大型アイドルフェス「@JAM EXPO 2023 supported by UP-T」が8月26、27日に神奈川・横浜アリーナで開催される。
ライブイベント「@JAM」シリーズ最大規模の企画として毎年夏に行われている「@JAM EXPO」。今年はももいろクローバーZやAKB48グループ、ハロー!プロジェクト所属グループ、≠ME、≒JOYら多数のアイドルの出演が予定されている。
音楽ナタリーでは今年も「@JAM EXPO 2023 supported by UP-T」の開催を記念した特集を企画。「@JAM EXPO」を盛り上げるべく、開催当日までの期間限定で活動するナビゲーターユニット・夏の月を夢みて、「@JAM EXPO」のグランドフィナーレを飾る5人組選抜ユニット・@JAM ALLSTARS 2023によるクロストークを実施した。
夏の月を夢みてからは岡田彩夢(虹のコンキスタドール)、津代美月(JamsCollection)、仲川瑠夏(FRUITS ZIPPER)のメンバー全員、@JAM ALLSTARS 2023からは山邊未夢(東京女子流)、篠原葵(まねきケチャ)、西野千明(真っ白なキャンバス)の3人が参加。「@JAM EXPO」への意気込みのほか、アイドルとしてお互いに気になることを話してもらった。
取材・文 / 近藤隼人撮影 / 塚原孝顕
えっ、自分!?
──まず、「@JAM」の期間限定ユニット、「@JAM EXPO」出演アーティストによる選抜ユニット・@JAM ALLSTARSに選ばれた心境をそれぞれ聞かせてください。
山邊未夢(東京女子流) 最初はすごくびっくりしました。前に女子流のほかのメンバー(新井ひとみ)が選ばれたことはあるんですけど、いつもユニットメンバーをニュースで知る側、「@JAM EXPO」のグランドフィナーレで歌う@JAM ALLSTARSの背中を見ている側だったので、マネージャーさんから連絡が来たときは「えっ、自分!? 何かの間違いじゃないかな」と思うくらい驚いて(笑)。でも、それと同時にうれしかったですね。たくさんのアイドルさんの前で歌うということで、今のアイドル界を盛り上げられるように、みんなを引っ張っていけるようにがんばりたいです。
篠原葵(まねきケチャ) 私もこういう選抜ユニットに選ばれるのが初めてだったので、ちゃんとできるかなという不安が大きいんですけど、フィナーレを盛り上げられるように全力でがんばります。
西野千明(真っ白なキャンバス) 白キャンからは前に小野寺梓ちゃんが「@JAM」の期間限定ユニットに選ばれたことはあるんですけど、自分もグループを飛び出してほかのアイドルさんと一緒に仕事をする機会が今までなくて。「えっ、自分!? なんで自分なんだろう」って同じことを思いました(笑)。
──確かに3人とも、グループの代表者としてよそと外交するタイプではないのかもしれませんね。
西野 少なくとも私はそうですね(笑)。だからこそ、ユニットに選んでいただけてうれしかったです。@JAM ALLSTARSとして5人で一緒に横アリで歌うのがすごく楽しみです。
岡田彩夢(虹のコンキスタドール) 私も先輩のメンバーの鶴見萌と的場華鈴が期間限定ユニットに選ばれて活動していたのを見ていたので、後輩メンバーである自分が選ばれたと知ったときは本当にうれしかったです。ユニットのコンセプトが「昭和アイドル」「80年代シティポップ」だと聞いて、個人的にめちゃくちゃ好きな年代、ジャンルなのでそれに対してもテンションが上りましたね。期間限定ユニットって毎年コンセプトが違うんですけど、自分の好みにドンピシャなコンセプトでユニット活動ができるのがたまらないです。虹コンとはまた違うものを体験できるのが新鮮ですし、虹コンが人数が多いグループなのに対し、このユニットは3人という少人数で。自分に注目してもらえる機会が多いので、「この夏、がんばろう!」とモチベーションが上がりました。
──虹コンのファン以外の方にも自分のことをアピールするチャンスですね。
岡田 はい。そして、ユニットのメンバーと話してみたら、2人のことがめちゃくちゃ好きになっちゃって。「@JAM EXPO」で解散するのがすごく寂しいです。
──異色の組み合わせのユニットに見えますが、意外と波長が合ったんでしょうか。
岡田 そうですね。私も最初は意外な組み合わせだなと思いました(笑)。なんというか、私が陽キャなタイプじゃないのに対し、2人の最初の印象がギャルっぽいイメージだったんですよ。でも実際にしゃべってみたら2人とも人見知りだし、おとなしいし、見た目のファーストインプレッションと違いました。我が強いタイプでもないし、お互いに補い合っていこうという気持ちを持っているメンバーたちで……。
津代美月(JamsCollection) うれしい(笑)。
仲川瑠夏(FRUITS ZIPPER) 照れる。
岡田 (笑)。それぞれの属性はちょっとずつ違うけど、それが逆にいいバランスを生んでいるなって。このユニットのメンバーになれて幸せ者です。
津代 私はほかのアイドルさんに自分から話しかけるのが苦手なタイプなので、こういう出会いのきっかけをもらえたのがうれしいです。自分は本当に緊張しいで、ライブでミスしちゃうことがよくあるんですよ。MCもホントに苦手で、いつも話すことを呪文のように唱えながらステージに上がっていて。でも、2人がいつもフォローしてくれるのですごく助かってます。
岡田 かわいい。つしちゃん(津代)はこのユニットのかわいい担当ですね。
津代 ふふふ。
仲川 私の場合は、FRUITS ZIPPERがデビューしてからまだ1年数カ月くらいしか経ってなくて、去年初めて「@JAM EXPO」に出演させていただいたんですよ。そんな中、2年目にしてユニットのメンバーに選ばれたことがびっくりでした。「大丈夫かな……?」という不安もあったんですけど、2人に会ってみたらめっちゃ楽しくて。「@JAM EXPO」のあとも活動続けてもいいんじゃね?みたいな(笑)、そう思えるくらい楽しく活動できています。
──3人はユニット結成以前はまったく接点がなかったんですか?
岡田 はい。ジャケット写真の撮影がはじめましてでした。会うたびに仲よくなっていて、早く一緒にごはんに行きたいです。
アイドルの友達を作るのは難しい
──夏の月を夢みてはすでに何回かライブをやっていますし、活動を重ねる中で絆が深まっているみたいですね。一方、@JAM ALLSTARS 2023のステージは「@JAM EXPO」のグランドフィナーレ1回きりなわけで、まだそこまでメンバー間の距離は縮まってないんでしょうか?
西野 メンバーと会うのは今日が2回目です。全員そろったのはまだ1回だけですね。
山邊 5人が集まったのは、レコーディングとミュージックビデオ撮影をした日だけです。
西野 だから、さっき楽屋で夏の月を夢みての3人が仲よさそうにずっとしゃべっているのを見て、「前から友達なのかな?」と思っちゃいました。コミュ力エグいなって(笑)。
岡田 3人とも人見知りなんですけど、人見知りという共通点があったことで逆に距離が縮まりました。タメ口でわーっとしゃべってくるようなタイプかと思いきや、2人ともこちらを慮ってくれるんです。毎回、会った瞬間はお互いに人見知りが発動しちゃうんですけど(笑)、それがまた愛おしい。
山邊 私たちは振り入れのときに絆を深めようと思います!
──今年の@JAM ALLSTARSは、アイドルとしてのキャリアがバラバラな5人が集まっているのが面白いですよね。中でも山邊さんはベテランとも言えるキャリアを築いているわけで。
西野 今年で何年目になるんですか?
山邊 14年目ですね。長くやらせていただいております。
岡田 すごい……!
山邊 今回みたいに、新しい世代のアイドルさんと一緒に活動できるのはうれしいことなんですよ。レコーディングのときにユニットのみんなの元気な歌声を聴いて刺激を受けました。メンバー5人がそろったのはまだ1回だけですが、いろいろと吸収させてもらって、勉強になりましたね。
──女子流はこれまでの13年間、ほかのグループと交流する機会がそんなに多くはなかった?
山邊 そうですね。ツーマンという形でご一緒させていただくことはあるんですけど、アイドルの友達は少ないです。長く続けていると、同期の子がどんどん少なくなっていっちゃうんですよ。今やももクロさんくらいしかいなくて、下の世代の方が相手だとどう距離を詰めていいのか悩みますね。
篠原 私もすごく人見知りで、人に声をかけるのに勇気がいるタイプなんです。でもユニットのメンバーみんなと会ったとき、すごくいい雰囲気だったので、これからもっと仲よくなれそうだなと安心しました。私、去年の「@JAM EXPO」で白キャンさんと楽屋が同じで、そのときに千明ちゃんが「スプラトゥーン」で遊んでて。私もそのゲームをやってたので、話しかけようと思ったんですけど、結局話しかけられなかったんです。なので、今回@JAM ALLSTARSで一緒になれてうれしいです。
西野 そうだったんですね。今伝えてくれてうれしいです。これをきっかけに一緒に「スプラトゥーン」やりましょう。
──ここまでのお話を聞く限り、今日集まった6人全員人見知りで、アイドルの友達を作るのが得意なタイプではなさそうですね。
西野 (仲川を見ながら)めっちゃいそうなイメージ。アイドルの友達。
仲川 いないほうだと思うんですけど……どうなんだろう?(笑) 私もそんなに自分から話せないです。
西野 私はもとから友達がいないんですよ。まず友達の作り方がわからないし、どうしたらいいんだろう(笑)。友達、欲しいですね。一緒にごはんに行ったことあるアイドルさんも今まで2人ぐらいしかいなくて。鎖国してるわけじゃないけど、私も楽屋から全然出ないし、話しかけられない。だからユニットで交流できる機会はありがたいです。
──それこそ「@JAM EXPO」などのフェスは、バックステージでいろんなアイドルと交流するチャンスなのでは?
岡田 でも、フェスの裏側ってすごく慌ただしいんですよ。
山邊 そうそう! 移動中に知ってる子とすれ違ったら、一緒に写真を撮るくらい。しかも一瞬で。でも去年の「@JAM EXPO」では1つ出会いがあったんですよ。FRUITS ZIPPERの(鎮西)寿々歌ちゃんと共通の友達が多くて、お互いのことは知っていたんですけど、今まで話したことはなかったんです。「@JAM EXPO」でやっと会えて、初めて話せました。
仲川 去年、FRUITS ZIPPERはいろんなアイドルさんとグリーティングしてました。
岡田 グリーティング(笑)。
仲川 私は憧れの人がいて。フィロソフィーのダンスの日向ハルさんなんですけど、すぐそこにいるのに話しかけられなかったんです。マネージャーさんが話しかけに行ってくれて、写真を撮ることができました。包容力がすごかったです。
岡田 フェスは憧れの人に会えるチャンスだよね。「推しだ……! 推しが歩いている!」って発見して、一緒に写真を撮ってしゃべる口実をゲットしたり。でも、推しと友達になるのは違うなと思っているので、それ以上はグイグイいかないです(笑)。
「@JAM EXPO」の醍醐味
──ほかにフェスならでは、「@JAM EXPO」ならではの醍醐味はありますか?
山邊 先ほどフェスの裏側は慌ただしいという話が出ましたけど、「@JAM EXPO」は楽しくにぎわってますよね。グミがたくさん置いてあったり。
西野 去年はタピオカもあったし、チョコフォンデュもありました。チョコフォンデュのところには配信カメラが設置されてて。
岡田 私、配信に映りたくなくて食べるの我慢してました(笑)。
篠原 えー!(笑)
山邊 でも、裏側の様子を見れる機会ってなかなかないから、ファンの方たちは配信を観ていて楽しいと思う。
西野 あと横浜アリーナって、楽屋口から入った通路に横アリでライブをしてきた歴代のアーティストの方々の写真が飾ってあるんですよ。私、UVERworldさんが大好きで、毎年同じ写真の横で記念撮影してます(笑)。「ああ、今日私もここでライブをするのか」と思いながら。
──出演者にとっては、横アリのステージに立てることも「@JAM EXPO」の魅力の1つですよね。
仲川 去年、フィロソフィーのダンスの日向ハルさんがメインのストロベリーステージで、ソロで歌う場面があって。袖で観ていたら、日向ハルさんが熱唱している隅っこで私がちょこんと立ってる姿が一瞬配信に映っちゃってました。それもいい思い出です。記念にスクショしました(笑)。
岡田 (笑)。あと「@JAM EXPO」は毎回、“あっとじゃむ君”が場内を歩いてるじゃないですか。白い全身タイツを履いたマスコットキャラクター。1回だけ、うちのメンバーが“あっとじゃむ君”の中の人をやったことがあるんですよ。
津代 え!
岡田 清水理子っていう足が長いメンバーが“あっとじゃむ君”の中に入って、お客さんがいるところを普通に歩いてました(笑)。今思うと、あれはなんだったんだろうなって(笑)。
山邊 いつもは芸人のスベリー杉田さんが中に入ってますよね。
岡田 どうして“あっとじゃむ君”の中に入ったのか覚えてないんですけど、清水理子は「@JAM ALLSTARSに入りたいです!」とずっと言ってて、そのあと実際に@JAM ALLSTARSに選ばれたんです。もしかしたら“あっとじゃむ君”の中の人になったから、その夢が叶ったのかもしれない(笑)。
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グループに途中加入する苦労