映画「鋼の錬金術師」 PR

「鋼の錬金術師」|キャッホー!みんなで祭りを楽しもう!原作者・荒川弘も思わずグッと来た“新たなハガレン”

12月1日に公開を控えた、映画「鋼の錬金術師」。その映画を「お祭りだー!」と誰よりも胸を高鳴らせている人物がいる。それは原作者の荒川弘。これまでにもアニメ、ゲームといった媒体で展開されてきた「鋼の錬金術師」だが、荒川は「また新しいものが観られる」と誰よりもこの“お祭り”を楽しんでいる様子だ。コミックナタリーでは同作の公開を記念し、そんな荒川にインタビューを実施。映画の見どころを聞いたほか、原作への熱い思いを持つファンに対しても、メッセージを寄せてもらった。

取材・文 / 熊瀬哲子

山田さんはマンガのようなコミカルなアクションがうまい

──まずは実写化が決定したときの率直な感想を教えていただけますか? 2006年に発売された「鋼の錬金術師」15巻の巻末には、「もし実写化したら?」というお話をアシスタントの皆さんとされていたと描かれていました。

「鋼の錬金術師」15巻の巻末より。©Hiromu Arakawa/SQUARE ENIX

実写化すると聞いたときの第一声は「おおっ!」という感じで(笑)。15巻の巻末にも描いた、みんなでわいわいしゃべっていたときのことを思い出しましたね。今までもアニメ化、ゲーム化とされてきましたが、さらに違った媒体で作っていただけると聞いて、原作者としては「また新しいものが観られる」とワクワクが押し寄せてくる感じで。完成の日を楽しみにしておりました。

──主人公であるエドは、Hey! Say! JUMPのメンバーである山田涼介さんが演じます。

山田さんって(2015年に公開された映画の)「グラスホッパー」に出演されていたじゃないですか。なので曽利(文彦)監督から「エド役は山田くんでやりたい」とお聞きしたときに、まず「あ、あの殺し屋か!」と思ったんですよ(笑)。

──(笑)。山田さんは「グラスホッパー」でナイフを扱う殺し屋の役を演じられていましたね。

あの映画の山田さんの動きがすごいなと思っていて。オープニングでチンピラをバタバタと、まるで踊るみたいに殺していくシーンがあるんですよ。そのときから絶対この方はアクションがうまいと思っていて。あとは監督もおっしゃっていたんですけど、実際に映画を観て、山田さんはマンガのようなコミカルさを含んだアクションシーンもできる方だなと思いました。原作のエドって、あまりカッコいい走り方をしてないんですよ(笑)。山田さんはそういうところもしっかりと表現してくださってました。

映画「鋼の錬金術師」場面写真

──確かに、映画の序盤でエドが走るシーンは「あ、エドの走り方だ!」と思いました。山田さん自身も走り方についてはこだわりがあるそうで、マンガに影響されたと発言されていました(参照:映画「鋼の錬金術師」山田涼介、LAとパリで「愛してください」とメッセージ)。

焦って必死に走ってる様子に、マンガっぽいコミカルさが出ていましたよね。エドのコミカルだけど運動神経がいい部分を、オープニングのアクションシーンから表現されていて、「やっぱりうまいんだな、この人」と実感しました。

“餅は餅屋”というスタンス

──ちなみに山田さんもですが、ウィンリィ役の本田翼さん、エンヴィー役の本郷奏多さんも以前から「鋼の錬金術師」のファンだったんですよね。

みたいですね。逆に原作を読んでるとイメージに縛られちゃってかわいそうだなと思いますけど。もっと自分の解釈で演じてもらってかまわないと思っていたので。

映画「鋼の錬金術師」場面写真

──荒川さんからキャストの方や監督に何かオーダーはされなかったんですか?

上がってきた脚本をチェックしたりはしましたけど、基本的には監督にお任せでした。座右の銘じゃないですけど、私は“餅は餅屋”だと思ってるんですよ。なので単純に「できあがりが楽しみだな」と思っていて。それはアニメのときもそうだったんです。「仕事をしない原作者ですみません」って感じなんですけど(笑)。

──アニメはアニメ、実写は実写の方にお任せするのが一番だと。

ええ。別に原作のことを気にする必要はないと思うんです。なので「好きにやってください」と。私はキャラクターが表現できていれば外見も全然気にしないタイプなので、最初はウィンリィみたいな金髪のキャラも「金髪にしなくていいんじゃない?」と思ってたんです。実際にウィンリィは茶色に近い金髪になりましたけど、SLのシーンとかは背景の色味とも合って、すごくしっくり来ていましたよね。実写としてキャラクターが立っていれば、原作から変化していても全然いいと思うんです。だから髪の多い(大泉洋演じる)タッカーさんもアリですし(笑)。

──あはは(笑)。

大泉さんは同じ北海道人として気になっちゃいますね。北海道の星です(笑)。映画ではタッカーの出番が結構あって、「おお、こう来たか」と思いながら観させてもらいました。そこも見どころですね。

──そのほかのキャストの方々についてはいかがですか?

(ディーン・フジオカ演じる)マスタング大佐はカッコいいほうに振り切ってましたよね。(佐藤隆太演じる)ヒューズさんはヒューズさんのままでしたが(笑)。エドとウィンリィは、もともと山田さんと本田さんが仲がいいらしくて、そのわちゃわちゃした感じが活かされていてとてもよかったです。あとはやっぱりホムンクルス組がすごくて……。

映画「鋼の錬金術師」より、ディーン・フジオカ演じるマスタング。

──ラスト、エンヴィー、グラトニーのホムンクルス組は特に再現率が高いですよね。ファンイベントでビジュアルが解禁されたときも、ひと際大きな歓声が上がっていました(参照:「鋼の錬金術師」朴璐美&釘宮理恵が作品への思い語る、公開アテレコも)。

(ラスト役を)まさか松雪(泰子)さんに受けていただけるなんて思ってもみなかったです(笑)。内山(信二)さんはグラトニーらしい気持ち悪さが出てていいですよね。本郷(奏多)さんのエンヴィーもすごい生意気そうな感じがいい。マルコー役の國村隼さんは出番は少ないんですけど、ちょっとした目の演技だけでも惹きつけられて、さすがだなと思いました。脇役も普段は主役をやられているような方がたくさんいらっしゃって、ホントに豪華でした。

映画「鋼の錬金術師」より。左から内山信二演じるグラトニー、松雪泰子演じるラスト、本郷奏多演じるエンヴィー。

純粋に「観てみたい」と思った

──実写化について、基本的には監督にお任せしていたとのことでしたが、曽利監督視点で描かれる「鋼の錬金術師」は、荒川さんの目にどう映りましたか。

原作を知っていても、合間に映画オリジナルの場面が挟み込まれることによって「次はどうなるんだ!?」っていうワクワク感がありました。本筋は原作と変わらないんですが、合間に投げ込まれてくる変化球がすごく面白くて。展開がわかっていても、思わず息を止めてしまったり、観ていてグッとくるシーンがありました。

──CGを使った錬金術のシーンも迫力がありました。

映画の企画が立ち上がったときに、曽利監督は「何年か前のCG技術だったらできなかったけど、今なら『鋼の錬金術師』を作れる。ぜひやらせてください」とスクウェア・エニックスのほうにいらっしゃって。それを聞いて、純粋に「あ、じゃあ観てみたい」って思ったんですよね。マンガ的な表現とリアリティの行き来というか、融合と言うんですかね。「ピンポン」のときも、曽利監督はCGを使ってマンガ的な表現を撮るのが非常に上手な監督さんだと思っていたので、それを「鋼」で観られるのが楽しみでした。

──今回の映画で、アルは全編フルCGで作られています。エドとアルのケンカのシーンで、エド役の山田さんは何もないところを殴り続けてそのカットを撮影したと聞きました。

映画「鋼の錬金術師」場面写真

そうそう。山田さんの演技にあわせて、アルフォンスのCGを作るっていう。実際に映画を観ると、本当にアルがそこにいて殴られてるみたいなんですよね。ここにいたるまでにどれだけの手間がかかってるんだろうかと考えると頭が下がる思いで。日本のCGも日々進化してるんだなと驚きました。

「鋼の錬金術師」
2017年12月1日(金)全国公開
あらすじ

幼い頃に最愛の母親を亡くした兄エドと弟アル。彼らは母親を生き返らせるため、錬金術における最大の禁忌(タブー)・人体錬成に挑んだ。しかし錬成は失敗に終わり、エドは左脚を、アルは身体のすべてを代価として失ってしまう。瀕死のエドはとっさに再錬成を行い、自分の右腕と引き換えにアルの魂を鎧に定着させることに成功した。それから数年後、鋼鉄の義肢を装着し国家錬金術師となったエドは、奪われたすべてを取り戻すためにアルと旅を続けている。

スタッフ
  • 監督:曽利文彦
  • 原作:荒川弘「鋼の錬金術師」(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
キャスト
  • エド:山田涼介
  • ウィンリィ:本田翼
  • マスタング:ディーン・フジオカ
  • ホークアイ:蓮佛美沙子
  • エンヴィー:本郷奏多
  • マルコー:國村隼
  • コーネロ:石丸謙二郎
  • グレイシア・ヒューズ:原田夏希
  • グラトニー:内山信二
  • ロス:夏菜
  • タッカー:大泉洋(特別出演)
  • マース・ヒューズ:佐藤隆太
  • ハクロ:小日向文世
  • ラスト:松雪泰子
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荒川弘(アラカワヒロム)
荒川弘
1973年5月8日生まれ。北海道出身の女性。1999年に月刊少年ガンガン(スクウェア・エニックス)にて「STRAY DOG」でデビュー。同誌での初連載「鋼の錬金術師」が雑誌の看板になるほどの大ヒットとなり、アニメ、劇場アニメ、ゲームなど多メディアでの展開が行われた。2003年には第49回小学館漫画賞少年向け部門を受賞。2011年には週刊少年サンデー(小学館)にて、初の週刊連載作品「銀の匙 Silver Spoon」を開始した。2017年12月には、山田涼介(Hey! Say! JUMP)主演による実写映画「鋼の錬金術師」が公開される。自画像として牛を使用するのは、実家が牧場経営なことと、丑年生まれで牡牛座であることに由来する。