「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」高山みなみの恐竜愛&「ジュラシック」愛が止まらない

全国で上映中の「ジュラシック」シリーズ最新作「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」。映画の公開を記念し、お笑いナタリーと映画ナタリーでは全3回の特集を展開している。

最終回となる今回は、声優・高山みなみのインタビューをお届け。恐竜の密輸に関わる謎の女性ソヨナ・サントス役で本作の日本語吹替版に参加した高山は、実は「ジュラシック」シリーズの大ファンである。さらに大の恐竜好きでもある彼女は、取材中も愛が炸裂。映画と恐竜の魅力を熱く語ってくれた。

取材・文 / 村山章

ブルーのフィギュアが欲しくてムビチケ初購入

──今日の恐竜柄のシャツ、すごくかわいいです。

これは(アフレコの)収録のときにも着たんですけど、今回の映画「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」を観に行くために購入しました。

──映画館に観に行く用ですか?

はい! いつ観に行くかは未定なのですが、とにかく(ヴェロキラプトルの)ブルーのフィギュアが特典で付くと聞いて、初めてムビチケを買いに行きましたね。

──ご自宅では恐竜グッズをコレクションされているんですか?

多少ですけど一応ありますよ。「ここが私の“ジュラシック・ワールド”です」みたいなケースを置いています(笑)。

──一番の自慢の品はなんですか?

モササウルスの歯の化石ですね。それから福井県立恐竜博物館の化石発掘体験で掘った葉っぱの化石も。ずっと化石の発掘をしてみたかったんです。コロナ前は、毎年レギュラー番組のスタッフで旅行をしていて、行き先を決めるときに「化石発掘体験ができる、福井県!」と何度もリクエスト。なかなか折り合いが付かなかったのですが、何年越しかでようやく願いが叶いました。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」より、モササウルス。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」より、モササウルス。

──すでに高山さんが相当な恐竜ファンであることが伝わってきています(笑)。

特に最初の「ジュラシック・パーク」が大好きで、何回観たかわからないくらいです。前作の「ジュラシック・ワールド/炎の王国」だけは、かわいそうで3度目が観られないんですけど。

──かわいそうというのは恐竜がですか?

はい。自然の摂理だとは言え、あそこにいた恐竜たちがみんな絶滅してしまう展開と、競売に掛けられた恐竜たちを殺さざるを得ない状態になってしまうのもダブルパンチでつらくて、映画館で号泣しました。

──もともと恐竜に興味がある子供だったんですか?

そういうわけでもないんですよね。ただ、未知のものに対する憧れはあったんだと思います。子供の頃に博物館で出会った化石や、骨格しかわからない恐竜にワクワクした感覚が今につながっている感じがします。お仕事のほうでも、スティーヴン・スピルバーグさんとジョージ・ルーカスさん製作の「リトルフットの大冒険 謎の恐竜大陸」というアニメで、ブロントサウルスのリトルフットの声を吹き替えたんです。それで余計に恐竜に愛着が湧きましたね。

ほぼ毎年恐竜展に行っています

──「ジュラシック・パーク」のどこにそんなにハマったんでしょうか?

もう恐竜が動いていることに感動しました。実際の恐竜がどういう色をしていたかはわからないですけど、おそらくこうであっただろうという姿を……。あのときはCGとアニマトロニクスなのかな?

──はい、両方です。

それを駆使して再現されたあの世界観にやられました。しかも1体じゃなくて複数体出てくるし、いろいろな個体がいるし、あの感動がずっと忘れられないんです。

「ジュラシック・パーク」 Film TM & ©︎1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved

「ジュラシック・パーク」 Film TM & ©︎1993 Universal Studios and Amblin Entertainment, Inc. All Rights Reserved

──その感動って、劇中の博士たちとも同じ感動ですよね。

そうですね。アラン・グラント博士が最初にブラキオサウルスを見て「おー!」となるときのあの驚き。あの瞬間は今でも鳥肌立っちゃいますね(笑)。エリー・サトラー博士がトリケラトプスに触ったときに涙を流したシーン、あの気持ちもわかります。もしここに、病気であろうが鎮静剤を打たれていようがトリケラトプスがいたら自分だって泣いちゃいますね。エリーもアランも好きなものに対して一直線。自分の好きなことに対して、ほかのものが見えなくなってしまうくらい熱中してしまう。実際に見て触ってしまった興奮と同時に、学者である自分たちはもう要らなくなるんじゃないかと思ってしまったり。揺れ動く感情を見せてくれるところもすごく好きです。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」より、左からアラン・グラント博士(サム・ニール)、エリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)。

「ジュラシック・ワールド/新たなる支配者」より、左からアラン・グラント博士(サム・ニール)、エリー・サトラー博士(ローラ・ダーン)。

──そうなんですね。

恐竜の姿もシリーズを重ねるたびに少しずつ変わっている気がします。ヴェロキラプトルも最初の頃はもう少し大きかったような……。対比が子供から大人になったからかもしれませんが。ブルーたちのほうがひと回り小さい気がします。恐竜図鑑には、実際のヴェロキラプトルは「ジュラシック・パーク」のよりも少し小さいと書いてありました。

──時代とともにT-レックスの重心も変わってきていますよね。

変わったと思います。恐竜の研究が進むにつれ、少しずつ変化しているんだと思います。昔は尾が地面についているイメージでしたが、今はバランスを体の真ん中で取る感じですね。アパトサウルスとブロントサウルスの問題とか、恐竜の世界には毎年いろいろなニュースが出てきますから。

──「アパトサウルスとブロントサウルスの問題」は、どういうニュースなんですか?

アパトサウルスの若い個体だと思われて、名前が消えていたブロントサウルスですが、近年の研究で異なる特徴が確認され名前が戻ってきたんです。私はほぼ毎年恐竜展に行っているので、そのことも恐竜展で知りました。「ジュラシック・ワールド」も恐竜展のあとに観に行ったんです。そのとき、「新種と思われるモササウルスの化石」が展示されていたので、映画の最後に登場したモササウルスに「あれか!」と興奮しましたね!