dTVオリジナルドラマ「不能犯」 永尾まりや×内藤瑛亮インタビュー|残酷描写だけじゃない!人間の欲望や心理を描く新感覚ドラマ

あんこうが怖かった!(永尾)

──ショッキングな描写が含まれていることもあって、本作に関心はあっても、視聴するかどうかを迷う方もいるかもしれません。お二人だったら、そんな人に本作をどうアピールしますか?

永尾まりや

永尾 我慢して観るしかないです!

内藤 ふふふ(笑)。

永尾 第1話は、私ですら「すごいな……」と思ったシーンもありました。

内藤 そうなんだ(笑)。僕は、残酷描写は、あくまでもキャラクターが引き起こしたことの結果でしかなくて、各エピソードの主人公の内面や、心理の流れが一番大事だと思っているんです。第1話で言えば、SNS上こそがリアルだと思い込んでしまう夏美の心理を観てほしい。

──なるほど。永尾さんがすごいと思ったのは、あんこうが登場するシーンでしょうか?

永尾 なんでわかったんですか!?

──あの場面は衝撃的でした。あんこうは撮影のあと、内藤監督がお刺身にして食べたんですよね?

dTVオリジナルドラマ「不能犯」第1話

内藤 はい! 家に持ち帰りました(笑)。

永尾 えーっ! それが一番怖い話ですよ……!

内藤 あんこうは食べ物だから(笑)。妻にさばいてもらったらかなりの量だったので、刺身のあとは鍋や唐揚げにもして。3回戦くらいいったかな(笑)。

永尾 へえー!

──堪能されたんですね(笑)。

永尾 おいしかったですか?

内藤 おいしかった! 北海道からけっこういいやつを取り寄せたらしくて。刺身が一番よかったなあ。

左から永尾まりや、内藤瑛亮。

永尾 じゃあ、監督は撮影をしながら「おいしそうだなー」と思ってたんですか? 私は怖かったですよ、あんこう!

内藤 どうやって食べようかなとは思っていたよ。電車じゃ持ち帰れないから、撮影後はスタッフに車で家まで送ってもらって。

永尾 それ、監督だからできることですよ!

映画版は先の展開を知っていてもワクワク(永尾)

──見どころはたくさんあるかと思いますが、永尾さんが特に注目してほしいシーンはありますか?

dTVオリジナルドラマ「不能犯」第1話

永尾 1つだけ選ぶとしたら、最後に宇相吹にある言葉を言われるシーンですね。いろんな感情が込められた場面なので、ぜひ観ていただきたいです!

──では最後に、映画版「不能犯」をご覧になった感想を聞かせていただければと思います。

永尾 映画を観る前にマンガを読んでいたのですが、先の展開を知っていてもワクワクしました。

永尾まりや

──原作の各エピソードがバランスよくちりばめられていますよね。

永尾 絶妙ですよね。ここではあの話が使われているんだ!と、すごく楽しみながら観させていただきました。

内藤 宇相吹の悪魔的な面だけじゃなくて、人間の正義を探し求めているところが描かれているのが、映画版の面白さですよね。あと、宇相吹が赤い目で暗示をかけるシーンには、一瞬じゃ把握しきれないくらい細かい意味が込められているそうで、白石さんの執念が出ているカットだなと思いました。

エピソード解説

第1話「隠したい過去」

左から鈴之助演じる矢崎太一、永尾まりや扮する加島夏美。

加島夏美(永尾まりや)は、華やかな暮らしぶりをSNSに投稿することで充実感を得ているOL。あるとき彼女は、恋人の紹介で調理師の矢崎太一(鈴之助)と知り合う。そして夏美は、自身がひた隠しにする“過去”を知る太一から脅しを受けるようになり……。

第2話「賭ける男」

永井大演じる桜井康一。

主人公は、闘病中の幼い息子を持つ会社員・桜井康一(永井大)。彼は同僚の迫田学(井澤勇貴)と共同購入した宝くじのうち1枚が高額当選したことに気付き、当選金を息子の治療費に充てようとするが、迫田はすべてはずれくじだったと言い張る。

内藤瑛亮 コメント
主人公の桜井は、自分のリアルな姿を直視できないという部分が第1話の夏美と少し似ているなと思います。撮影期間が短く大変でしたが、主演の永井大さんがすごく明るい方で、現場の雰囲気を和やかにしてくださいました。

第3、4話「神待ちサイトの悪魔(前・後編)」

左から平岡祐太演じる安藤貴哉、松坂桃李扮する宇相吹正。

正義感が強い高校教師・安藤貴哉(平岡祐太)は、非行に走る教え子や不正を働く同僚などを正しい道に連れ戻すべく、説得を繰り返す日々を送っていた。あるとき彼は、“神待ちサイト”で援助交際をする女子生徒に恨みを抱かれ、宇相吹のターゲットとなる。

内藤瑛亮 コメント
まさに映画版とつながるような話です。安藤役の平岡祐太さんには「正しさに取りつかれたような存在です」と伝えたところ、正しすぎて絶妙にムカつく感じをうまく表現してくれました(笑)。

dTVとは?

月額500円で、PCやスマートフォンから映画、ドラマ、ライブ映像などを楽しめる映像配信サービス。初回は31日間無料で、ドコモユーザー以外でも利用することができる。

dTVオリジナルドラマ「不能犯」
dTVにて独占配信中
※2017年12月22日(金)より毎週1話更新(第1話は無料)
dTVオリジナルドラマ「不能犯」

生まれも経歴も不詳の男・宇相吹正は、犯罪を意図した行為でもその実現が不可能であれば、罪に問われない“不能犯”。電話ボックスに殺しの依頼を書いて貼ると、彼はどこからともなく現れ、不気味な能力でターゲットを死に至らしめる。ある秘密を持つOL、宝くじが当たったサラリーマン、正義感の強い教師ら、宇相吹と出会った人々がたどる悲惨な運命とは……。

スタッフ / キャスト

監督:内藤瑛亮

脚本:山岡潤平

キャスト:松坂桃李、沢尻エリカ、水上剣星、永尾まりや、鈴之助、森岡豊、永井大、MEGUMI、井澤勇貴、平岡祐太、萩原みのり、佐藤仁美ほか

原作:宮月新 / 神崎裕也「不能犯」(集英社「グランドジャンプ」連載中)

永尾まりや(ナガオマリヤ)
1994年3月10日生まれ、神奈川県出身。2009年に行われた第9期AKB48オーディションに合格し、AKB48メンバーの一員となった。2016年に同グループを卒業してからは、「咲-Saki-」「東京ボーイズコレクション~エピソード1~」「便利屋エレジー」などの映画作品に出演したほか、雑誌LARME、S Cawaii!のレギュラーモデルとして活躍している。
内藤瑛亮(ナイトウエイスケ)
1982年12月27日生まれ、愛知県出身。短編「牛乳王子」で学生残酷映画祭2009のグランプリを獲得した。その後、「先生を流産させる会」「ライチ☆光クラブ」「ドロメ」2部作など、話題作を立て続けに手がけた。2018年には「ミスミソウ」が公開される。現在、長編自主映画「許された子どもたち」を制作中。
映画「不能犯」
2018年2月1日(木)公開

監督:白石晃士

脚本:山岡潤平、白石晃士

キャスト:松坂桃李、沢尻エリカ、新田真剣佑、間宮祥太朗ほか