「鋼の錬金術師」松雪泰子 / 本郷奏多×内山信二 インタビュー|ホムンクルス役3人が明かす撮影秘話

本郷奏多×内山信二
インタビュー

率直に思ったのは「こんなには太ってねーよ!」(内山)

左から本郷奏多、内山信二。

──まずはオファーがあったときの気持ちを教えてください。

本郷奏多 もともと「ハガレン」が大好きだったんです。いよいよこんな作品まで実写化できる時代が来たのかと。人気マンガですし、自分がエンヴィーを演じることに不安はあったんですが、面白い試みだなと思って参加させていただきました。

──内山さんはいかがですか?

内山信二 僕はオファーがあってから原作を読ませていただいたんです。なのでグラトニーがどういうキャラクターかを知らなくて。率直に思ったのは「こんなには太ってねーよ!」という。

「鋼の錬金術師」より内山信二演じるグラトニー。

──(笑)。曽利監督からは細かく指示があったんですか?

内山 最初はまゆ毛を剃ってほしいと言われて、そのあとに白いコンタクトレンズを着けてほしいと指示がありました。まゆ毛はCGで解決できると言われたので、眼科に行ってコンタクトレンズを着ける練習をしていたんですけど、結局目もCGでなんとかなるって。まゆ毛をCGで対処できるんだったら、目もいけるだろと正直思ってたんですよ!

本郷 そのタイミングですでに思ってたんですね(笑)。

──本郷さんはどのようにビジュアル作りを?

本郷 髪の毛の質感をどう表現するかなど、監督は試行錯誤して今のビジュアルに行き着いたみたいです。だから僕はそれを信頼してエンヴィーになりきるだけで。カツラ合わせは6回やりましたね。

「鋼の錬金術師」より本郷奏多演じるエンヴィー。

内山 またあー。ちょっと盛ってるでしょ。

本郷 実際5回はやってますよ。

内山 1回盛ってるじゃん!

本郷 ふふふふ(笑)。

まさかの餃子が会話のテーマに(本郷)

──お二人が話されているのを聞いていると、とても仲がいいように感じるのですが。

内山 だって撮影中、ほぼ2人でしかいなかったもんね。

本郷奏多

本郷 そうなんです。僕らが敵役なのでほかの方と撮影があまり被っていないというのはありますけど。

──どんな話をされていたんですか?

内山 まず本郷くんが食に興味がないってことに驚きました。人生で食に興味がない人と会ったことがなかったので。「今日〇〇食べたくない?」と聞いても、「食べたくない」って言うんです。

本郷 途中で食べることに疲れちゃうっていうか……お腹は空いてるんですけど、飽きちゃうんです。

内山 いやあ、わかんないでしょ?(笑)

──同じホムンクルスであるラスト役の松雪さんの印象はいかがでしょう。

内山 本郷くんは同じ男だし歳下なので「よろしく!」って感じでいけたんですが、さすがに松雪さんにそれは無理でしたね。それに美貌にびっくりしちゃって。

本郷 そう! 最初に会ったときにラストの格好をしていたんですが、本当に美しくて、しかもカッコよかった。

内山 こんなきれいな人になら殺されてもいいって思ったよね。

本郷 それは思わなかったですけど(笑)。

左から本郷奏多、内山信二。

──松雪さんと何か話はされました?

内山 この仕事をしてなければ関わることはないというか、絶対僕と共通点はないと思っていたんです。でも「今日の夜餃子を食べたい」という話をしていたら、松雪さんが神戸のおいしい餃子の店を教えてくれて。

本郷 まさかの餃子が会話のテーマに。素敵。

内山 「もし今日収録が早く終わったら行こう」という話にもなったんですが、収録が押して行けなかったんですよ! 監督!(笑)

本郷 あははは。

内山 ただ松雪さんと食べ物の話ができるとは思ってなかったので、貴重な時間ではありました。

完成度の高いエンタテインメント。ハリウッド映画と比べても遜色ない(本郷)

──それでは最後に映画を観る方に向けて見どころを語っていただければと。

内山 グラトニーを原作に忠実に演じたので、そこに注目してほしいです。映画自体はCGがものすごいよね?

本郷 そうですね! 僕が最初に観て思ったのは、ハリウッド映画と比べても遜色ないクオリティの作品を日本でも作ることができるようになったんだなと。映像技術が高いからファンタジーマンガのキャラクターを人間が演じても浮かないし、滑らない。ここまで完成度の高いエンタテインメント作品は、日本では初めてだと思います。

内山 ……本郷くん、それ俺が言ったことにならんかね?

本郷 あははは(笑)。とりあえず映画としてのすごさは観ていただければすぐわかると思います。

左から本郷奏多、内山信二。
「鋼の錬金術師」
2017年12月1日(金)全国公開
あらすじ

幼い頃に最愛の母親を亡くした兄エドと弟アル。彼らは母親を生き返らせるため、錬金術における最大の禁忌(タブー)・人体錬成に挑んだ。しかし錬成は失敗に終わり、エドは左脚を、アルは身体のすべてを代価として失ってしまう。瀕死のエドはとっさに再錬成を行い、自分の右腕と引き換えにアルの魂を鎧に定着させることに成功した。それから数年後、鋼鉄の義肢を装着し国家錬金術師となったエドは、奪われたすべてを取り戻すためにアルと旅を続けている。

スタッフ
  • 監督:曽利文彦
  • 原作:荒川弘「鋼の錬金術師」(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
キャスト
  • エド:山田涼介
  • ウィンリィ:本田翼
  • マスタング:ディーン・フジオカ
  • ホークアイ:蓮佛美沙子
  • エンヴィー:本郷奏多
  • マルコー:國村隼
  • コーネロ:石丸謙二郎
  • グレイシア・ヒューズ:原田夏希
  • グラトニー:内山信二
  • ロス:夏菜
  • タッカー:大泉洋(特別出演)
  • マース・ヒューズ:佐藤隆太
  • ハクロ:小日向文世
  • ラスト:松雪泰子
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本郷奏多(ホンゴウカナタ)
1990年11月15日生まれ、宮城県出身。2005年公開作「HINOKIO」で映画初主演を務め、「テニスの王子様」や「GANTZ」「進撃の巨人」シリーズなどに出演してきた。現在は、米澤穂信の推理小説を実写映画化した出演作「氷菓」が公開中。2018年に劇場公開予定の実写版「いぬやしき」では安堂直行に扮する。
内山信二(ウチヤマシンジ)
1981年9月25日生まれ、東京都出身。子役時代、バラエティ番組「あっぱれさんま大先生」に出演し人気を博した。その後はテレビドラマ「ごくせん」シリーズや北野武の監督作「TAKESHIS'」に出演するなど、幅広い分野で活躍している。

2017年12月8日更新