今しかそろわない6人の、今しか撮れない映画 成田凌、高良健吾、若葉竜也、浜野謙太、目次立樹、松居大悟「くれなずめ」座談会|笑った? 泣いた? 観客からの熱いメッセージも到着

「みんなのものになっちゃうんだ」という寂しさ(松居)

──松居監督にお聞きしたいのですが、「くれなずめ」はご自身の経験やご友人とのエピソードをもとに2017年にオリジナル演劇として上演されました。今回映画化したことで、何か新しい発見はありましたか?

松居 そもそも何かを見つけようとしてこの映画を作っていたわけではなかったので、発見というよりは映画としての「くれなずめ」をみんなで一生懸命作ったという事実のほうが印象深いですね。クランクインする前に1週間ぐらいリハーサルという名目の時間をいただいたんですが、読み合わせをすることもなく雑談やダンスの練習をしているうちに、なんとなくみんなの雰囲気ができあがっていきました。ですので、僕が逆に映画「くれなずめ」はこういうお話なんだとキャストの皆さんに教えてもらいながら作っていった感じです。

──作品が完成したとき、どういうお気持ちだったんでしょうか?

松居 まずはこの物語を映画にさせていただけたことが本当にありがたかったです。でも正直、完成した今でも不思議な感じなんですよ。

目次 僕も松居と同じく「くれなずめ」に出会って4年くらい経つんですが、与えてもらうものがこんなに多い作品って、ほかにはないなと思いました。

松居 撮影を終えて編集して、「もう微調整できないのかな」「みんなのものになっちゃうんだ」という寂しさもあったんですが、今は早く届けたいという気持ちのほうが強いです。

──なるほど。では最後に、成田さんから封切りを心待ちにしている方々に向けてメッセージをお願いいたします。

成田 この映画は、観る方が今人生のどういうタイミングなのかということで、印象が変わってくる物語だと思います。僕は吉尾たちと同じ世代なので、アラサーあるあるも共感できましたし、若気の至りみたいなものがかわいく感じました。何かが足りないけど前に歩いていこうとする人たちがもがく、本当に小さな物語で、僕は彼らのことを否定も肯定もしません。皆さんにも楽しんで観ていただけると思います。

一同 (うなずく)

左から松居大悟、若葉竜也、成田凌、高良健吾、浜野謙太、目次立樹。

笑った?泣いた?
試写会参加者から届いたコメント

「くれなずめ」

まさかの展開。昔を思い出して青春を懐かしんでる、男子のワチャワチャ映画と思っていたら、途中訳が分からなくなり、最後泣かされました。結末わかった上で見返したくなりました。キャストは全員文句なし!

(ひなひな / 30代)

「くれなずめ」

上映時間96分とは思えないくらい濃密。結婚式の披露宴から二次会に行くまでの間の話だけど、彼らにとってはかけがえのない時間。この時間がずっと永遠に続けば良いのに…まだ終わらないで…と強く思いました。学生時代の青春を一緒に過ごした友達に逢いたくなった。大人になってもくだらないことで騒いで馬鹿みたいに笑いたい、そう思わせてくれる素敵な映画でした。

(さな / 30代)

「くれなずめ」

全く事前情報をいれずに観ました。初めは、よくある男のバカっぽい笑える青春ストーリーだと思って笑いながら観ていて。でも序盤のセリフに引っかかりがあって…そのしこりを持ったまま見進めていくと……まさかの展開でギャップがすごい。めっちゃ泣きました。あんなに泣かされるとは。ストーリーの構成が凄すぎて、この感情を上手に言葉に出来ません。ここ数年で見た映画の中で1番心掴まれる映画でした。

(ゆ☺︎ / 30代)

「くれなずめ」

最高だ!青臭くてだらしなくて男ってバカだなあ。なのにこんなに愛しくて切なくなるなんて、アイツらみたいにヘラヘラフワフワして生きていけたらな。一番くだらない赤フンの余興で泣いた自分に驚いた。松居大悟監督の群像劇には祝祭の味がする。それが答えだ!

(sail / 50代)

「くれなずめ」

深刻になり過ぎず、たまにはヘラヘラと生きてみようかなと思わせてくれる温かい映画。6人の個性が豊かで、観ていてそれぞれに感情移入することができました。

(バナナナナナ / 20代)