本田翼インタビュー
本当に圧倒されちゃいました!
日本の映画じゃないみたい
──まずは完成した映画を観た感想を教えてください。
CG技術が本当にすごくて圧倒されちゃいました! フルCGのアルはもちろん現場にはいなかったので「アルってこんなに大きかったんだ」と思いましたし、ラストの爪はどう伸びるのかなとかワクワクしながら観てました。スケールが大きくて、日本の映画じゃないみたいでしたね。
──お気に入りのシーンはありますか?
エドが槍を錬成するシーンが原作通りで、角度をはじめ何から何までこだわっていることに感動しました。「この場面はこの角度で観たい!」「ここのシーンは原作をちゃんと再現してほしい!」と思っていたんですけど、曽利監督はそういった原作ファンの意見を理解していて。曽利さんのそういうところ、好きです(笑)。
ウィンリィはエドとアルのことを誰よりもわかっている
──原作のマンガは連載当時から読んでいたんでしょうか。
はい。小学生のときから読んでいました。
──今回そんな作品のヒロインであるウィンリィを演じたわけですが。
最初にお話をいただいたときは、「私で大丈夫かな……」と不安に思いました。ただ小学生のときからマンガを読んでいたので、自分の中にウィンリィのイメージができあがっていたんです。そのとき思い描いていたウィンリィって自分がこの仕事をする前に想像していたものだから、客観的に見ることができているのかなと。だからそのイメージをもとに役作りに臨みました。
──どんなイメージだったんですか?
明るくて、ちょっとさばさばしていて、エドとアルのことを誰よりもわかってる。映画の内容的には暗い部分が多いけど、ウィンリィが出ているところは明るくしたいと考えていました。それを監督に伝えたら、「その通りだね。僕もそう思っていた」とおっしゃってくれて。もともとウィンリィに対するイメージが監督と一致していたんだと思います。
──マンガのように金髪にしなかったのは理由があるんですかね。
最初は金髪にしようと思ってたんですが、髪色を寄せても日本人だから違和感があるんですよ。それにマンガではなく人間が出演する映画なので、いかに自然にウィンリィを演じられるかが重要だと感じたんです。コスプレっぽくなりたくないと思って。
役にまっすぐ向き合っていた山田くん
本当の幼なじみのような感覚に
──エドを演じた山田(涼介)さんとの共演はいかがでした?
すごく芯がしっかりしている方というか、エドという役にまっすぐ向き合っていました。一緒のシーンが多かったので、空き時間は「ハガレン」のキャラクターの話をしたりして。映画には出てないスカーを演じるなら誰が似合うだろうって考えたり(笑)。山田くんとはそういう話をたくさんして、本当の幼なじみのような感覚になりました。
──撮影が始まる前に、たまたま会ったという話を伺いました。
そうなんですよ! 友達とご飯に行ったお店で、1人でイヤフォンをしてゲームをしてる男性がいて、それが山田くんだったんです。私もゲームやマンガが好きで親近感が湧いたのもありますし、そのときすでに「ハガレン」の話は決まっていたので、山田くんに「よろしくっ」と声をかけました。そのことがあったので、現場で初めて会ったときも「久しぶりー!」という感じで和やかに話せましたね。
その場に存在しないアルと共演
今まで経験したことがない撮影
──本田さんはイタリアでの撮影にも参加されたんですよね。
1週間くらいいました。トスカーナ州で撮影をしたんですが、汽車の窓から見る景色が本当にきれいだし、「ハガレン」の世界観にすごく近くて。そんな場所で撮影をスタートできたので、日本での撮影のときも気持ちを作りやすかったです。
──あとからCGが追加されることを想定しての撮影だったかと思うのですが、苦労したことはありますか?
今まで経験したことがないような撮影だったので大変でした。だって現場にはアルいないんですよ!? スタッフさんから「このへんを見てください」と言われて撮るんですが、私最初のほうはいつも違うところを見てしまって。しかもそれを自己申告しないといけないので、撮影のOKが出たあとに「ごめんなさい……」と言ってもう1回撮ったり。
──女優として鍛えられたんじゃないでしょうか。
CGとの向き合い方は鍛えられましたね(笑)。
マンガよりも生々しさが増している
アクションシーンはすごい迫力
──では最後に、原作マンガのファンとして映画ならではの魅力を教えてください。
マンガよりも生々しさが増していると思います。あとはアクションシーンが見どころですね! マスタングさんが焰を錬成するシーンはすごい迫力でした。
──ちなみに本田さんが錬成してみたいものってなんですか?
ええ! なんだろう……でも錬金術ってある物質から新しいものを作る等価交換なんですよね。だから私は古い民家をリフォームしたいかな。こっそり床暖房とか付けたい(笑)。
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ディーン・フジオカ インタビュー
- 「鋼の錬金術師」
- 2017年12月1日(金)全国公開
- あらすじ
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幼い頃に最愛の母親を亡くした兄エドと弟アル。彼らは母親を生き返らせるため、錬金術における最大の禁忌(タブー)・人体錬成に挑んだ。しかし錬成は失敗に終わり、エドは左脚を、アルは身体のすべてを代価として失ってしまう。瀕死のエドはとっさに再錬成を行い、自分の右腕と引き換えにアルの魂を鎧に定着させることに成功した。それから数年後、鋼鉄の義肢を装着し国家錬金術師となったエドは、奪われたすべてを取り戻すためにアルと旅を続けている。
- スタッフ
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- 監督:曽利文彦
- 原作:荒川弘「鋼の錬金術師」(「ガンガンコミックス」スクウェア・エニックス刊)
- キャスト
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- エド:山田涼介
- ウィンリィ:本田翼
- マスタング:ディーン・フジオカ
- ホークアイ:蓮佛美沙子
- エンヴィー:本郷奏多
- マルコー:國村隼
- コーネロ:石丸謙二郎
- グレイシア・ヒューズ:原田夏希
- グラトニー:内山信二
- ロス:夏菜
- タッカー:大泉洋(特別出演)
- マース・ヒューズ:佐藤隆太
- ハクロ:小日向文世
- ラスト:松雪泰子
原作第1話の試し読みはこちらから
©2017 荒川弘/SQUARE ENIX ©2017映画「鋼の錬金術師」製作委員会
- 本田翼(ホンダツバサ)
- 1992年6月27日生まれ、東京都出身。趣味はゲーム、マンガ、数独。「少女」「土竜の唄 香港狂騒曲」などの映画や、「恋仲」「わにとかげぎす」といったテレビドラマに出演してきた。現在はテレビドラマ「奥様は、取り扱い注意」に佐藤京子役で出演中。また12月22日よりAmazonプライム・ビデオで配信されるドラマ「チェイス 第1章」では主演を務め、2018年2月10日には映画「今夜、ロマンス劇場で」の公開を控えている。
2017年12月8日更新