最初は全員ド緊張！（坂本）

──これまでのインタビューで、選ばれし子どもたちを演じた皆さんは「最初はかなり緊張していた」と話していたんです。花江さんと細谷さんはどうでした？

花江　もともとデジモンのファンだったし、太一もすごく好きなキャラクターだったから、やっぱり緊張しましたね……！ でもファンの方からデジフェス（「DIGIMON ADVENTURE FES.」）で温かい言葉をかけていただいたときに、受け入れてもらえているんだな、よかったなとほっとしました。

細谷　僕は、第1章のときは平然としていようと努めていました。マイペースを保てなくなったら終わりだと思っていたので（笑）。「tri.」シリーズの選ばれし子どもたちは、今までデジモンを応援してくださっていたお客様が抱いているイメージから成長したじゃないですか？ 「何か違う」という声は絶対出てくるだろうと思っていたのですが、それを考えたところでどうしようもないし、普通にしていたほうが絶対にいいと信じてやっていました。

──実際にマイペースでいられましたか？

細谷　第1章は大丈夫だったと思いますね。でも2016年のデジフェスで、ファンの皆さんがキラキラした目で「Butter-Fly～tri.Version～」を歌っているのを見て、「この人たちの顔を曇らせてはいけない！」とプレッシャーを感じました……。

坂本　やっぱり最初は全員ド緊張していましたよ！ 居残り組も年月との戦いや、若い人たちの元気にのみ込まれてたまるかという思いがあっただろうし。応援して待っていてくださった方の期待もわかるし、緊張していない人はいなかったよね？

山口　そうですね。みんないろんな意味で緊張していた（笑）。

坂本　私も細谷くんと同じで、緊張に負けちゃ駄目だと思っていたんです。やっぱりのびのびやってる人は強いし、自分の一番いいパフォーマンス出さなくてどうする！という気持ちでした。

細谷　絶対にそうですよね。

──ちなみに、皆さんが第6章の展開や結末を知ったのはいつ頃だったんでしょうか。

坂本　いつも台本をいただいたタイミングで初めて知るんです。

山口　そう、毎回知らない！ 「次はいいセリフがあるよ」とは言われるんですけど詳しくは知らされなくて。どんな展開が待っているんだろう？と思っていました。

坂本　「アグモンは全然活躍しないんですか？ 食べ物のことしか言わない間にシリーズが終わっちゃうんですか？」って聞いたこともあるくらい。

未来はまだまだ築いていける（山口）

──本作で選ばれし子どもたちとパートナーの冒険に一区切りがつきました。シリーズを完走した心境を聞かせてください。

花江　2年半の間、太一を演じられてうれしかったです。太一や選ばれし子どもたちの人生には続きがありますし第6章もその先が気になる終わり方をしているので、また演じられたらと思っています。今はひとまず、太一にお疲れさまと声をかけてあげたいと思います。

坂本　私はまた選ばれし子どもたちやデジモンのみんなに会えるとは考えていなかったし、同じ気持ちを共有できるとも思っていなかったんです。長きにわたって、みんなと一緒に過ごせたことに本当に感謝しています。

細谷　個人的にはコンディションを崩したこともあったので、全6章を無事に終えられて一安心しています。でも正直、よし、終わった！ 最後までやりきった！って達成感は今はまだなくて。これは終わってるんですか？という感じですね。

山口　（笑）。「tri.」シリーズにはこれで区切りがつきましたが、皆さんの応援で未来はまだまだ築いていけると私は信じています！