フリが効いていて、お笑いとしても面白かった（たくみ）

──こういうコメディ作品で、芸人であるお二人がもっとも笑ったシーンがどこなのか気になります。

たくみ　トランシーバーを使ってバカでかい声で「どうぞ！」と言い合うシーン！あと“阿岐本組の三カ条”の使い方にフリが効いていて、お笑いとしてもすごく面白かった。

まなぶ　僕は組長が学校に関する説明を受けている場面の「この学校のレベル、中の中の中」「ネズミじゃないんだから」というやりとり。「アウトレイジビヨンド」のゾウさんのくだりを思い出して、西田さんって動物に例える人なんだなと笑ってしまいました。僕も使っていこうかな。

たくみ　これは小馬鹿にしてるわけじゃないのですが、お葬式のシーンでパッと映った遺影が高木ブーさんだったのもインパクトがあって楽しかったです。「ブーかい！」って。

まなぶ　葬式のところでいうと、喫煙所の看板がでかいのもわかりやすくてよかった（笑）。

──日村と稔の漫才っぽくてテンポのいい掛け合いやコンビ感はどうでしたか。

たくみ　日村が稔をたたく場面で「うわ！暴力だ！」とは感じなかったので、僕もこうなりたいなって思いました。いいたたき方。

まなぶ　稔がとっさに避けたシーンもあったよね。すごく上手だったからあの避け方は参考にしたいです。

ぜひ家族で！と自信持って言える作品（まなぶ）

──さきほどは笑えるシーンについて伺いましたが、本作には人情ドラマの要素もあります。ぐっときた場面はありますか？

たくみ　ラストがすごくよくて。ネタバレになっちゃうからあまり言えませんが、じーんとなりました。光石研さん演じる小日向のクソ親父っぷりもいい。別の作品でインタビューさせてもらったときは優しい方だったので、俳優さんってすごいなという気持ちです。

まなぶ　僕は、タイトルが赤で出るところがかっこよくて引き込まれましたね。

──まなぶさんは細かいところを覚えていますね！この作品を芸人仲間にオススメするとしたら誰に観てほしいですか？

まなぶ　事務所の後輩で考えると、あがすけかな。彼は顔が怖いので、僕らがそれまで参加していたVシネマの現場へ彼が代わりに行くようになったんですよ。だから演技の勉強の意味でも観てほしいです。

たくみ　先輩だったら永野さんや、僕たちと一緒にネタを作ってくれているピン芸人のダーヨシさん。まなぶと僕で墓参りに実家へ帰ったのですが、そういうことにも自然に誘えるような仲なんです。2人も「行く行く！」って付いてきて線香もあげてくれて（笑）。彼らみたいに、本当のことを言い合えて気を使わなくても一緒にいられる距離感の仲間こそ楽しんでくれるだろうから、ぜひオススメしたいですね。

──最後に、「任俠学園」はスカッと笑えてほろりと泣ける人情コメディですが、“ヤクザたちが主人公の映画”という点では、少しハードルが高いと感じる人もいるかもしれません。そういった人たちに、どんな言葉で作品をオススメしますか？

たくみ　僕自身は楽しいエンタテインメント作品なんだろうなと思って観たのですが、想像以上に楽しめました。ギャップが満載で面白いし、得るものもある映画なのでぜひ観てほしいです。

まなぶ　親子で観て気まずいシーンはないし、教育的にもいいしね。ぜひ家族で！と自信を持って言える作品だなと思っています。

「任俠学園」: 2019年9月27日（金）全国公開

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ストーリー

困っている人は見過ごせない、義理と人情に厚い弱小ヤクザ“阿岐本組”。地元を愛し社会貢献に目がない組長は、厄介な案件を次々と引き受けてしまう。そんな阿岐本組が依頼を受けたのは経営不振の高校の建て直し。親分に振り回されてばかりのナンバー2・日村は、子分たちを連れて学園を訪れるが、彼らを待ち受けていたのは、今どきの高校生と、事なかれ主義の教員たちだった。

スタッフ

監督：木村ひさし

原作：今野敏「任俠学園」（中公文庫）

脚本：酒井雅秋

主題歌：東京スカパラダイスオーケストラ「ツギハギカラフル」

挿入歌：歌・西田敏行、演奏・東京スカパラダイスオーケストラ「また逢う日まで」

キャスト

西島秀俊、西田敏行、伊藤淳史、葵わかな、葉山奨之、池田鉄洋、佐野和真、前田航基、戸田昌宏、猪野学、加治将樹、川島潤哉、福山翔大、高木ブー、佐藤蛾次郎、桜井日奈子、白竜、光石研、中尾彬（特別出演）、生瀬勝久ほか

カミナリ: 茨城県出身の幼なじみ、竹内まなぶと石田たくみで2011年に結成されたお笑いコンビ。2016年、17年の「M-1グランプリ」で決勝に進出。現在「おはスタ」「名医のTHE太鼓判！」「カミナリのチャリ旅！シーズン3」「カミナリの『たくみにまなぶ』～そういえば茨城ばっかだな～」にレギュラー出演中。