Netflixオリジナルアニメシリーズ「ULTRAMAN」潘めぐみインタビュー|ウルトラマンになれた!愛で夢を叶えた喜びを全世界へ

やっぱりイガル星人は過酷な運命に……

──特撮版に対する数々のオマージュも盛り込まれている本作ですが、ウルトラファンとして特にグッと来たシーンはどこでした?

やっぱりイガル星人が救われないところですかね(笑)。どうしても過酷な運命に遭うというか。

──オマージュ元と思われるピグモンは、ウルトラマンシリーズでは悲しい目に遭うことが多いですからね。

(「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」では)ウルトラマンゼロに助けられたし、踏み潰されずに救われているシーンとかも描かれましたけど。やっぱり切ないですね。

「ULTRAMAN」より、ACE。

──今回もバッサリと……。本作ではオマージュだけでなく、実はイガル星人を使って悪事を働く人間がいたというドラマもあって。

ウルトラマンの抱える闇を感じて、いいなあと思いました。異星人って悪く見られがちじゃないですか。だけど今回は正義感というか、善と悪とはみたいなものもキーになっていますよね。誰かを救えば、誰かが傷付く。みんなを救えると思ったら、救えない命もあったり。昭和ウルトラマンの持つウルトラマンらしさが残っていました。

「ULTRAMAN」より、佐山レナ(CV:諸星すみれ)。

──本作では佐山レナの母がウルトラマンと怪獣の戦いに巻き込まれて亡くなったという設定がありますが、これも作品のテーマに沿ったオリジナル要素ですよね。

進次郎も諸星弾もそれぞれ戦う動機がありますけど、本作ではレナにも戦う動機が生まれて。そういった改変点は、原作を読んでいても違和感なくドラマに入っていけると思いました。

「ULTRAMAN」より、諸星弾(CV:江口拓也)。

──北斗もまた、子供らしさがありながら社会悪への成敗と称して恐喝を繰り返したりと、大きな闇を抱えたウルトラマンです。潘さんが演じてきたキャラクターで、そういう悪さのある役は、今まであまりなかったイメージですが。

そうですね。直情型の熱血タイプな役が多かったので、ニヒルな感じは初めてでした。でも北斗の恐喝も、もともとは夕子という存在が根元にありながら、悪いものを成敗するという側面もあって。

──自分なりの正義ですね。

「ULTRAMAN」より、北斗星司。

正義でもあるし、「悪いものを成敗したぜ」という高揚感もきっと彼の中にあるんです。だけどエースキラーと戦ってメタメタにやられることで、すべて相殺されてしまいました。最初にお医者さんを退治するシーンでも「本物のお医者さんが“お医者さんごっこ”なんかやっちゃうから」とか「僕、見た目は弱そうだからな。でも実は僕めちゃくちゃ強いんですよ」というセリフがあって。あれも結局、弾によって1回へし折られるんですよね。北斗って、発した言葉がすべて傷として自分に返って来る(笑)。進次郎に対しても“ウルトラマンごっこ”をしているやつだと思っているんですけど、「“ウルトラマンごっこ”をしていたのは自分なのかもしれない」と気付かされちゃうし。でも認めたくないとか、そういう若さみたいなものもあるなと思いました。

実は最後のあるシーンに……

──今回、Netflixというメディアで全世界に向けて「ウルトラマン」のコンテンツが発信されましたが、特撮やウルトラマンをよく知らないという人には本作をどのようにお薦めしますか?

潘めぐみ

うーん、なんて言えばいいんだろう? 「ウルトラマン」と名は付いていますけど、海外ドラマが好きな方には海外ドラマを観るような気持ちで観ていただきたいです。スケールの大きさや映像力はもちろん、人間ドラマもありますし。日本映画が好きな人には日本映画として、「ウルトラマン」は観ないけどアニメーションは好きだよという人にはアニメーションとして観ていただいて。この「ULTRAMAN」はすごく変幻自在なウルトラマンなんじゃないかな。でも、ちゃんと「ウルトラマン」になっていると思います。

──これを機に「ウルトラマン」というものを初めて観る人もたくさんいると思います。

そういうお声もよく聞きます。オマージュがわかればより楽しいですけど、まずはそこを関係なくラフに観ていただけたら。そのうち、だんだん前のめりになっていくと思うので。

「ULTRAMAN」より、ULTRAMAN。

──すでに全13話を鑑賞済みの方のために、2周目の注目ポイントも教えていただけますか?

私、最後の最後まで観て「わー、ありがとうございます!」と歓喜したのが……最後のあるシーンに実は北斗がいるんですよ! アフレコの時点で、そこに北斗が描かれていたんですけど、もしかしたら本番用の画が上がったら違う人に変わってしまうのかな?と思っていたんです。でも配信された画にもちゃんと北斗がいました。あとで監督たちに聞いてみたら「それはもう作り手の愛です」とおっしゃっていたので、ありがとうございます!って。個人的にすごくうれしかったところです。

──そうなんですね! それは気付きませんでした。

本当にさりげないので、どこにいるかは皆さんに探してもらうとして。最後のあるシーンに北斗がいます、とだけ言っておきます。あとは、そうですね……。第1話で進次郎が輩に絡まれたレナを助けるシーンがあるじゃないですか。あそこで取り巻きのトップが「正義感ってやつ?」と言ってスペシウム光線のようなポーズなんかしていて。その後日、輩のトップが松葉杖で歩くところに出くわすんですけど、1人きりになっているんですよ。きっと取り巻きも彼に寄り付かなくなったんでしょうね、あんなにちやほやされていたのに。本筋に関わるところじゃないですけど、ささやかな登場人物にもドラマがあるんだよという部分も、2周目に楽しんでもらいたいところです。

続編があるなら……もっと序盤から関わりたい(笑)

──原作の連載はまだ続いているわけですが、やっぱりファンの皆さんはアニメーションのセカンドシーズンにも期待しているんじゃないかと。まだ“光の6戦士”が出そろっていませんし。もし続編が作られるとしたら、どんなことに期待されますか?

そうですね……もうちょっと前半から関わっていたい(笑)。今回、北斗は9話から登場だったので、もっと序盤から物語の中でみんなと一緒に生きていたいなと思います。そして、まだ見ぬ“マン”を見たいですね! タロウもそうですし。観たいULTRAMANが原作では今後いっぱい出てくるので。

──タロウはスーツではなく特殊な変身なので、アニメではどう表現されるのか楽しみですよね。ジャックの大型スーツも見たいですし。

ウルトラ大集合で戦える日をすごく楽しみに……でもそこは本当にクライマックスになると思うんですけど。ULTRAMAN、いっぱい出てきてほしいなと思います。

──すみません、最後にしょうもない質問なんですけど……。

はい!

──進次郎に父親が「私がウルトラマンだ」と打ち明けるシーンがあるじゃないですか。潘さんもお母さん(声優の潘恵子)と同じ仕事をしているわけですが、お母さんから「こういう仕事をやっているんだよ」と明かされたことはあったんですか?

潘めぐみ

あー、おのずと自分から察していくスタイルでした(笑)。と言うのも、母がそういう仕事をしているんだと自覚したのが、3歳のときなんですけど。ちょうど「(美少女戦士)セーラームーン」が始まったときで。母の声がテレビから聴こえるんですよ。しかも姿が猫なんです(※同作で潘恵子は言葉をしゃべる猫・ルナを演じていた)。……え!? お母さん猫だった!?って。翌週もその猫からお母さんの声が聴こえてきたんですけど、実際に台所でネギを切ってるお母さんの声も聴こえるし。どういうこと?って。つまりは“そういうこと”で、収録というものがあって……って自然と察して、秘密にしてきた部分が(笑)。

──気付くのが早いですね。進次郎は17歳で知りましたけど、潘さんは3歳ですでに(笑)。声が似ている人だとは思わなかったんですか?

思わなかったです! 確信を持って母だと思いました。母の声ってわかっちゃうものなんですね。

──これもまた「因子」を受け継いだ親子のストーリーですね。本日は貴重なお話をありがとうございました。

ありがとうございました。

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「ULTRAMAN」を観たあとは…神山健治&荒牧伸志の監督作もチェック!

神山健治

攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX

2002年に放送されたテレビシリーズ。舞台は西暦2030年。情報ネットワークが進展し、犯罪の芽を除去する組織・公安9課、通称「攻殻機動隊」が設立された。完全義体のサイボーグ・草薙素子を筆頭に、彼らは社会にはびこる犯罪に立ち向かう。士郎正宗による原作マンガは海外にも多くのファンを持ち、スカーレット・ヨハンソン主演で実写映画化もされた。

攻殻機動隊 S.A.C. 2nd GIG

「攻殻機動隊 STAND ALONE COMPLEX」のスタッフが再び集結したシリーズ第2弾。新たに押井守が参加し、構想の初期段階からアイデアを提供するなど全編の構成に携わった。草薙素子をはじめ公安9課のメンバーに対峙する敵として、内閣情報庁や“個別の11人”と名乗るテロリストが登場。

ひるね姫 ~知らないワタシの物語~

神山が自ら原作・脚本を手がけ、監督を務めた初の劇場オリジナルアニメーション。東京オリンピックの開催が迫る2020年の岡山を舞台に、どこでも眠れる平凡な女子高生・ココネと、自動車整備工として働く父のドラマが描かれる。ココネには女優の高畑充希が声を当て、主題歌「デイ・ドリーム・ビリーバー」も自ら歌唱した。

荒牧伸志

キャプテンハーロック -SPACE PIRATE CAPTAIN HARLOCK-

「銀河鉄道999」「宇宙戦艦ヤマト」で知られる松本零士原作による、2013年公開のCGアニメーション。かつては英雄と呼ばれたが、現在は宇宙海賊となった男の姿が描かれる。声のキャストに小栗旬、三浦春馬、蒼井優、古田新太ら豪華俳優陣を迎えた。脚本には「亡国のイージス」の福井晴敏が参加している。

アップルシード・アルファ

原作は「攻殻機動隊」で知られる士郎正宗のマンガで、国内のみならず海外でも人気が高い。本作では、主人公デュナンとサイボーグのブリアレオスがオリュンポスに至るまでの今まで語られなかった前日譚を3DCGによって映像化。「フレッシュプリキュア!」の小松由佳、「ユーリ!!! on ICE」の諏訪部順一がデュナンとブリアレオスに声を当てた。

ヘイロー・レジェンズ

荒牧と押井守がクリエイティブディレクターとして参加した日米合作のSFショートアニメ集。テレビゲーム「HALO」シリーズの世界観をモチーフに、STUDIO 4℃、Production I.G、東映アニメーション、ボンズなど世界に誇る日本のアニメスタジオが7つの物語をそれぞれ制作した。