映画「鋼の錬金術師」 PR

「鋼の錬金術師」|完結から7年……今もなお愛される「ハガレン」ワールドの魅力に迫る 朴璐美×釘宮理恵がアニメ放送当時を振り返るインタビューも

荒川弘「鋼の錬金術師」を原作とした実写映画が、12月1日に全国で公開される。2016年5月に山田涼介(Hey! Say! JUMP)主演による映画化が発表され、原作ファンを中心にSNS上で大きな話題を呼んだ(参照:「鋼の錬金術師」実写映画化!エド役は山田涼介、2017年冬に公開)。2010年に完結し、7年経った今でも多くの読者に愛されている「ハガレン」の魅力とは。作品を“錬成”する5つの要素で紐解いていく。

また7月12日に開催された「鋼の錬金術師」ファンイベントの終了直後、イベントに登壇したエドワード役の朴璐美、アルフォンス役の釘宮理恵という、アニメ版「鋼の錬金術師」で主演を務めた2人にインタビューを実施。久しぶりのイベントを終えての心境や、今だから話せる放送当時の思い、また原作の魅力や実写映画への期待も語ってもらった。

どれだけ盛り上がったの? 「鋼の錬金術師」

マンガ好きであればその名を知らない人は居ないであろう「ハガレン」。その人気ぶりがどれほどのものだったか、連載当時のデータと共に振り返っていく。

シリーズ累計7000万部超

「ハガレン」のシリーズ累計発行部数は、全世界を含めると7000万部以上を記録しており、スクウェア・エニックスのマンガ史上、もっとも売れた作品となっている。
「鋼の錬金術師」第1話より。1ページ目から左脚の膝から下を失った血だらけのエドが「持って行かれた…………!!」と呟く、緊迫したシーンがカラーで展開されている。
また「ハガレン」の最終話が掲載された月刊少年ガンガン2010年7月号は、通常の2割増の部数で発行されるも全国の書店で完売が続出。急遽2カ月後に発売された同誌9月号に最終話が再掲載されるほど、読者から注目を集めた。
月刊少年ガンガン2010年7月号の表紙。メインキャラクターが勢ぞろいする賑やかなイラストで登場した。
「ハガレン」は小学館漫画賞、手塚治虫文化賞など4つの賞を受賞しており、業界内での評価も高い。しかも、同作は荒川にとって初めての連載作品。荒川はその後も「百姓貴族」「銀の匙 Silver Spoon」「アルスラーン戦記」と人気作を描き続けている。
「鋼の錬金術師」第1巻

2度のアニメ化、それぞれ劇場版も公開

2003年に初のアニメ化を果たした「ハガレン」。オリジナルストーリーも交えつつ、全51話が放送された。ポルノグラフィティ「メリッサ」、L'Arc-en-Ciel「READY STEADY GO」、ASIAN KUNG-FU GENERATION「リライト」といった主題歌が印象に残っている人も多いのではないだろうか。

  • 2003年から2004年にかけてオンエアされた、テレビアニメ「鋼の錬金術師」のキービジュアル。© 荒川弘/スクウェアエニックス・毎日放送・アニプレックス・ボンズ・電通2003© 荒川弘/スクウェアエニックス・毎日放送・アニプレックス・ボンズ・電通2003
  • 2005年に公開された「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」のキービジュアル。©荒川弘・HAGAREN THE MOVIE©荒川弘・HAGAREN THE MOVIE

2005年には完結編となる「劇場版 鋼の錬金術師 シャンバラを征く者」が全国の劇場で公開された。2009年には原作に準拠したストーリーを「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」というタイトルにて、改めてアニメ化。加えて2011年には完全オリジナルストーリーの劇場アニメ「鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星」も作られた。4作品いずれもアクションシーンに定評のあるボンズが制作を担当しており、荒川が描いた迫力のあるバトルシーンを見事に表現している。

  • 2009年から2010年にかけて放送された、テレビアニメ「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」のキービジュアル。©荒川弘/鋼の錬金術師製作委員会・MBS©荒川弘/鋼の錬金術師製作委員会・MBS
  • 2011年に公開された劇場アニメ「鋼の錬金術師 嘆きの丘(ミロス)の聖なる星」のキービジュアル。©荒川弘/HAGAREN THE MOVIE 2011©荒川弘/HAGAREN THE MOVIE 2011

「鋼の錬金術師」を“錬成”する5つの要素

少年だけではなく、女性や大人まで夢中にさせる「ハガレン」。なぜこれほどまでに愛されているのか。その理由に迫るべく、ここからは作品を“錬成”する5つの要素を紹介していく。

若き兄弟の消失と再生
“等価交換”を軸にした骨太ストーリー

「錬金術の基本は『等価交換』。何かを得ようとするならそれと同等の代価が必要って事だ」。物語は一貫して、この“等価交換”を原則に展開される。失った身体を取り戻すべく、等価交換の原則を凌駕した力を持つ“賢者の石”を追い求めるうち、国家や軍部が絡む巨大な陰謀に巻き込まれていくエドとアル。隅々にまで張り巡らされた伏線がクライマックスに向けて収束していく、練り込まれたストーリー構成は同作の見どころの1つだ。

等価交換の原則とは?
何かを得るためには同等の代価が必要となる“等価交換”。人体錬成を行い真理の扉に辿り着いたエドは、“通行料”として左脚を持って行かれてしまう。
「鋼の錬金術師」第6巻より。
錬金術と命。兄弟が背負う業とは
「綴命(ていめい)の錬金術師」と称されるショウ・タッカーと出会い、とある事件を目の当たりにするエドとアル。そのできごとは、2人の心に大きな傷跡を残すこととなる。
「鋼の錬金術師」第2巻より。
物語のエンディング、弟のアルを助けるためエドは何を差し出すのか?
最終決戦後、真理の扉から戻ってこないアルのため、エドが差し出した“代価”とは……。
「鋼の錬金術師」最終27巻より。

「誰が豆つぶドちびかーーーッ!!!」
軽妙なタッチで描かれるお約束ギャグ

シリアスなパートの間で適度に挟まれるギャグ要素には、エドが気にしている身長いじりや、“マスタング大佐”と“牛乳”を毛嫌いするエピソードなど、お約束と言えるやり取りが多数盛り込まれている。ややもすると重くなりがちなテーマをグイグイ読ませるバランス感のよさも「鋼の錬金術師」の持ち味だ。

エドのコンプレックス
身長の低さを気にするエドは、「チビ」「豆」などのワードに敏感。何度「チビ」と言われたかを数えているほど、その言葉に執念深さを見せる。
「鋼の錬金術師」第1巻より。 「鋼の錬金術師」第13巻より。
かわいい兄弟喧嘩
仲がいいエドとアルだが、時には10代の少年らしく兄弟喧嘩をすることも。
「鋼の錬金術師」第4巻に収録された「外伝 軍の犬?」より。捨て猫を拾ってきた弟を兄らしく叱るエドと、心優しいアルの姿が微笑ましい一幕だ。
エドが嫌いなもの
マスタング大佐と牛乳を毛嫌いするエド。初登場のマスタング大佐に対しては嫌な顔を隠さず、入院中に出された牛乳には手を付けないほど。しかし、牛乳を使用して作るシチューは好物だそう。
「鋼の錬金術師」第1巻より。 「鋼の錬金術師」第4巻より。
機械鎧を壊さないで
機械鎧(オートメイル)を壊したエドをウィンリィが怒る……という、たびたび登場するお約束の展開。回を追うごとに、そのやり取りもよりコミカルになっていく。
「鋼の錬金術師」第3巻より。 「鋼の錬金術師」第8巻より。
「鋼の錬金術師」
2017年12月1日(金)全国公開
あらすじ

幼い頃に最愛の母親を亡くした兄エドと弟アル。彼らは母親を生き返らせるため、錬金術における最大の禁忌(タブー)・人体錬成に挑んだ。しかし錬成は失敗に終わり、エドは左脚を、アルは身体のすべてを代価として失ってしまう。瀕死のエドはとっさに再錬成を行い、自分の右腕と引き換えにアルの魂を鎧に定着させることに成功した。それから数年後、鋼鉄の義肢を装着し国家錬金術師となったエドは、奪われたすべてを取り戻すためにアルと旅を続けている。

スタッフ
  • 監督:曽利文彦
  • 原作:荒川弘「鋼の錬金術師」(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
キャスト
  • エド:山田涼介
  • ウィンリィ:本田翼
  • マスタング:ディーン・フジオカ
  • ホークアイ:蓮佛美沙子
  • エンヴィー:本郷奏多
  • マルコー:國村隼
  • コーネロ:石丸謙二郎
  • グレイシア・ヒューズ:原田夏希
  • グラトニー:内山信二
  • ロス:夏菜
  • タッカー:大泉洋(特別出演)
  • マース・ヒューズ:佐藤隆太
  • ハクロ:小日向文世
  • ラスト:松雪泰子
荒川弘「鋼の錬金術師①」
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荒川弘(アラカワヒロム)
荒川弘
1973年5月8日生まれ。北海道出身の女性。1999年に月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス)にて「STRAY DOG」でデビュー。同誌での初連載「鋼の錬金術師」が雑誌の看板になるほどの大ヒットとなり、アニメ、劇場アニメ、ゲームなど多メディアでの展開が行われた。2003年には第49回小学館漫画賞少年向け部門を受賞。2011年には週刊少年サンデー(小学館)にて、初の週刊連載作品「銀の匙 Silver Spoon」を開始した。2017年12月には、山田涼介(Hey! Say! JUMP)主演による実写映画「鋼の錬金術師」が公開される。自画像として牛を使用するのは、実家が牧場経営なことと、丑年生まれで牡牛座であることに由来する。