭!」をテーマにした“つくドル”、として結成された。2017年4月に映画「聖ゾンビ女学院」の主題歌を収めたDVDシングル「✝ノーライフベイビー・オブ・ジ・エンド✝」でキングレコードよりメジャーデビュー。2018年よりディアステージに所属している。「結成5周年プロジェクト」を展開し、同年12月にベストアルバム「THE BEST OF RAINBOW」をリリース。2019年7月には「愛をこころにサマーと数えよ」を発売したほか、神奈川・神奈川県民ホールにて初のバンド編成でのワンマンライブ「RAINBOW JAM 2019」を開催する。