ずっと仮面ライダーだけど、ずっと仮面ライダーではない
──「仮面ライダーエグゼイド」本編の放送を終え、Vシネマシリーズ「仮面ライダーエグゼイド トリロジー アナザー・エンディング」も約1カ月前にクランクアップされたと伺いました。今の心境はいかがですか?(この取材は、「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」の完成披露舞台挨拶後に行われた。参照:「平ジェネ」飯島寛騎のベストマッチ相手はパラド、小野塚勇人が「相棒じゃないの?」)
もう終わったんだ、って感じですね。今日の舞台挨拶にしても、「仮面ライダーエグゼイド」のキャストとしてお仕事するのも残りわずかなんだなと。今まで当たり前だったことが当たり前じゃなくなるので、改めて気を引き締めないといけないですね。僕の中で大事な経験として残るという意味ではずっと仮面ライダーですけど、ずっと仮面ライダーではないので。
──舞台挨拶も、あと何回残っているかと思うと寂しい気持ちになりますね。
そうですね。でも、自分がやるべきことは出し切ったんじゃないかなと思っているので、あとはビルドチームに引き継いでもらって。ただファンの方々には、エグゼイドを忘れないでほしいです。……まあ、ビジュアルが派手だから忘れないと思うんですけど! でも、この映画を通して最後の最後にエグゼイドはよかったなって感じていただけたらうれしいです。
──映画でビルドチームと共演していかがでしたか? 舞台挨拶では「あっちのほうが大人っぽい感じがする……」と率直に話されていましたね。
僕らエグゼイドチームの空気がちゃらんぽらんなんです、まあ楽しいので結果オーライなんですけど(笑)。ビルドチームは年齢層が高い分、大人の雰囲気がありましたね。あっちゃん(犬飼貴丈)は特に大人っぽくて、一緒にご飯も行ったんですけど、歳上なだけあって人生の先輩として頼りになると思いました。悟ってるのかな?(笑)
──食事に行ったときは、ライダーについて語り合ったり?
そうですね。今後どうしていきたいか、どうしていくべきか。でもあっちゃんは最初から全部できてるから、すごい。僕なんて本当に全然できなかったから。
──飯島さんは未経験のまま、北海道から「エグゼイド」のために上京されたんですよね。
はい。だから僕、キャリアなんてあっちゃんの半分もないもん(笑)。でも一応ライダーの先輩としては負けたくなかったので、撮影は気合いを入れて臨みましたよ。
──ビルドチームとは、万丈龍我役の赤楚衛二さんとの共演が多かったようですね。
そうですね。約2週間、アクション監督さんに「またお前ら2人かよ!(笑)」って言われるくらい赤楚くんと一緒にいました。赤楚くんはまあ、そんなに大人っぽい感じではなくて、うちの瀬戸(利樹)くん的要素が強いかな(笑)。人の心の壁を壊すのがうまいところなんか、瀬戸くんと同じタイプだと思いました。一緒にお芝居することで自分も初心に帰って、「1年前はこういう感じだったな」と思えることもあったし。先輩ライダーの皆さんもいらしたので、2方向から刺激を受けて、自分に足りないものに気付くことができました。
──レジェンドライダーキャストで印象深いのはどなたですか?
佐野岳くん以外の方々とは共演させていただいたんですが、印象深いのはやっぱり渡部秀さん! というか、三浦涼介さん含むオーズチームですね。もう……カッコよかったです。あの2人の相棒関係には、「うおおー!」ってしびれるものがあって。もちろんお芝居も素晴らしいですし、コンビネーションもすごかったです。
上堀さんに言われた「パラドを生かすために永夢の力も必要」
──「エグゼイド」に主演したこの1年間を通して、一番感謝を伝えたい相手はどなたですか?
全員に感謝しているんですけど、まずは監督さんたちですかね。僕はお芝居の土台すらできていない状態でスタートさせてもらったので、表情から動き、セリフに至るまで細かく教えていただきました。あと北海道出身なので、ちょっとイントネーションが違うこともあって、スクリプターさんに指摘していただいたこともあったし。周りのキャストさんたちにも、僕が新人ということでアドバイスしてもらったり、「こうしたい」っていう意見を素直に受け入れていただいたり。キャスト、スタッフさんにはものすごく感謝しています。
──お芝居の面では、ターニングポイントとなった作品の1つに「仮面戦隊ゴライダー」があると思うのですが(ビデオパスで「仮面戦隊ゴライダー」を観る)。
ああ、上堀さん(上堀内佳寿也)が監督の! とことんしごかれましたね。
──素面での会話劇が多い作品で、苦労されたと以前おっしゃっていましたよね。やはりあの現場はご自身にとって大きかったのでしょうか?
春映画のすぐあとに撮影に入って、スケジュールがすごくきつかったんですよ。身体的にも疲れているし、寒いし。僕のシーンやセリフも多くてとにかく大変だったんですけど、あれを乗り越えたから今がある、今の自分に生かされていると思っています。
──「ゴライダー」以外でも、上堀内監督から教わった印象深いことがあれば教えてください。
上堀さんのことは本当に尊敬しています。パラドと(宝生)永夢の関係が描かれた本編の39話、40話で、「パラド(甲斐翔真)の芝居力も大事だけど、パラドを生かすためには永夢の力も必要だよ」って。僕がパラドのよさを引き出してあげないといけないと感じたので、どうしたらいいんだろうってかなり悩みました。その結果あれができあがって、いい方向に持っていくことができてよかったですね。だからエグゼイド最後の劇場版である「平ジェネFINAL」を上堀さんが監督すると聞いて「おおっ! よし、気合い入れてがんばらなきゃ!」と。焦りもあったけど、喜びも大きかったです。
──今回の現場でもしごかれましたか?
そんなにしごかれてはいないです。でも、変身を笑われました(笑)。今回、永夢は変身能力を失っている設定なので、なかなか変身できなくて。レジェンドライダーの皆さんの変身を生で見て「早く変身したいです!」ってずっと言っていたんです。いざ変身するとなったとき、バリバリに気合いを入れていったら、まあ入れすぎましたね(笑)。一発OKだったんですけど、上堀さんだけでなく(スーツアクターの)高岩(成二)さんにも「寛騎、気合い半端ねえな」って笑われました!
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頼りなかった主演に付いて来てくれてありがとう
- 「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」
- 2017年12月9日(土)より全国公開
- ストーリー
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すべてを超越する力を求め、人類消滅計画をもくろむ凶悪な科学者・最上魁星 / カイザーが現れた。立ち向かおうとする仮面ライダービルド / 桐生戦兎と仮面ライダーエグゼイド / 宝生永夢だったが、永夢は変身ができない。それは以前、ビルドのフルボトルに成分を吸収されたせいであった。そんな絶体絶命の危機にある2人を助けに現れたのは、あの男たち。無事人間としてよみがえった仮面ライダーゴースト / 天空寺タケル、“始まりの男”として神の力を手に入れた仮面ライダー鎧武 / 葛葉紘汰、母校・天ノ川学園高校の教師となった仮面ライダーフォーゼ / 如月弦太朗、アンクと再会を果たした仮面ライダーオーズ / 火野映司が帰ってきた。世界を救うため、ライダーたちが力をひとつにする。
- スタッフ / キャスト
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原作:石ノ森章太郎
脚本:武藤将吾、高橋悠也
監督:上堀内佳寿也
音楽:川井憲次、ats-,清水武仁&渡辺徹、中川幸太郎
アクション監督:宮崎剛
特撮監督:佛田洋
出演:犬飼貴丈、飯島寛騎、渡部秀、福士蒼汰、佐野岳、西銘駿、赤楚衛二、高田夏帆、瀬戸利樹、松本享恭、岩永徹也、松田るか、小野塚勇人、黒崎レイナ、甲斐翔真、土屋シオン、柳喬之、滝裕可里、関智一(声)、三浦涼介、田中卓志(アンガールズ)、水上剣星、前川泰之、大槻ケンヂ
- 「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」公式サイト
- 「仮面ライダー平成ジェネレーションズFINAL ビルド&エグゼイドwithレジェンドライダー」作品情報
©「ビルド&エグゼイド」製作委員会 ©石森プロ・テレビ朝日・ADK・東映
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- 飯島寛騎(イイジマヒロキ)
- 1996年8月16日生まれ、北海道出身。2015年に「ジュノン・スーパーボーイ・コンテスト」にてグランプリに輝く。「仮面ライダーエグゼイド」にて、ドラマ初出演ながら主役に抜擢された。2017年10月からはスポーツ系バラエティ番組「超人女子」のナビゲーターに就任。同年11月、栗山航、塩野瑛久、西銘駿らとオスカープロモーション初の男性エンタテインメント集団“男劇団 青山表参道X”を結成した。