虹のコンキスタドール「Winter Love, Like Summer!~RAINBOW JAM2021-SUMMER SHOWER-~」インタビュー|7周年イヤーに手に入れた大きな変化と成長

虹のコンキスタドール、通称・虹コンがライブBlu-rayとマキシシングルCDをセットにした作品「Winter Love, Like Summer!~RAINBOW JAM2021-SUMMER SHOWER-~」をリリースした。

虹コンは昨年4月、2017年にグループを一度卒業した大塚望由と元WILL-O'の桐乃みゆをメンバーに迎えて新体制に。さらに夏には2020年末から行われた新メンバーオーディションの合格者・石原愛梨沙、虹コンの妹分ユニット・虹のファンタジスタのメンバーだった神田ジュナも加わり、結成7周年にしてグループ史上最多人数の14人体制となった。Blu-rayには、この新体制のお披露目ライブとして昨年8月に東京・Zepp DiverCity(TOKYO)で行われたバンドセットワンマンライブ「RAINBOW JAM2021-SUMMER SHOWER-」の模様を完全収録(参照:虹のコンキスタドール約2年ぶり生バンド公演で見せた迫力のステージ、14人体制でさらに勢いを加速)。CDには日本最大級のスキーおよびスノーボード用品販売イベント「冬スポ!!WINTER SPORTS FESTA」のCMソング「ナミダ、あわ雪」をはじめとする新曲3曲が収められている。

音楽ナタリーでは休養中の根本凪を除くメンバー13人を2組に分けてインタビュー。2021年の振り返りや新メンバーがグループにもたらした影響、新曲の注目ポイント、そして今年4月16、17日に東京・日本武道館で開催されるワンマンライブへの思いなどを聞いた。

なお、取材後にはリーダーの的場華鈴と、でんぱ組.incとの兼任で活動してきた根本が日本武道館公演をもって卒業することが発表された。インタビューではその話を聞くことはできなかったが、記事を通して最新の虹コンの姿勢や空気感を感じ取ってほしい。

取材・文 / 近藤隼人撮影 / はぎひさこ

岡田彩夢、神田ジュナ、桐乃みゆ、隈本茉莉奈、中村朱里、的場華鈴 インタビュー

左上から時計回りに神田ジュナ、的場華鈴、岡田彩夢、隈本茉莉奈、中村朱里、桐乃みゆ。

左上から時計回りに神田ジュナ、的場華鈴、岡田彩夢、隈本茉莉奈、中村朱里、桐乃みゆ。

陽の気を持ち込んだ新メンバー

──2021年、新メンバーが一気に4人増えましたが、大人数だとメンバー同士で意思疎通をしたり、足並みをそろえたりするのが大変じゃないですか?

的場華鈴 確かに完全に意思疎通できているかはわからないんですけど、新メンバーの4人も含め、虹コンに入るとみんな自然と虹コンっぽくなるというか。人数が多いからと言って、変に固まって「この子とこの子が特別仲いい」ということもないんです。

桐乃みゆ それは加入して私もびっくりしました。やっぱり女の子のグループって、仲のいい子同士でくっつくことがあるじゃないですか。学校のクラスでもそういう感じだったし。だから虹コンも同じなのかなと思っていたんですけど、みんながみんな仲よかったので、すごくいいグループだなと感じました。

──では、グループ内に派閥みたいなものはない?

的場 ないです! 派閥ができたら言います(笑)。

隈本茉莉奈 みゆっぴ(桐乃)と(大塚)望由先輩が加入したときの自分のブログをこの間見返したんですけど、「みゆっぴに陽の気を感じてまだうまく話せない」みたいなことを書いてて(笑)。でも、華鈴先輩が言ったみたいに、みんな虹コンに染まっていくんですよ。「我が道を通す!」みたいなことはなく、お互いの意見を聞いて尊重する優しいメンバーばかりですね。だから虹コン史上最多人数になっても活動できているのかなって。

隈本茉莉奈

隈本茉莉奈

──桐乃さんからは、まだ陽の気を感じます?

的場 バリバリに感じます!(笑)

中村朱里 ずっと笑顔で「悩みなんてなーい!」っていう感じ(笑)。そういうところに励まされますね。

岡田彩夢 私はライブ直前に毎回めっちゃ緊張しちゃうんですけど、あるときみゆっぴが「カラオケだと思えばいいんだよ!」と言ってくれて(笑)。

桐乃 そんなこと言ってましたっけ? 私、ヤバい発言してる(笑)。でも、人って緊張しすぎると失敗しちゃうし、いい緊張感を持ちつつも自分が楽しいと思えることが大事だと思うから、たぶんそう言ったんだと思います。本当は思ってないですよ! ライブをカラオケだなんて(笑)。ちゃんとやってます!

岡田 でも、そのときはみゆっぴにそう言ってもらって、程よく気が抜けたんです。毎回「これが人生最後の命を懸けた戦いだ!」くらいの勢いで肩に力が入っちゃうから。

みんな特殊能力を身に付けていく

的場 みっふぃー(桐乃)がお披露目されたライブが2部制で。1部でお披露目したあと、2部では私たちの冠バラエティ番組の「虹マジ」(「虹のコンキスタドールが本気出しました!?」)の公開収録イベントをやったんですよ。加入したその日にバラエティをステージ上でやるという、なかなかハードなスケジュールだったんですが、初っ端からぶっ飛ばしてくれて。ギャグを全力で披露していたし、安心感がすごかったです。もう5年くらい一緒にやってるんじゃないのかなと感じるくらい。もしかしたら、虹コンの雰囲気に合わせてくれているのかなと思うこともあるんですよ。

隈本 だって、もともとはこうじゃなかったでしょ?

桐乃 いやいや、無理してるわけじゃなく、素でやらせてもらってます(笑)。

桐乃みゆ

桐乃みゆ

岡田 今まで虹コンになかった面白さを持っていて。みゆっぴが何かしゃべるたびにめっちゃ笑っちゃうんですよね。

隈本 みゆっぴや望由先輩が新たに入ってきてから、虹コンの空気がより明るくなった気がします。

中村 (神田)ジュナちゃんと(石原)愛梨沙ちゃんも底抜けの明るさがあるよね。担当カラーがオレンジだから衣装が蛍光で、ピカピカした太陽の光が増えたイメージ。最近の虹コンって明るいなと感じます。

的場 ジュナちゃんと愛梨沙ちゃんは同じ時期に入ったので自然と一緒にいることが多いんですけど、2人の会話をこそっと聞いてみると、話の内容がすごく若いんですよ(笑)。

神田ジュナ えー!(笑)

的場 どことなく“ギャルみ”を感じるんです(笑)。今まで虹コンメンバーになかったノリを2人が持ってきてくれたので、私たちはそれを見ながらゲラゲラ笑いつつ、若い気持ちになれます。

岡田 新メンバー4人とも、コスメとか今どきのちゃんとした美容情報を持っていて。今まで虹コンにはそういう子がいなかったので、みんな影響を受けておしゃれになってきてますね。それと同時に4人にはちゃんとオタク要素もあって。ジュナちゃんも「プリキュア」や「アンパンマン」がめっちゃ好きだもんね。

神田 アニメが好きですね。虹コンはみんな「これが好き!」という主張がすごくて(笑)。私も好きなものを極めたいです。

──神田さんの歌やダンスについてはどうですか?

岡田 ジュナちゃん、めっちゃ自主練してるよね!

桐乃 がんばり屋さんで、振りを覚えてくるのが早いんです。私のほうが先に入ったのにジュナちゃんに教えてもらうことが多くて、焦らされます。計画性を持って物事をこなしているし、すごくしっかりしていると思います。

岡田 うちのお母さんも褒めてた。「ジュナちゃんすごいわ」って。

神田 ホントですか! 私としてはダンスを覚えるのが苦手なのでがんばって自主練を入れてるんです。先輩たちに追いつかなきゃって。毎回のライブごとにホントに必死なので、練習の成果が出てる実感はないんですけど。

神田ジュナ

神田ジュナ

的場 出てるよ! 虹コンは人数編成を変えながらライブをやっていて、フォーメーションが変わる仕組みになっているから大変だと思うんですけど、覚えるスピードがどんどん早くなってきています。

神田 この間、(清水)理子先輩が「虹コンは進むペースが早くてみんな最初は付いていけないんだけど、だんだんと特殊能力を身に付けていく」と言っていました。

的場 たぶん、やり方のコツをつかんでいくんだよね。

隈本 最初、ジュナちゃんはレッスンのたびに1回1回ノートに書いていたけど、最近はノートに書かなくてもすぐに振りを覚えていて。まだ入ってから1年も経ってないのにすごいです。

生まれたての子鹿みたいだった

──そんな神田さんが新メンバーとしてお披露目されたライブ「RAINBOW JAM2021-SUMMER SHOWER-」がBlu-rayになりました。ひさびさのバンドセットワンマンでもあったわけですが、振り返っての感想を聞かせてください。

的場 今までの虹コンは、バンドセットのライブや節目のワンマンではとにかく曲を披露し続けるというスタイルが主流だったんですが、今回は「世界の中心で虹を叫んだサマー」のミュージックビデオを再現する寸劇から始まって、普段とやり方をガラッと変えてみたんです。今までと違うところを見せようというテーマがあって、メンバーみんなで「こんなことをしたら面白がってもらえるんじゃないか」と話し合いました。

岡田 コロナ禍で楽しいことが制限されちゃっている中、パーティみたいににぎやかなステージを見せて、ライブに来ている間だけでもみんなに元気で楽しい雰囲気を感じてもらいたかったんです。「ココロPRISM」や「夢の輪郭」というメッセージ性の強い曲もありつつ、とにかく楽しんでもらいたいと考えながらライブを作りました。

──神田さんも楽しみながらステージに立てました?

神田 ステージに出ていって挨拶したとき、ホントに緊張しちゃって。愛梨沙は公開オーディションを経て加入したのでファンの方もみんな知っている状態だったんですけど、私はサプライズでお披露目されたので(参照:虹のコンキスタドールに元虹ファンの神田ジュナ加入!グループ史上最多人数の14人体制に)、怒ってペンライトを投げて帰っちゃう人とか、卵とか投げてくる人がいたらどうしようと不安でした(笑)。アンコールが始まったときは脚が震えてましたね。

岡田 生まれたての子鹿みたいになってたよね(笑)。

神田 ライブが終わったあとも、愛梨沙に「後ろから見てたけど、脚が子鹿みたいだったよ」と言われました(笑)。でも、ファンの方が温かい拍手をくださったので、パフォーマンスしやすかったです。